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距離不足のマラソン大会、参加費返還するべきか
規定距離に足りず日本陸上競技連盟の公認コースとならなかったことで、横浜マラソンが話題になっていますね。 ふと疑問に思ったのですが、参加費は陸連での公認も含めての価格なのではないでしょうか? 確か陸連に公認されるためには公認料を30万円前後支払っていたと思います。 2万人以上が参加する大会なので公認料なんて雀の涙程度なのでしょうが、『公認されたコースを走って記録を残す』ところまでが参加者が支払った参加料への対価なのではないかと思います。 この場合、大会は終了しイベントとしては成立したかもしれないけれど、対価としては成立していないような。 せめて一部返金という対処が正しいのではと思うのですが、みなさんのご意見はいかがですか? また法律をもとに戦った場合、返金は認められるのですか?
専門家の回答 ( 1 )
- 専門家川原 俊明(@oklawyer0014) 弁護士
横浜マラソン2015において、計測の誤りが判明し、日本陸連からの「公認」コースとならなかったことが判明しました。 主催者側は、誤った手段での計測ながら、近代マラソン距離の42.195kmを意識して実施し、事前に、ネット広報で明確にコースと距離を明示して参加を募りました。 参加者も、同距離の「フルマラソン」を前提に参加しました。 いわば、「マラソン競技実施契約」において、競技者の申し込みに参加者が応募したことで契約が成立したことになります。 ところが、距離の不足で、本来の契約どおりの「マラソン」を実施したことにはなりません。最初から距離不足であれば、参加しなかったかも知れません。その意味では、不完全履行として契約違反であることに間違いありません。 しかし、参加者は、支払った15,000円の参加費を返せ、と言えるのか。 契約違反に基づく参加費返還の損害賠償請求を求めるには「財産的な損害」が必要です。 そこは市民マラソンです。一般市民からすれば、「参加に意義あり」が圧倒的目的で「世界記録」を目的とする参加はまず皆無でしょう。 そうすると「契約違反」だけれど参加者の「損害」立証が困難ということで、返還請求は無理、といわざるを得ません。
川原 俊明(@oklawyer0014) プロフィール
弁護士法人 川原総合法律事務所 川原 俊明(カワハラ トシアキ) 大阪弁護士会 【対応エリア】大阪府を中心に隣接県まで対応 【営業日】9:00~19:00(時間外希望の方は事前にご予約お願...
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お礼
ご回答有難うございました。大変参考になりました。 契約不履行だということがわかり、スッキリしました。参加された方も、運営側に落ち度があったということがはっきりしたので少しは気が晴れるのではと思います。 返金について、仰るとおり「参加に意義」なのだと思います。 しかし、レースによっては「他のレースでの公認タイムがあることが参加条件」と謳っているところもあり、その次のレースのために用具購入や、体のメンテナンスといったところにたくさんの投資をされた方からしたら、「財産的な損害」に当たるのではと思いました。 といっても裁判などで争うよりも泣き寝入りしたほうが心情的にもお財布的にも利口そうですね。