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フリーデルクラフツ反応
chemcatの回答
有機化学専攻の大学院生です。 質問者様ご指摘の通り、まず塩化アルキルの塩素が脱離し、三級カルボカチオンを形成します。続いてフェノールの求核攻撃が起こり、フェノールのパラ位にアルキル鎖が導入されます。(ここまでは普通のフリーデルクラフツアルキル化です)。ここで、アルキル鎖は電子供与性をもつため、芳香環の求核性は反応前に比べて増加しています。そのため、導入されたアルキル鎖の未反応の塩素が脱離し、再び分子内で求電子置換反応が起こることで、環化した生成物が得られます(芳香環の隣に六員環が形成される)。これは分子間反応よりも分子内反応の方が反応速度が大きいという速度論的根拠に基づいています。そうでなければ複数のアルキル鎖が導入された生成物がメインプロダクトになってしまいます。ちなみに触媒の塩化アルミニウムは塩素に配位することで三級カルボカチオンの形成を促進しています。
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