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宇宙原理は否定されたのでしょうか?

2013年11月に「ヘルクレス座・かんむり座グレートウォール」が観測された事実が発表されました。 長さ100億光年に達する、この巨大構造は宇宙全体の10%以上を占める大きさで、物質密度が他の場所より高い場所である事から、「一様等方」を仮説した宇宙原理とは相いれない観測事実と思えます。 2013年11月の I. Horvath, J. Hakkila, Z. Bagoly による重大発表以降、宇宙原理は否定されたと考えないといけないのでしょうか? 最新の天文学の概要をご存知の方より、素人向けのアドバイスを頂けるとありがたいです。

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  • ddtddtddt
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回答No.3

 宇宙原理が最初に提唱された頃、宇宙方程式としては一般相対性理論の重力場方程式しかありませんでした(今でも基本的にはそうですが)。ところがこの重力場方程式は、解くのが途方もなく難しく、今でも厳密解は数個しかみつかっていません。こういう状況では、最初のチャレンジとして「一様等方性」を仮定するってのは、妥当だと思いませんか?。  たとえ「一様等方性」が粗い近似であったとしても、少なくとも地球周辺の宇宙はそう見えるわけで、これを延長したらどうなるだろう?というのは、とっかかりとして有効なはずです。解が皆無では何も出来ませんから。  「一様等方性」を仮定したフリードマン宇宙(でしたっけ?)には、実際に有効な解が含まれていました。ビッグバンモデルを許容する膨張・収縮宇宙を導けたからです。これらの解が得られたのは、ハップルの発見以前です。そういうわけで、「初回近似」として「一様等方性」は妥当だったのでは?、と今でも考えられていると思います。でも「宇宙原理」は言いすぎなのでは?、という話はわかります。  フリードマン宇宙が出る直前まで歴史的には、膨張も収縮もしない静的宇宙の考えが、宇宙論の専門家の間でも定説でした。というかそれが出るまで、宇宙論という分野は事実上なかったんですよ。そこでの宇宙は、今よりももっと均衡の取れた静かなものでした。フリードマン宇宙が膨張・収縮宇宙を導いた時、膨張・収縮を止めるためにアインシュタインは、重力場方程式に事後的に宇宙項(重力に対抗する斥力項)を付加した、というのは有名な話です。  そのような状況だったので、宇宙の均衡を示すと考えられる「一様等方性」にいくぶんかの願いを込めて、「原理」という名を付けた気はします。  フリードマン宇宙が提出された後、ハップルの観測が発表されビックバンが定説となっていきますが、そうとう早い時期から、「宇宙原理」が言うほど宇宙は均質でないという事は何となくわかっていました。またビックバンの瞬間に宇宙の種が揺らいでいれば、その揺らぎが宇宙の膨張とともに成長し、大構造が形成される事も原理的には導かれていました。  ただ当時はハップルの観測以外、信頼に足る結果がほとんど皆無だったのと、どちらも宇宙開闢の瞬間に「宇宙原理」が正しいかどうかが決まるので、「一様等方」派と「揺らぎ」派の主義主張の闘いなどと揶揄された時期もありました(^^;)。  現在は「宇宙原理」の基本路線としての意義は認めつつ、現実には全然「一様等方」ではないので、「厳密には宇宙原理は不成立」でしょう。この意味は「宇宙原理は不成立」でも、フリードマンの膨張宇宙と定性的に同等なものは導けるであろう、です。ハップルの観測が、その有力な証拠と考えられるからです。  全然「一様等方」ではない事がはっきりした現在では、「宇宙原理」を「原理」とする人たちは少数となり、それは「一様等方性」の仮定に過ぎなかったと、大概の人たちは認めていると思います。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

>全然「一様等方」ではない事がはっきりした現在では、「宇宙原理」を「原理」とする人たちは少数となり、それは「一様等方性」の仮定に過ぎなかったと、大概の人たちは認めていると思います。 なるほど。 大変勉強になりました。 どうもありがとうございました。

その他の回答 (2)

回答No.2

宇宙原理は、科学的な「原理」ではなく、「大局的には 均質であろう」という人間的な心情に基づく。 そもそも、「長さ100億光年の大局構造」といっても、 それは100億光年かなたに観測されており、100億 年前には、宇宙の半径は38億光年しかないわけで、時空 の歪みによって見た目が引き伸ばされているだけに過ぎない。 そもそもこれに限らず大局構造は、発見された当初から、 「相互作用は光速を超えないから、こうした構造ができる には超光速の作用が必要だ」などと騒がれたが、その根底 には、ビッグバン当初は均質で、素粒子~物質化してから 重力によって天体の分布は偏るという常識が支配している。 当初のエネルギーの塊に何らかの揺らぎがあれば、大局 構造は何の問題もない。(宇宙原理は意味をなさない) 天文学者が、自分の発見を大手柄にするために騒いでいる に過ぎない。

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

ありがとうございます。 宇宙原理ってのは願望に過ぎないのかもしれませんね。 我々が生きている世界は、もっと複雑で、決して一様等方ではないということを受け入れないといけないかも。

  • IDii24
  • ベストアンサー率24% (1597/6506)
回答No.1

まあ学者ではないので素人考えですけど、一様等方ってのは仮説もいいところで、ビックバンによる爆発だから均等見たいな考えだと思うんですよね。あまり根拠はないのでは?そもそもビックバン自体がいかがわしい。 量子力学の観点からみると重力のカーテンが時空を作っていてオーロラのように垂れ下がって、そのオーロラの揺らぎが互いにぶつかることで宇宙は作られるという説の方が強いですよね。ぶつかりってのはビックバンなのだけど、これは無数に起こっていて、決して一つではないという原理からすればカーテンとカーテンの間の宇宙は平べったく、そのなかで交わる場合もあるってことから考えれば、均一にはならないのではと思います。 グレートウォールってのもカーテンに沿って隙間に広がっただけの超銀河団なのでは?

Mokuzo100nenn
質問者

お礼

宇宙原理の「一様等方」という仮説は否定されたというご意見でしょうか。 素人のご意見といえども参考になりました。 どうもありがとうございました。

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