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垂直抗力の仕事
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作用と反作用のする仕事は一致しません。 例えば、重力による落下を考えましょう。 物体に働く重力の反作用は物体が地球に及ぼす万有引力です。 この二つの力の大きさは等しく、向きは逆です。 ではそれぞれの動きはどうでしょうか。 物体が1m落下する際、地球はほとんど動きません。(自転・公転は無視する) 実際には物体に近づくように動いているのですが、その移動量はとてつもなく小さく(原子1個分も動きません)測定自体不可能です。 それぞれの力のする仕事の大きさは、力の大きさ×移動距離、であらわされますが、同じ力の大きさであるが移動距離がぜんぜん違うため仕事の大きさもまったく異なります。 とあるちからのしている仕事の大きさは観測している系に依存します。 例えば次のような状態を考えましょう。 机の上に物体がおいてあり、その物体を1Nの力で横に引張ります。ただ、摩擦力が働きこの物体は動きません。 ではこの摩擦力が1秒間にしている仕事の大きさはいくらでしょうか。 この問題に対してこれだけで正解を出すことは実はできません。 なぜなら、観察者がどのような系にいるかまったくいっていないからです。 机に対して静止している系の人から見れば摩擦はまったく仕事をしていません。 ですが、例えば横に引張っている力と同じ向きに等速度で動いている人から見ると動でしょうか。1m/sで動いている人から見て、1秒間に物体は1m、摩擦と同じ向きに動いています。 ですので摩擦は 1N×1m=1J だけ1秒間に仕事をしているのです!! 物体の速度が変化していないのだから仕事は"0"ではないか、と思うかもしれません。 これは、物体を引張っている力の仕事が-1Jであり打ち消しあっているため物体のエネルギーが変化しないのです。 では上記のことをもとに質問にお答えします。 >垂直抗力は仕事しない(N・dx=0、N,xはベクトル)とありました。 球体が受ける垂直抗力は、作用反作用の関係で、台にも働きます。 その垂直抗力の仕事を考えると、球体の方は0になります。 しかし、Nと台の移動dXは直角でないため、台の方は0になりません。 別に台に働く力の仕事が"0"にならなくても問題ありません。 球体になされる仕事が"0"であっても問題ないのです。 あと、垂直抗力の仕事が"0"というのも問題です。垂直抗力のする仕事が0になるのは動く向きと力の向きが常に垂直な場合に限られます。 台が動くような場合、垂直抗力が仕事をすることがあります。もちろん、台が静止している系から見ると常に垂直抗力のする仕事は"0"です。 あと、 >しかし、Nと台の移動dXは直角でないため、台の方は0になりません。 といっていますが、これは注意が必要です。 保存、などのことを考える場合、常に観測する系は固定していなくてはなりません。 物体を考える場合は台を固定し、台を考える場合は物体を固定する、ということはしてはいけません。 一方で台を固定するなら、もう一方を考える場合でも台を固定して考えないといけないのです。相対運動で考えてはいけないのです。
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- foomufoomu
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これも直観的回答ですが 球について言えば、垂直抗力(移動のない方向)は仕事をしないけれど、その直角方向成分は仕事をする。 台について言えば、移動方向の力による仕事を受け取り、床面との摩擦でその仕事を失う。 球がする仕事と、台が受け取る仕事は、等しくなるはず。
お礼
仕事の計算に問題があったようです。 回答ありがとうございました。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
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うーん、直感的な説明で申し訳ないですが、 接触面に対して力が垂直でも、 接触面自体が面に垂直な方向成分を持って運動したら エネルギーのやり取りが発生してしまいますよね。 なので >その垂直抗力の仕事を考えると、球体の方は0になります。 は成り立たないと思います。
お礼
確かに、観測者がバラバラで、仕事の計算に問題がありました。 回答ありがとうございました。
- rabbit_cat
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問題設定がよくわかりませんが、つまり、ボールがのってる滑り台が机の上に固定せずに置いてあって、ボールが転がるにしたがって台が右に動く(机の上を滑る)ということですか? そうだとして。 質問者の言うとおり、ボールにかかる垂直抗力の反力と、台の移動方向は垂直ではないので、反力(ボールが台にたいしてかける力)は台にたいして仕事をしています。 その結果、ボールは、台にたいしてした仕事の分だけ力学的エネルギーを失います。したがって、ボールが落ちる速度は、台が固定されている場合よりも遅くなります。(それこそ力学的エネルギーは保存されるので) 垂直抗力は、その定義より絶対に仕事はしませんが、垂直抗力の反力が仕事をすることは普通にあります。
お礼
球体を台に初速v_0で投射し、球体の最高地点とその時の速度を求める、という問題です。 この質問の問題点は、観測者がバラバラであり、観測者を統一したところ、問題は解決しました。 >垂直抗力の反力が仕事をすることは普通にあります。 参考になりました。 回答ありがとうございました。
お礼
回答有難うございます。 回答を読んでいくうちに、等速で運動している観測者から立てた力学的エネルギー保存則について、参考書に載っていたのを思い出し、復習しました。 ※よくわかる初等力学 演習問題10-1 ご指摘の通り、垂直抗力の仕事を、正確に計算していませんでした。