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私道の通行地役権と近隣住民の賠償責任について

 サ高住の新築工事について、施主・工事会社は近隣住民の要望を無視し、顧問弁護士からの書留内容証明郵便による恫喝で解決しようとしているので、ご回答をよろしくお願いします。  2階建てのサ高住(つなぐ○○○)の新築工事が進んでおり、車での玄関は、南側の幅員が4mの私道で、車の離合もできない袋路に作ろうとしていることが判明した。(工事会社は、2階建てなので説明の義務はないと説明を拒否、許可証も見えない場所に設置)  サ高住の北側の道路はバスも通行できる県道で、建築確認許可も県道側で申請していたため、近隣住民は車での玄関は、県道側に変更するよう要望書を提出したが、施主・工事会社とも、「自分の土地だから何を建ててもいい」という態度で、近隣住民の要望を完全に無視してきた。  特に、玄関前の道路は、幅員の半分(A私道)は施主・近隣住民の共有の私道、中央に里道が0.8m、同半分(B私道)は近隣住民3軒の共有地であり、工事車両の通行を禁止するよう申し入れをした。 ところが、施主は、奥に自己所有のアパートが古くからあったことを理由に、B私道に通行地役権を主張し、住民が物を置くなりして、工事の妨害をしたら損害賠償を請求する等の内容で、弁護士から近隣住民6軒に書留内容証明郵便が送付されてきた。 ●弁護士も雇えない近隣住民は泣き寝入りしかないのでしょうか? ●B私道に施主の通行地役権は本当にあるのでしょうか? ●工事妨害に対する損害賠償請求は、できるのでしょうか?  <その他の条件> (1)袋地は、建築基準法第43条 ただし書き道路 (2)歩行者は通り抜けできるが、車は行きどまり (3)B 私道は、住宅会社が建築基準法第43条にのっとり、セットバックした分譲住宅を、住民が購入したものである。 (4)昨年まで、B私道は未舗装の広場として使用しており、水溜りがひどいので、舗装した。費用については、A私道は施主、B私道は近隣住民が負担した。 (5)A私道は、施主が50%以上を保有しているので、通行は許可した。 よろしくお願いします。

みんなの回答

回答No.4

実際に道路を封鎖するなどの妨害行為はしておらず、ただ「通行禁止」と文書で申し入れただけということであれば、それはB私道の所有者として権利を主張したに過ぎませんから、少なくとも不法行為による損害賠償(民法709条)は成立しないと考えます。 問題は、債務不履行による損害賠償(民法415条)です。 工事が行われている土地につきB私道に通行地役権が成立しているのであれば、B私道所有者は通行させる債務を負っており、それを「通行禁止」と申し入れたのであれば、債務不履行が成立し、損害賠償責任を負う可能性があります。 一方、通行地役権は成立していないということであれば、B私道所有者は何ら債務を負っておらず、通行禁止の申し入れは正当な権利の主張ということになり、債務不履行は成立しません。 したがって、その場合は損害賠償責任はありません。 結局のところ、損害賠償責任の成否は、工事が行われている土地につきB私道に通行地役権が成立しているのかどうかに尽きるということになります。

suika35nichi
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 債務不履行のところで不安になりましたが、建設会社は、損害賠償の準備を進めていると言っているので、訴状がきたら、また投稿したいと思います。 何回もお付き合いありがとうございました。

回答No.3

民法は通行地役権の成立は原則的に契約によって成立することを予定していますので、いかなる要件を満たせば黙示の通行地役権が成立するかについては、判例がその手がかりになります。 以下に述べる東京高判昭和49年1月23日東高時報25巻1号7頁がそのリーディングケースとされています。 「黙示の契約を認めるためには前示のように通行の事実があり通行地の所有者がこれを黙認しているだけでは足りず、さらに、右所有者が通行地役権または通行権を設定し法律上の義務を負担することが客観的にみても合理性があると考えられるような特別な事情があることが必要であると解する(例えば、一筆の土地を分譲する際、通路を利用する譲受人に対しその通路敷所有権を分割帰属させるとか、通路敷所有権をもとの分譲者に留保した場合の如し)。けだし、他人が法律上の権限なく通路として土地を通行しているに拘らず土地所有者がこれに対し異議を述べないで黙認しているだけの場合は、単に好意的黙認にすぎないか、または、通行地役権時効取得の要件である事実状態の一つをみたすだけだと考えないと、これら二つの場合と通行権定の暗黙の合意とを区別できなくなるし、所有者が異議をいわないだけのことで通行権を設定するという不利益を負担させることは妥当でないからである。」 要約すると、以下の3点です。 ・現に通行している事実があること ・承継地所有者が通行の事実を黙認していること ・承役地所有者に対して通行地役権を設定・負担させるだけの客観的合理性のある特別な事情が存在すること

