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熱光起電力発電とエントロピーの関係について

熱光起電力(TPV)発電は高温物体からの輻射光を電気に変換するそうですが、もし、外部との熱の交換がないなかで、電熱線などにより高温気体を作り出し、その中に熱光起電力発電機を入れて発電したとしたら、最初エントロピーが増大したのにもかかわらず、前の状態に近づいたということなので、エントロピーは減少したように思えますが、そうではないのでしょうか。変な質問だったらすみませんが、ご教授ください。

みんなの回答

  • veryyoung
  • ベストアンサー率75% (65/86)
回答No.3

熱光起電力発電機側からも熱輻射がある事を考慮すれば、パラドクスは解決するでしょう。熱輻射でエネルギが移行するためには温度差がなければなりません。輻射光も熱エネルギであることに変わりなく、通常の熱機関同様に、それを全て電気エネルギに変換する事はできないでしょう。当該高温ガスの輻射を受け入れ続ける為には低温源に排熱しなければなりません。つまりカルノーサイクル(可逆サイクル)の理論効率を超える事はできません。高温源温度 T1、供給熱量 Q1、低温源温度 T2、排出熱量 Q2 とするなら、Q1 / T1 < Q2 / T2 で系全体のエントロピーは増大する事になります。 結論に影響ないのですが、黒体輻射でのエントロピーは (4/3) Q/T のようで、結果、理論最大効率は 1 - T2 / T1 よりやや劣るらしいのです。輻射圧(光圧)でピストンを動かす手法または熱雑音の授受を考える手法で、前記定数 4/3 を求めてからと、投稿を見合わせておりましたが不慣れで、なかなか・・・。中途半端ですが参考まで。

  • semikuma
  • ベストアンサー率62% (156/251)
回答No.2

どうやら私は、質問の意図を読み違えていたようです。 本当の意図は、「高温気体中にTPV発電機を入れると、気体のエントロピーは低下するか」という単純なものですか? それなら答えはyesです。 前にもちらっと説明したように、TPV発電機では熱エネルギー(つまりエントロピー)を光エネルギーに換え、その光エネルギーを電気エネルギーに変換します。 気体だけを見れば、熱エネルギーが奪われる(平たく言えば、冷やされる)ので、気体のエントロピーは減少します。 熱というエントロピーの高い(品質の低い)エネルギーから、光や電気というエントロピーの低い(品質の高い)エネルギーが取り出されるのを不思議に思うかもしれませんが、考えてみれば、高温の物質から赤外線が放出されるのは赤外線ヒーターなどで経験しています。 また光を電気に換える太陽電池は身の回りにあふれています。 しかし高温物質から放出される赤外線のスペクトルは広く、太陽電池(PVセル)の感度は光の波長に依存するので、PVセルの最も効率のよい波長を放出するよう、エミッタの材料や構造、添加する不純物などを選択するのがキモのようです。

  • semikuma
  • ベストアンサー率62% (156/251)
回答No.1

ご質問は、「自然現象は熱力学の第二法則に従ってエントロピーが増大する方向に向かうはずなのに、TPV発電を使うとエントロピーは減少するのではないか」ということですね。 私は熱力学は得意ではないので、簡単に説明します。 熱力学の第二法則は、閉じた系、つまり外部との熱(エネルギー)のやり取りが無い状態で成り立つものです。 あなたの部屋は、放っておくと本やら服やらゴミやらが散らかって、次第にエントロピーが増大していきますよね。 見かねた母親が、片付けたとします。 部屋の中だけ見れば、一見エントロピーが減少したように見えますが、実は「母親」というエネルギーが介在しています。 母親は体温を発散しているし、呼吸もしていれば汗もかきます。 これらすべてを含めれば、片付け前よりも後の方が、エントロピーは増大しています。 さて、熱光起電力発電は私も初めて知りましたが、熱エネルギーを光に換えるエミッタセルと、光を電気に換えるPVセル(太陽電池のようなもの)とを組み合わせたものですね。 熱→光変換部分だけを見れば確かにエントロピーは減少していますが、光エネルギーは電気エネルギーに変換されて外部に持ち去られ、配線や負荷で消費されて最後には熱に変わります。 即ち、負荷まで含めた系全体ではエントロピーは増大しています。

anpurio
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 補足を付けさせていただきました。

anpurio
質問者

補足

ご回答ありがとうございます。 確かに配線や負荷で消費されるなら最後には熱に変わり、エントロピーは増大することは理解できましたが、屁理屈のようなことではありますが、もし、熱光起電力発電で発電された電気をコンデンサーか何かで溜め(自然放電などは無視します)、そのまま永遠に放電させなかったら、配線による消費は免れないにしても、少なくともすべてが熱に変わることは永遠にないといことなので、エントロピーは減少したままということにはならないのでしょうか。

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