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気体の圧力
27℃、100000Paの空気でフラスコ内を満たしたものを2つ用意しコックをつけ連結させる。 片方のフラスコを0℃に冷やしもう片方のフラスコを100℃になるよう温める。その温度を保ったまま、コックを開いてしばらくすると両方のフラスコ内の圧力は等しくなる。ここで質問したいのですが、熱平衡に達したときの圧力が0℃のフラスコ内の圧力と100℃のフラスコ内の圧力の平均値にならないのはなぜですか?
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- jamf0421
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(質問者さんの挙げられたような温度の異なる系のガスの膨張問題は、おそらく吸着実験くらいしか使われないでしょうから、もしかしたら参考になるかと思って書いておきます。質問者さんはうんざりかも知れませんがすみません。) Nos.6,9,11,14さんのNo14のコメントについて: >#11で吸着率は >(n'-n'')/n'=A(P2'-P2'')/AP2' > =(P1'-AP2'')/P1' >... >ガスを追加してV1の方の圧力をP3,コックを開いた後の平衡圧 >力をP4とするということですが上で書いた吸着率の測定を繰り返 >しているだけのはずです。 ...... >上の式でP1'がP3に、P2”がP4に変わるだけです。 その上の式が成立するのは吸着材が入った方の系が初め真空だった時だけなのです。二回目以降はn'=P1'V1/RTのP1'をP3にしてもV1の中にあるガスを数えただけです。吸着系に残っている前回の平衡圧分P1'V2'/RT1(V2'は仮想体積)を忘れています。これも足してやって、それから新しいP4に対してのn"=P4AV1/RT1を引かなければ正しい吸着量にならないのです。 もう少し詳しく書くならば、一回目の操作とまったく同じ操作でやるなら、各回毎に吸着ガスを脱離させることになります。この場合は長時間の加熱高真空排気が必要で、そのあとでまたHeで死容積の測定が必要となります。高温処理したあと液体窒素で冷やす場合同じ位置にセットするのが難しいからです。実験操作に馬鹿馬鹿しいくらい長時間がかかります。その上窒素の物理吸着以外なら、加熱高温排気で一度吸着したものが完全に脱離したかも証明できません。 よって逐次以下の昇圧で実験します。2回目以降は次のようになります。前の回で平衡になった圧をPiとします。吸着系V2'をコックを閉じてV1から切り離します。この時Piの圧が吸着材系(仮想体積V2')に残ります。 そして、V1の部分に新たにガスを継ぎ足して圧をPiからPjに昇圧します。 これで次の回の平衡前の系のガス量が決まります。 次にV1とV2'をコックを開けて繋げます。そうすると新しい(Piより高い平衡圧)Pkになります。ここでまた吸着量を求めます。こういう手順でAdsorption Isothermは測定します。よって圧は3種必要ですし、仮想体積も必要なのです。
- htms42
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#11です。 #11で吸着率は (n'-n'')/n'=A(P2'-P2'')/AP2' =(P1'-AP2'')/P1' であることを導きました。 Aは装置定数です。(この装置定数は吸着が起こらないということがわかっているHeを使って求めています。) ガスを追加してV1の方の圧力をP3,コックを開いた後の平衡圧力をP4とするということですが上で書いた吸着率の測定を繰り返しているだけのはずです。吸着率が圧力によって変化することを調べています。原理は同じなのですから式が変わるわけではないと思います。 上の式でP1'がP3に、P2”がP4に変わるだけです。 Aの中身をばらさなくてもいいのではないですか。 このことがこの方法の特徴になっているように思いました。 吸着の土台になっている物質の量と試料気体の量との関係が必要であれば生の物質量が必要です。その場合でもAをばらさないといけない場面は出てこないと思います。 n'-n"=n'(P1'-AP2")/P1’ =(P1'-AP2”)(V1/RT1) 追加の吸着量として >ni=(1/RT1){(PjV1+PiV2')-Pk(V1+V2')} という式が書かれています。 