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レプトン数に関する質問です。
理数が苦手な無知な主婦です。 素粒子に興味があります。 簡単な素粒子の雑学本などを読んで楽しんでいます。 図解雑学の本に、レプトン数の簡単な説明がありました。 他の本では、弱い力が働いての中性子の崩壊時に放出される 電子(レプトン数+1)と反電子ニュートリノ(レプトン数-1)のレプトン数は0になり、 レプトン数が保存されると書かれていました。 確か・・・うろ覚えなのですが、レプトン数は保存されているように見えるが 保存されなくてもいいようなこともどこかに書かれていた記憶があります。 (間違いでしたらすみません) 最近読んだ本の中に、ニュートリノのマヨラナ粒子の可能性に言及していたのですが、 もしマヨラナ粒子だとすると、ニュートリノのレプトン数はどうなるのですか? レプトン数は保存されないのでしょうか? レプトン数は保存されなくてもいいものなのですか? 理数に無知な状態で、難しいことを質問しているので、 可能な限り初心者でも分かるようにご説明いただけると幸いです。 参考までに・・・理解のレベルですが、多分小中学生レベルかと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。
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- kagakusuki
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ニュートリノがマヨラナ粒子であるかどうかはまだ明らかとなっておりません。 ニュートリノがマヨラナ粒子であった場合にはレプトン数は必ずしも保存されるとは限らず、レプトン数が保存されない現象が存在し得るという事になります。 その様な現象の1つとして注目されているのが「ニュートリノを放出しない二重ベータ崩壊」です。 「二重ベータ崩壊」とは、1つの原子核の中に存在している複数の中性子の内の2個が、それぞれ1個ずつの電子と反ニュートリノを放出して陽子に変わる現象の事です。 1個の中性子が崩壊する際に1個の反ニュートリノを放出するのですから、2個の中性子が崩壊する「二重ベータ崩壊」の場合は2個の反ニュートリノが放出される事になりますが、もしニュートリノがマヨラナ粒子であった場合には、放出された反ニュートリノは互いに同じ粒子であるとともに、互いに反粒子でもあるという事になりますから、(互いに反粒子であるのなら)放出された直後に対消滅を起こして消えてしまい、外部にニュートリノが放出されない「二重ベータ崩壊」が稀に起きる事になります。 その様な現象が実際に起きるのかどうかを確認するための実験が現在行われております。 同様の実験は他でも行われている様で、それらの実験によってニュートリノがマヨラナ粒子である事がもし確認された場合には、レプトン数は必ずしも保存される訳ではないという事になりますし、ニュートリノがマヨラナ粒子である事がもし確認されなかった場合には、ニュートリノはマヨラナ粒子ではないという可能性や、レプトン数は必ず保存されるものであるという可能性が残される事になります。 【参考URL】 岸本研究室 研究紹介 非加速器グループ CANDLES実験 http://wwwkm.phys.sci.osaka-u.ac.jp/research/r01.html
- bran111
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ニュートリノの話ですか。 標準模型において、ニュートリノに質量がないなら、レプトンファミリー数は保存しうる。実際のニュートリノは微小な質量を持っているので、その結果、ニュートリノ振動が観測されている。それゆえ、レプトンファミリー数保存則はただの近似であり、実際には保存則は破れている。しかし、ニュートリノの質量は小さいので、レプトンファミリー保存則は依然として荷電レプトンを含む相互作用においてかなりの程度で保たれている。各レプトンファミリー数が破れていても、レプトン数保存則は標準模型では保持されているべきである。レプトンファミリー数保存則が破れる例として、稀に起きるミュー粒子崩壊がある。 カイラルアノマリーによってレプトン数保存則は事実上破れているので、この対称性をすべてのエネルギースケールに渡って普遍的に適用するには問題がある。しかしながら、量子数B-Lは機能することが多く、Pati-Salamモデルなどさまざまなモデルで保存している。