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ホイットマンについて

ホイットマンの二つの詩の傾向とは何なのでしょうか。教えて下さい。もうひとつ、ホイットマンやホーソンなど、イギリス,アメリカ文学の作家などが詳しく書かれているホームページはないでしょうか。ネットで調べても本を買うところしかででこないのです。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

>ホイットマンの二つの詩の傾向 思うにこれは質問者さんの先生の解釈ではないでしょうか。 ホイットマン、学部生の頃にやりましたが、そういう評価は記憶にないんです。 なんだろう、と文学史とか論考のいくつかをあたってみましたが、詩の傾向をふたつに分けて論評しているものはちょっと見あたりませんでした。 ですから先生に聞いてください、ということで、あとは参考サイトのURL張ってもいいんですが、せっかくだから、ちょっと私なりに考えてみました。 もしレポートか何かだったら、あまり参考にしないで(参考にする場合はあくまでも自己責任に於いて―便利な言い方だなぁ(笑))読んでみてください。 可能性としては、いくつか考えられます。 ホイットマンといえば詩集『草の葉』がなんといっても有名ですが、この詩集は1855年の初版発行以降、死ぬまで改訂と増補が続けられ、最終的に9版(1892年)を重ねます。 ですから各版によって、その特色も変わってきているんですね。 初版“わたし自身の歌”の第24節から。ホイットマンの中で一番有名なものです。 「ウォルト・ホイットマン、ひとつの宇宙、マンハッタン児、  乱暴で、太り肉で、官能的で、食い、飲み、種つけをし、  感傷に耽らず、世の男女の上に超然とせず、また離れてもいず、  無作法ではないが、かといって控えめでもない。  ……  わたしを通して霊感が湧きのぼり、わたしを通して潮流と指標とが。  わたしは原始的な合い言葉を語り、わたしはデモクラシーの合図を送る、  誓って言う! わたしはあらゆる人々が同じ条件で対応するものを持てないなら、何一つとして受けとらない、と。  ……  内も外もわたしは神聖である、どんなものでもわたしの触れるもの、わたしの触れられるもの、それらをわたしは神聖にする。  わたしの腋の下の匂いは、お祈りより芳香を放ち、  この頭は、教会や聖書や、あらゆる教義以上のものなのだ」(木島始訳) この部分はホイットマンの特質が非常によく表現されたものです。 つまり、自分の魂と肉体を肯定し、礼賛し、自己は単に自己であるだけでなく、自己を拡大して民衆の中に入り、周囲の人々や自然と合一するトランスセンデンタリズム(超絶主義)の思想がすべて見て取れます。 第二版では、肉体と性を歌う詩が多くなり、第三版ではさらに性愛を歌ったものが増えます。 一転、南北戦争勃発をはさんだ第四版は戦争詩の創作が始められ、暗殺されたリンカーンを哀悼する“ライラックが庭に咲くとき”が、その代表とされています(五版以降はあまり評価の対象にならないことが多いようです)。 また、別の角度から見るなら、ホイットマンが詩人として出発したのは36歳のとき。 十代前半から植字工として働き始め、ジャーナリストに転じ、民主党の側に立って政治活動も続けていました。要は、ジャーナリストとしてのキャリアも、すでに十分積んでからのスタートだったのです。ホイットマンの政治活動は終生続き、政治論文も発表しています。 ですから、詩の傾向をふたつに分類するなら、 ・自己の魂と肉体を礼賛したものと、民主主義に寄せる信頼と希望を歌ったもの が一般的ではないでしょうか。 ただ、このふたつも、先に挙げた“わたし自身のうた”に見られるように、ホイットマンの中ではきわめて渾然一体としていることが多いのです。 またこんな見方もできます。 ・肉体と性の肯定とトランスセンデンタリズム トランスセンデンタリズムというのは、簡単に言ってしまえば生物、無生物を問わず、あらゆるものに神性が宿り、宇宙の魂と個人の魂が合一することが人生の目的である、とする考え方です。こうまとめてしまえばなんのことやら、ですが、具体的な作品としてソローの『ウォールデン 森の生活』を上げると、感じはつかめるでしょうか。 ホイットマンはこのトランスセンデンタリズム運動には加わらなかったのですが、影響を受けたエマソンはそのメンバーでした。 エマソンはホイットマンの『草の葉』初版を高く評価しますが、一方でその肉体や性愛の礼賛に対しては批判を続けます。 このどちらかかなぁ、とは思うのですが、それ以外の可能性もありますし、ここらへんは一般的に評価が定まっている、というよりは解釈の領域ですので、やはり先生に聞いてください(その結果を私にも教えていただければなおうれしいのですが)。 さて、アメリカ文学のサイト、いろいろありますが、 まずはここを。 http://usinfo.state.gov/products/pubs/oal/oaltoc.htm アメリカ国務省が作ったサイトなので、資料としての信頼度は問題ないかと思います。 ここからリンクをたどって相当いろいろなところへいけます。

参考URL:
http://usinfo.state.gov/products/pubs/oal/oaltoc.htm
yuzu7
質問者

お礼

ありがとうございました。凄く参考になりました

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