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アリストテレスの「不動の動者」
- アリストテレスの「不動の動者」とは目的論的自然観の頂点に位置する純粋形相、完全な現実態のことです。
- 八木雄二『神を哲学した中世』によれば、アリストテレスの形相質料論が新プラトン主義と結びついて、「不動の動者」という考え方が生まれたとされています。
- しかし、『形而上学』において「不動の動者」や「上位の形相と下位の質料」という考え方が示されており、これはアリストテレス自身の思想であり、後世に加筆されたものではないと考えられます。
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☆> そもそも、アリストテレスと新プラトン主義では、時代が合いませんし。。。 アリストテレスが新プラトン主義と結びついたものがアラビアに伝えられ、イブン・ルシュド(アヴェロエス)の注釈を経て、13世紀にヨーロッパに逆輸入された、と八木雄二の本に書いてありました。 ◇よく、ご存知で。 イスラム哲学では、アリストテレスの哲学が新プラトン主義的に理解されました。アヴェロエスによって、アリストテレスの哲学と新プラトン主義的なそれとを分離しようという試みが行われたけれど、アヴェロエスはギリシア語が読めなかった。アラビア語の翻訳に頼らざるをえなかった。自ずとそこには限界があった。 このアヴェロエスの過ちを指摘し、ただしたとされるのが、有名なトマス・アクィナス。 しかし、Wikipediaのトマス・アクィナスの説明などを読むと、十分すぎるほど新プラトン主義的な考え方が混入しているようですが・・・ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%82%B9 ☆上位の形相や不動の動者という考えになったと述べている ◇これが新プラトン主義の《流出論》的な解釈なわけですよね。 こうした《不動の動者》や《純粋形相》のとらえ方は、アリストテレスのオリジナルではない、と言っているわけでしょう。 八木氏は、《不動の動者》や《純粋形相》といった概念がアリストテレスのものではない、と言っているわけではないと思います。 そうでないとすれば、八木氏が誤解なさっているのではないでしょうか。
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- NemurinekoNya
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ここを読んでください。 http://philos.fc2web.com/aristote/metaphys.html こういうと少し御幣があるのでしょうが、 アリストテレスのいう《〔純粋〕形相》とは、プラトンのいう《イデア》に近いものでしょう。 で、 ───────── ところが、八木雄二『神を哲学した中世』という本を読むと、 「アリストテレスの形相質料論が新プラトン主義と結びついて、純粋な形相や、上位の形相と下位の質料という考え方が生まれた」 と書かれています。 つまり、「不動の動者」という考え方は新プラトン主義の産物とのことです。 ───────── と書いてあるのは、 スコラ哲学では、 アリストテレスの「不動の動者」という概念が、新プラトン主義の流出説と結びつき、そのように解釈された、という意味なのではないでしょうか。あるいは、新プラトン主義な解釈が行われた。 たぶん、このようなことをいっているのだと思います。 そもそも、アリストテレスと新プラトン主義では、時代が合いませんし。。。
お礼
回答ありがとうございます。 もしかすると私の書き方に語弊があったかもしれませんが、「アリストテレスと新プラトン主義が結びついた」というのは、アリストテレスが新プラトン主義に影響を受けた、という意味ではありません。 新プラトン主義はアリストテレスよりもはるか後世ですから、それは当然のことです。 > アリストテレスの「不動の動者」という概念が、新プラトン主義の流出説と結びつき、そのように解釈された、という意味なのではないでしょうか。あるいは、新プラトン主義な解釈が行われた。 しかし、矢木雄二のこの文章を読むと、 「それは新プラトン主義とは関係がないのではないか?」 「単にアリストテレス自身の思想ではないか?」 としか思えないんですよね。 八木雄二は、アリストテレスの質料・形相・可能態・現実態の思想が新プラトン主義と結びついて、上位の形相や不動の動者という考えになったと述べているので、「不動の動者や純粋形相という考えはアリストテレスにはなく、新プラトン主義の解釈から生まれたものだ」と述べているわけです。 しかし、アリストテレスの著作を見ても、不動の動者や純粋形相という考えは出てきますから、これは八木雄二の勘違いではないか? と思ったのです。 > そもそも、アリストテレスと新プラトン主義では、時代が合いませんし。。。 アリストテレスが新プラトン主義と結びついたものがアラビアに伝えられ、イブン・ルシュド(アヴェロエス)の注釈を経て、13世紀にヨーロッパに逆輸入された、と八木雄二の本に書いてありました。