まず。。。
米のアフガン攻撃が「報復」だったとすると、現代国際法では違法行為の中止あるいは救済のために武力を行使することは禁止されているので国際法違反となります。
このため米はアフガン攻撃を「自衛権の行使」だと主張して正当化しようとしましたが、この主張には国際法上いくつかの問題点があります。
国連憲章第51条は自衛権の行使を「武力攻撃が発生した場合」に限定していますが、これは国家による武力行使を意味するもので、テロ組織のような私人による攻撃は同条に言う「武力行使」には該当しません。
また、国際法上、自衛権行使が正当化されるためには「緊急性」と「均衡性」の要件が満たされなければなりません。緊急性とは、武力攻撃が急迫しているか又は現に行われていて、その排除のためには他にとるべき方法がない場合を言いますが、911以降次のテロの危険性があったことを否定はできませんが、その可能性が客観的に証明されたわけではないので、緊急性があったとは言いにくい状況といえます。また、テロから4週間以上経過してからの自衛権の発動が緊急性の要件をみたしているとはいえません。
均衡性についても、テロリストの逮捕とタリバン政権の打倒が、911テロとその後予見されるテロ攻撃と均衡しているものとはいえません。
また、自衛権の行使がテロ組織をかくまう国に対して発動される場合、テロ組織がその国の命令、管理の下にテロ攻撃を行ったりする場合に限られますが、アルカイーダがタリバン政権の管理下・命令下にあったとは言えませんのでこの要件を満たしているとはいえません。
米の自衛権行使の最大の根拠は、安保理決議1368(国際平和に対する脅威であるテロに対処するため必要であるすべての措置をとる、とした)ですが、この決議がアフガニスタンに対する攻撃を許可したものなのかどうかについても疑問です。
さらに、燃料気化爆弾(BLU82)などの大量殺戮兵器の使用も国際法上問題ありといえましょう。。。