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真空空間における電磁波の減衰
純粋な電磁場としての完全真空空間が存在するとして、この空間内において電磁波は減衰しますか。 よく言われるように電磁波は距離の2乗に反比例して減衰するのですか。 電磁波が距離の2乗に反比例して減衰するのであれば、土星近く(地球からの距離約 1,3000,000,000 km)を周回する電波出力100wの人工衛星が発信する電波が地球に届くころには何Wになるのか計算式とともに示してください。
- sugaku2012
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1. 減衰するかしないか 真空空間では電磁波は減衰しません。ただし減衰ではなく、単位面積に届く電波の強度は減少します。 たとえば、照明などの明かりが同じなので、その事例で考えてください。電灯に近くは明るく照らされ、電灯から距離が遠いと、比較して暗くなります。 電波に起きることは照明の明かりに起きるのと同じことです。 なぜなら光子はガンマ線という電磁波の仲間だからです。ただしサーチライトで光のビームを作るときのように電波のビームを特定方向に向けることで、電波の単位面積に届く強度を減少させないように、アンテナを応用することが可能です。 補足 純粋に、電磁波の減衰は誘電体という物体内の伝搬では起きることがあります。誘電体の誘電率が複素数で示されるか、虚数分に同じことですが、誘電率に損失項のある場合に限り、電磁波は減衰します。 減衰しないのですが、距離による電磁波の減少のイメージモデルがもし必要なら、似た(アナロジーのある)現象が紹介できます。 (発信源が全方位等指向性で全方向球面に偏差なく電波を送るときは)ゴム風船のゴム膜の厚みに電波のエネルギー強度が比例していると考えてよいでしょう。ゴム風船を膨らませてゆくとき、小さいときはゴム膜が厚く、大きく膨らんだときはゴム膜が薄いじゃないですか。はち切れるときはゴム膜が透けて見えるほど薄くなってしまいます。この姿は電波の薄まる減少に似ています。 2.人工衛星が発信する電波が地球に届くころには何Wになるのか Yワットと一概に計算できません。実測もできません。アンテナには指向性という特性がありますが、宇宙空間のアンテナ性能の実測は地面の上ではできません。 どうしても数値が欲しいというなら球の表面積で径の距離もとに基準とした方法で概算したらよいかもしれません。たとえば30メートル離れた対アンテナ間のdBμVまたはdBmW単位の測定値Xを基準として、半径30メートルの球面積a=4π(30)^2に対して人工衛星までの距離を半径とした球面積bを計算し、球面の面積間から c=log(b/a) [dB] を算出し基準Xより減じるとよいでしょう。 Y=X-10c [dBmW] Y=X-20c [dBμV] となりそうです。このように測りとった基準Xにはすでにアンテナビームの指向性とアンテナ利得が織り込まれています。 実測や計算が難しいなら、ざっと 100・a/b=100・(30/1.3e12)^2≒5.3e-20 [W] と答えても何倍かの誤差(数百パーセント)を含みますが、どうせ小さいのですから差し支えないでしょう。電波のエネルギーはごく小さいのです。 一概に計算できないわけは、なぜなら、アンテナには指向性という性質があり、電波を送受する方向によって利得に偏差があり、望まなくともビームが生じているせいです。実際に人工衛星のアンテナがビームをまっすぐ受信基地まで向けてくれているとは限らないのです。
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- foomufoomu
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指向性アンテナをつかって、一方向に電波を出したとしても、距離の2乗に反比例して電波は弱くなります。 電波の出方が、球形でなく、円錐形になるだけで、先端の面積はやはり距離の2乗に比例だからです。 ただし、最初に電波を放出する時点で、ぐるり360度出した場合より、ずっと強く出ます。 あとは、恐ろしく弱くなった電波を、あの手この手で捕えているのは、No.5さんが書いている通りです。
- oze4hN6x
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おそらく、「減衰」が起きる理由について混乱があるのかもしれませんね。 大気中で電磁波(光)が弱くなる理由は主として2つあります。1つは距離が大きくなるにつれて電磁波が拡がるため、もう1つは気体分子や塵などによる散乱や吸収です。しかし、(思考実験としての)真空中では後者の機構は存在せず、前者のみを考えればよいことになります。 拡がると弱くなるというのは、放出されたエネルギー(電磁波)が拡がった結果、単位面積のエネルギーは小さくなる、ということです。全方位に等しく放射された場合には球の表面積を考えればいいので、距離の2乗に反比例することになります。ある特定の方向に放射された場合には考えるべきは球ではない(具体的には詳細条件によります)ので、距離の2乗に反比例するわけではなくなるわけです。No. 3の方が答えられている通りですね。
