ゼネコン構造設計部の者です。
教訓は十分生かされて設計されています。
阪神大震災では、主に鉄骨造建物に被害が集中いたしました。
これをうけて、鉄骨造関連の構造規定が変わっています。(詳細な検討が必要になった)
例をあげると、
(1)角型鋼管を使う場合、安全率を大きめにとるようになった。
いままでSTKRと呼ばれる鋼種が使われていたが、溶接性のよいBCR,BCPを使うほうが有利な設計となるようになっている。
(2)柱脚部の剛性を適正に評価するようになった。
いままで、設計者が「この柱脚はピン接合だ」と言えばどんなディテール(何本ものボルトで基礎に固定されていても)でもピン接合(曲げモーメントが発生しない)で認められていましたが、改正後はピン接合は基本的になくなりました。
鉄筋コンクリート造では、
(1)非耐力壁の剛性を適正に評価する。
(2)柱梁接合部の検討の義務付け。
などがあげられます。
そのほかにも
限界耐力設計法とよばれる新しい設計法による設計が可能になっています。地震力の評価をより正確にするため、建物の振動性状を考慮しながら設計するというものです。
また、阪神大震災では、建物が壊れても責任をとる人が誰もいないことが問題となりました。
そこで責任の所在を明確にする「性能設計」とよばれる設計法(耐震性能目標は、設計者と施主が自由にきめる。万が一の場合、設計者が責任をとる)が議論されていたことがありましたが、まだ実現はされていません。
不明な点は補足してください。
お礼
ご回答ありがとうございました。 参考になりました。