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混合気体の圧力 温めているのに温まらないの?
問題 コックCによって連結された耐圧容器A,Bがある。A,Bは独立に温度を設定でき、A,Bの内容積はそれぞれ1.0L,2.0Lである。コックCが閉じた状態でAにエタン1.2g、Bに酸素8.0gが入っており、ともに27℃に保たれている。このときA内の圧力は1.0×10^5Paである。A,Bを27℃に保ったままコックCを開け、気体を混合した。やがてA,B内の混合気体は同一の組成となり、圧力も等しくなった。このときエタンの分圧は3.3×10^4Paである。また、Cを開け、Aを、27℃に保ったままの状態で、Bのみを227℃に上げた。充分時間が経過した後のB内の圧力を求めよ。気体定数を8.3×10^3とする。H=1.0、C=12.0、O=16.0 解答 BからAへの気体分子の移動が起こり、A内とB内との圧力は等しくなる。このときの圧力をPとし、A内とB内とに存在する混合気体の物質量をそれぞれa、bとすると、 P×1.0=a×R×(273+27)…(1) P×2.0=b×R×(273+227)…(2) a+b=1.2/30.0+8.0/32.0…(3) (1)(2)(3)より、P=3.3×10^5 尋ねたいこと コックCは開いているので、B内で温められた混合気体がAに移動し、そしてA内の冷たい混合気体はBに移動し、そこで温められて、その結果、A内の混合気体も227℃に、ならないのですか?ご教示ください。高校生向けの説明をお願いします。
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- htms42
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コックが開いていれば気体が移動できるのに、なぜ温度が等しくならないのかという疑問ですね。 >コックCによって連結された耐圧容器A,Bがある。A,Bは独立に温度を設定でき この引用文の後半にある「独立に温度を設定できる」というところがポイントです。 温度が設定できるというのは温度コントロール用の装置が付いているということです。 加熱用の熱源もその装置の一つですが温度上昇を抑えるための冷熱源もその装置の一つです。熱力学の本では熱浴という言葉で出てきます。 でもこれだけではまだ十分ではありません。 「コックによって連結された2つの容器」という文章が不正確です。「コックの付いた細いパイプで連結された2つの容器」でなければいけません。この「細いパイプ」という言葉が重要なのです。「コック」は開けたり、閉めたりすることのできる「栓」のことです。 別々の温度に設定するのですから2つの容器を切り離しておく必要があります。間をつなぐパイプが必要になってきます。コックが開いていて圧力差があると気体が移動します。パイプが細いと気体の移動はゆっくりと起こります。移動は一方通行で起こります。移動することによって圧力差が徐々にちいさくなって行くと移動の速度も小さくなります。圧力差がなくなると気体の流れはなくなります。気体の移動が起こらない状態での熱の移動はものすごく遅くなります。細いパイプで、ある程度の長さがあれば、温度勾配はこのパイプの内部だけで収まってしまっていて容器の方には影響してこないだろうと考えてもいいような状態になるのです。 こういう仮定で問題を考えて行きます。 そうであったとしてもやはり、200度の温度差は大きいですね。容器内の温度を均一に一定を保つのは近似的にしろ難しくなってくるでしょう。これらは全て数字の精度に影響してきます。温度の有効数字というのは温度計の示す目盛りだけのことではありません。 温度一定の条件を実現するというのは思っている以上に難しいことです。 容器の内部で場所による温度のばらつきがあってはいけないのですから単純にバーナーで加熱というわけにはいきません。 コックの付いたパイプは金属製であったり、ガラス製であったりします。金属もガラスも気体よりは格段に熱を伝える能力が高いです。コックの付いたパイプ自体がヒートパイプの役割を果たすようになると容器内での温度の均一性は実現できなくなります。 参考にして下さい。
- tt012
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こんにちわ。 >また、Cを開け、Aを、27℃に保ったままの状態で、Bのみを227℃に上げた。 問題に条件としてズバリ、"Aを27℃に保ったままの状態で、Bのみを227℃に上げた。"とあります。 すなわち質問者様の疑問である >コックCは開いているので、B内で温められた混合気体がAに移動し、そしてA内の冷たい混合気体はBに移動し、そこで温められて、その結果、A内の混合気体も227℃になる・・・ という現象が起きないようにBを加熱している、と問題の中で条件付けされています。 そんなこと実際にある?ということになりますが、例えばBをバーナー加熱しながらAに水をかけて冷却すれば可能です。しかし、現実には結構難しい操作になります。質問者様が疑問に思うのもごもっともです。 問題の中で "Aを27℃に保ったままの状態で・・・"という表現を "Aを27℃に保つ為冷却しながら・・・"とすれば分かりやすいかもしれません。 この冷却がなければ質問者様のご指摘の通りAもBも227℃まで加熱されても何の不思議ではありません。
お礼
具体例まで挙げて頂き、大変分かりやすかったです。『Aを27℃に保ったままの状態で』→『Aを27℃に保つ為冷却しながら』と、読み替えればよかったのですね。このような読み替えをできることを、知りませんでした。もっと、問題文を読解する力をつけないとダメですね。ありがとうございました。
お礼
実際の実験について知ることができ大変興味深かったです。紙面の問題演習のようには簡単に行かないのですね。また、そこが面白いところではあると思いますが。 熱浴という知識は初めて知りました。冷熱源には考えが至りませんでした。 本当にありがとうございました。