圧力が3つ出てくる理由が分かりません。 一回の測定に圧力は2つ出てきますから吸着量にしろ、増加分にしろ圧力の数は偶数になると思います。 #12に >私がNo8で仮想体積について書きました議論は本質的には n=n1+n2 を P1V1/RT1=P2V1/RT1+P2V2/RT2...(1) と書くことに基礎を置いています これは別に特別なことではありません。吸着が起こらないとしたとき当然成り立つとしないといけないものです。私はこの式をP1=AP2として使っています。 この方法のポイントは吸着があれば平衡圧力がこのP2ではなくてP2'に変わっているはずだということではないでしょうか。P2'は測定できますがP2は測定できない量です。P2は測定できないのでこのP1=AP2という式を使って求めるのです。「仮想」という言葉を使うとしたらこのP2に対してではないでしょうか(無理に使う必要はありませんが)。 (P2-P2')で吸着の程度を求めることが出来るのです。 吸着がないとしたときに予想される圧力と実際に測定される圧力との差が吸着によるものであるという内容です。素直な考え方だと思いました。
- jamf0421
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No5,8,10,11です。もういい加減やめるべきですが、No11のコメントでAを使っても同値だと書きましたがこれがミスなので付け足させて下さい。 吸着は一点だけとるのではありません。P1をV1に入れて一回目の平衡圧P2を測定したあと、吸着材とコックで遮断し、V1にガスを追加してP3とし、吸着材側に広げて次の二回目の平衡圧P4をとり...と数点は取ります。その場合仮想体積V2'をもっていれば各回について、 ni=(1/RT1){(PjV1+PiV2')-Pk(V1+V2')} ここでk=i+2, j=i+1 で追加の吸着量が出せるのですが、A=1+V2'/V1という数字では結局1を引いた数字が必要になり仮想体積を使うことになりますね。
- jamf0421
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質問者さんそっちのけで書いていて申し訳ないですが、もし質問者さんが本当に実験するならどう扱うかの参考になると思いますのでNo6,9,11さんのNo11のコメントについてもお答えいたします。 私がNo8で仮想体積について書きました議論は本質的には n=n1+n2 を P1V1/RT1=P2V1/RT1+P2V2/RT2...(1) と書くことに基礎を置いています。(1)の両辺にRT1をかけてやれば、 P1V1=P2(V1+V2T1/T2)...(2) になります。ここでV2'=V2T1/T2が仮想体積と言っているものです。 (2)式の右辺のV1を括りだすと、 P1V1=P2V1(1+V2T1/V1T2)...(3) 即ち P1=P2(1+V2T1/V1T2) になります。右辺の括弧の中はNo6,9,11さんがAとされたものです。ですので仮想体積の考えと同値の結論が出てきます。あとは慣習の問題なのです。
- htms42
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#9です。 #9は少し考察不足です。 改めて#8様の仰っている場面を考えてみました。 吸着量が知りたいために試料気体、参照用のHeと2つで測定を行います。この場合、V2はわからないというところを#9では抜かしていました。死体積があるということですから容器の体積とは一致しないのです。そしてもう1つ、この実験方法では圧力の測定だけですべてを出してしまおうとしているのだと思います。 容器の内容積を測るのも意外と面倒だと思います。 Heの場合と試料気体の場合とを同じ圧力に設定するというのも面倒です。 Heについて n=P1V1/RT1 =P2V1/RT1(1+V2T1/V1T2) です。 P1=P2(1+V2T1/V1T2) =P2Aとします。 A=1+V2T1/V1T2 です。これは装置によって決まる量です。Heの測定はこのAを決めるためのものです。 試料気体について同じことをやります。圧力をP1'、P2'とします。 同じ式が成り立ちます。物質量をn'とします。 n'=P1'V1/RT1 =P2'AV1/RT1 この式でのP2'は吸着がないとしたときの圧力になっています。