suika35nichi
質問者

お礼

的確な回答をありがとうございます。B土地には、3点とも該当しないので通行地役権がないと確認できました。

suika35nichi
質問者

補足

最後にお聞きしたいのが、賠償責任です。7月9日に工事業者から、次のような発言がありました。「近隣住民が車での玄関を変更しないなら、A私道もB土地も通行禁止(妨害行為はなし)と文書で通知してきたので、2カ月間も工事が遅延した。遅延し損害を被った分は、損害賠償訴訟を準備している。」 近隣住民は実力行使もしていないし、北側にスペースがあり工事ができる状態だったのに、工事業者は損害賠償訴訟ができるのでしょうか? 現在は、北側に大型クレーンを設置し、上棟作業が進行中です。A私道は駐車スペースまでの通路として通行しています。 また、住民が工事の音がうるさいので、注意する度に、工事の遅延行為との態度をし、金額カウントをしているようです。 よろしくお願いします。

回答No.2

補足の説明ありがとうございます。 質問内容と略図の概略がおおよそ理解できました。 まず、B私道につき施主所有のアパートのために通行地役権が成立するかについては、B土地所有者の認識や過去の分筆の経緯等、詳細がわからないため、ここでは判断のしようがありません。 しかし、仮に当該アパートのために通行地役権が成立していたとしても、それをもって建設中の建物のために使用できるということにはなりません。 以下、B私道につき当該アパートのために通行地役権が成立しているものとして述べます。 道路を必要とする土地(当該アパート)のことを要役地、道路として使用される土地(B土地)のことを承役地といいます。 通行地役権は要役地の便益のために設定されるものです(民法281条1項)。 つまり、地役権はあくまで「要役地のため」に設定されるものであって、決して「要役地の所有者のため」に設定されるものではありません。 したがって、たとえ所有者が同じであったとしても、要役地とは異なる他の土地のために、承役地を道路として使用することはできません(同2項)。 よって、施主はアパートのためならB私道を通行できますが、建築中の建物のためにはB私道を通行できないということになります。 以上のように解すれば、施主は建築中の建物のためにB私道を通行する正当な権利を有していないわけですから、たとえ建築を強行して建物が完成したとしても、B土地所有者はサ住高利用者の通行を拒否できることになります(他に出入りできる道路があるわけですから囲繞地通行権も認められません)。 B私道に物を置いて工事車両の通行を妨害したいお気持ちはわかりますが、上記のとおり工事を強行しても後々困るのは施主側だと思われます。 損害賠償を請求するなど言われるのも面倒ですし、お互い強行な手段に出るのではなく、きっちり話し合った上で解決されたほうが良いように思います。

suika35nichi
質問者

補足

ご回答有難うございました。 通行地役権について、もう少し伺いたいのですが、B私道については、3軒が分譲住宅を仲介により購入したものであり、重要事項での説明もなく、通路とするという認識はありませんでした。「囲繞地通行権」での主張であれば理解できるのですが、通行地役権を主張できる条件は一般的に何があるのでしょうか。 よろしくお願いします。

回答No.1

わかる範囲でお答えしたのですが、質問文と略図の関係で不確かなところがあるので、誤答を避けるためにも、まずは以下の点を確認させてください。 1. 建設中の建物は、略図中の「和楽」という場所ですか? 2. 「和楽」の右上に県道に通じる道路がありますが、ここから「和楽」に入ることは可能ですか? 3. 古くからある施主所有のアパートとは、略図中の「借家」のことですか? 4. 施主はB私道につき「通行地役権」を主張してきたとのことですが、「囲繞地通行権」(民法210条1項)ではなく、「通行地役権」(民法280条)で間違いありませんか? 通行地役権は本来、契約によって成立するものですので、契約もなく一方的に主張してきたとすれば、通行地役権の時効取得(民法283条)を主張しているということでしょうか?

suika35nichi
質問者

補足

 確認内容についてお答えします。 1.建築中の建物は「和楽」の場所です。 2.4.6mの幅員があり、十分可能です。また、建物の右上には、施主のマンションの駐車場もあり、大型クレーンを設置し工事をするなどのスペースもあるので、車の玄関を変更するよう要望しています。 3.古いアパートは建設中の建物の部分と、「借家」のことです。 4.「通行地役権」(民法280条)で間違いありません。   時効取得ではなく、B土地は施主の関係者が、古いアパート、「借家」の場所のため通路として計画していたものであり、B土地の所有者も通路のためであることを承知していた筈です。とか、昭和60年頃の分筆の経緯を細かく書いて、通行地役権の設定契約が明示的あるいは黙示的に締結されていたということができると考えます。という論理の組み立てです。    ※A私道と里道を含めると幅員2.2mで車の通行は可能です。  以上よろしくお願いします。,

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