- 中村 拓男(@tknakamuri)
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答えではありませんが、この辺の計算を全て示してくれる人がいるとは到底思えないので・・・ アンテナの形状とかがないと計算できないし、容易な計算ではないと思いますよ。 また地上での電力は電力密度だから、アンテナが大きければ受け取れる電力も 大きくなります。放射する総量はあまり減少しないでしょう。 個人の設備でも月との通信は容易ではありませんが可能です。 その3千倍の距離だと、巨大なパラボラと優秀なRF アンプ と 優れた変調方式と信号処理技術が必要な気がします。 ちなみに、1,3000,000,000 km は 130億キロメートルですが、 土星までは 15億キロメートルくらいで(位置によりますが) 一桁違ってます。
- nekonynan
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一番下にある直径64mのパラボラアンテナがイトカワとか通信したアンテナ http://naritama.org/report/jaxa_udsc.html 利得が60dB程ある 電波を1000000倍増やせる 衛星の送信するアンテナが1mもない程度70cm程度だから利得が30dB程度程 送信する電力を地球方向だけに出す 100Wで20dBならば実行出力は、10000Wとなる 合計で90dB程改善する 1000000000倍に電波が増えると思えは良いです。 これでは、まだ受信が出来ないので、電波を受信する受信機はマイナス270度という極低温に冷やされ、ノイズを極力出さないような設計になっています。 これだけやって初めて受信が出来るのです。
- ORUKA1951
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No.2です。 聞かれている条件がコロコロ変わる。 >では何故土星から送られたボイジャーの電波は地球に届き、受信できたのでしょうか。 効率の良い極めて高い指向性を持ったパラボラアンテナを使用する場合とは話が違う。電波が円錐形に志向性の高いものでしたら、距離の二乗に反比例する事は変わりませんが、密度が最初から違う。
- Hayashi_Trek
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距離の二乗に反比例するのは、全方向360度に指向性なく放射した場合です。 空間自体による減衰は無いと考えられます。 探査機の通信はパラボラアンテナで強い指向性(ビーム)を持たせて発信します。 ただし、波の性質としてだんだんビームが広がってしまうので、距離が遠くなると受信できる信号は弱くなります。 それは受信側のアンテナは大きさが固定なので、発信されたビームの一部しか受信できないためです。 もし、直径100kmとか10000kmのアンテナを用意できれば、発信されたビームをもれなく受信することができます。 ビームの減衰が距離の二乗に反比例しない例としては 例えば、10m届くレーザーポインタを1cmで照射しても、強さが100万倍にはなりません。
お礼
>空間自体による減衰は無いと考えられます。 つまり電磁場は電磁波を減衰させることはないのですよね。 真空中では減衰がなく、大気中で減衰が起こるのでしょうか。 すると減衰は大気中の何よって引き起こされるのでしょうか。
- ORUKA1951
- ベストアンサー率45% (5062/11036)
波長13cm(0.13m = 13×10⁻²m)の電磁波を長さ13cmのアンテナから出力したとして、13×10¹²mの距離だと、距離は、13×10¹²/13×10⁻² = 10¹⁴倍、電磁波波面の面積は10²⁸倍になり、減衰がないとすると、エネルギー密度は、10²⁴分の一、10⁻²⁴になる。 1yotta分の一 W (ヨタ分の一W) 1/1,000,000,000,000,000,000,000,000 W)
お礼
> 1yotta分の一 W (ヨタ分の一W) 1/1,000,000,000,000,000,000,000,000 W) では何故土星から送られたボイジャーの電波は地球に届き、受信できたのでしょうか。 1/1,000,000,000,000,000,000,000,000 Wの電波は受信できるのですか。
- nekonynan
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計算式は下記通り 送信出力ー同軸ロスーその他送信機ロスなど+空中線利得ー電波伝播空間ロス+空中線利得ー同軸ロスーその他機械損など=到着電力
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