吸着があればP2'ではなくてP2''になっているのですからP2'は測定できない量です。そういう意味ではP2'は仮想圧力です。測定されたP2''に対応して物質量n''が決まります。 n''=P2''AV1/RT1 吸着の比率は (n'-n'')/n'=A(P2'-P2'')/AP2' =(P1'-AP2'')/P1' P2'は測定できない量ですからP1'に書き換えています。 AはHeの方の測定から得られます。 圧力の測定だけで吸着率が分かることになります。 やはり、仮想体積を考えなければいけない理由は分かりません。 ここで考えたAでいいのではないでしょうか。このAはどちらかというと装置定数のようなものです。 Heを参照用の気体として利用した測定をやると温度の測定も体積の測定も必要がないということになります。 「温度~の時の吸着率」という意味での温度だけです。Heの場合と試料気体の場合と温度設定が同じでなければいけないという条件があります。後はすべてP2''の測定に突っ込みになっています。 これが私の理解した内容です。
- jamf0421
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No5,No7です。話はそれていますが、疑問は尤もで論理ではNo6&N09さんのおっしゃられるとおりです。しかし教育的見地あるいは実際の実験の見地からからは、質問者さんの例を含めて寧ろ仮想体積を教えることも重要と思います。(私の説明がなお足りませんでした。) 吸着実験を実際に行ってみれば判りますが、定容法吸着実験でT2は確かにしっかり保持し、一定の値に保ちますが、V2は測定しないのです。(むしろ出来ない。)仮想体積を考えれば必要がないですし、室温でHe膨張で仮にV2(らしきもの)を測定したとしても、吸着材の入った部分を例えば液体窒素温度浸した時に、管のどれだけの部分が液体窒素につかり、室温部分との系の温度勾配がどうなるか判定が困難です。つまり式に書かれたV2/T2は決められないのです。液体窒素に冷やしたあと(あるいは加熱吸着実験でも同じ)Heを膨張で吸着系にいれて、室温部分との間は断熱性のあるもので蓋いをして、温度勾配が定常になるのを待って圧を測って仮想体積(理想的にはT1V2/T2に対応するもの)を出すしかないのです。
- htms42
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#6です。 こういうことをここで書いていいのかどうかちょっと「?」ですが。 #8に書かれている仮想体積の扱いについて書かせていただきます。 吸着量がどれくらいかというのも問題として出て来ると思うからです。吸着という言葉が使われていなくても容器内にある物質と反応する事によって気体分子がいくらか減少する場合を扱った問題をみたことがあります。 Heを使った吸着のない場合の式は P1V1=P2(V1+T1V2/T2)です。 右辺のT1V2/T2は決まった量です。 だからこの式はコックをあけたときに圧力がいくらになるかを示している式です。この式にしたがってP2が決まるのです。 P2=P1V1/(V1+T1V2/T2) =P1/(1+T1V2/T2V1) =P1/(1+(T1/T2)/(V1/V2)) です。コックを開けたときの圧力は温度の比と体積の比の比で決まるというものです。 吸着があればこのP2が小さくなります。測定された圧力をP2'とします。 n=P1V1/RT1 =(P2/RT1)(V1+T1V2/T2) n'=(P2’/RT1)(V1+T1V2/T2) です。吸着量はn-n'です。 特にT1V2/T2を仮想体積として考える必要はないと思います。 n=(P2/R)(V1/T1+V2/T2) のままでやっても同じことです。吸着によって変わるのはP2です。P2以外は全て吸着には関係のない量です。 私が高校生に教えるとしたらこのようにやります。
- jamf0421
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No5です。No6さんの丁寧な正統的ご説明をみて、逆に”仮想的体積”(実体積の絶対温度補正)が案外狭いSocietyでしか通じていないものかと思い、質問者さんの便宜のためにもと思い追加コメントいたします。初めの説明の書き方がよくなかったかも知れません。 これは固体表面へのガス吸着を測る場合にごく普通に使われる考え方なのです。古典的測定装置は既知の容積の真空ラインと、コックで隔てられた吸着されるサンプルの入った系があります。吸着温度は例えばBET表面積測定なら液体窒素温度です。逆に高温で吸着させる場合もあります。吸着温度制御をするのは固体サンプルの入った部分だけで、真空ラインは室温です。サンプルを十分に加熱排気したのち、コックで遮断し、サンプルの入った部分を吸着温度に設定します。この時、吸着量を測るにはサンプル側の死容積も知る必要があります。 Heは固体に吸着しないので、Heを既知容積に圧P1で入れます。此処に入ったモル数がnだとします。その後コックを開けてP2になったとします。 P1V1=nRT1 だったものが、 P2V1=n1RT1とP2V2=n2RT2 になります。 n1+n2=(P2V1/RT1)+(P2V2/RT2)=(P2/R)(V1/T1+V2/T2) ですが、さらにこれを変形して =(P2/R)(V1/T1+T1V2/T1T2)=(P2/R)(V1/T1+(V2T1/T2)/T1) =(P2R/T1)(V1+(V2T1/T2))=(P2R/T1)(V1+V2')...(1) とします。 このV2T1/T2=V2'を仮想的体積とします。実験中T1もT2も変わらないのでこれを定数として扱えます。Heの膨張実験でn1+n2=nがわかっているので(1)から仮想体積V2'がわかります。この値を知れば、実際に吸着させるガスを入れて同様にガスを吸着材側に広げたとき時のモル数が最初に入れたnより小さくなれば吸着したことがわかり吸着量が判ります。 この考え方の利点は、何も考えなくて甚だ機械的に計算して答えが出せることです。 質問者さんの例では圧力平衡になった時に P3=n1RT1/V=n2RT2/V...(2) になっています。(2)の右辺の分母分子にT1をかけて、 =n2RT2T1/VT1=n2RT1/(VT1/T2)=n2RT1/V'...(2)' とするのです。V'=VT1/T2です。この例でもT1/T2は決まっています。(2)と(2)'を比べて n1RT1/V=n2RT1/V' ですから n1/V=n2/V' 即ち n1/n2=V/V' となります。もともと全体のmol数(n1+n2)はわかっていて、n1/n2が判りますから、n1もn2も判り、(2)からP3が出ます。
- htms42
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#6です。 #6に書いた#1というのは#5の間違いです。 #1様、#5様 申し訳ありませんでした。
- htms42
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P3の値は#1のお答えで合っています。 でも >ここで計算の都合上373Kの方について仮想的体積を考えます。新しい圧になった時に温度は273で体積が縮んだとするのです というところが難しいです。 結果は同じなのですが「仮想的な体積」というのを考えないでやります。 ついでですから文字を使った一般的な表現でやります。 初めの圧力、温度をPo、Toとします。 PoV=nRTo (To=300K) コックを開く前のそれぞれのフラスコで P1V=nRT1 (T1=273K) P2V=nRT2 (T2=373K) T1<T2ですからP1<P2です。 コックを開くと圧力の高い方(高温の方)から圧力の低い方に空気が少し移動します。移動した空気は温度が273Kになります。2つのフラスコの圧力が等しくなった所(圧力はP3)でつりあいます。空気の移動はなくなります。移動した空気の物質量をΔとします。 P3V=(n+Δ)RT1 =(n-Δ)RT2 これで終わりです。Δを求めるとP3も求められます。仮想的な体積を考える必要はありません。 Δ=n(T2-T1)/(T2+T1) P3=(Po/To)[2T1T2/(T1+T2)] P3'=(P1+P2)/2=(Po/To)(T1+T2)/2 数値を代入すると#1の解答と同じ数値が得られます。 P3はちょっとややこしい表現になっています。でも導き方を変えるとイメージが取れます。 n+Δ=P3V/RT1 n-Δ=P3V/RT2 両辺を足すと 2n=P3V(1/T1+1/T2) n=[(n+Δ)+(n-Δ)]/2=P3V(1/T1+1/T2)/2 物質量の平均が温度の逆数の平均で表されていることになります。 P3'との違いは空気の分子の移動が起こるというところにあります。
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