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ヒッグス機構と絶対座標
素粒子が質量を獲得するメカニズムとしてヒッグス機構があります。もともと質量ゼロの素粒子がヒッグス場との相互作用で動きにくくなるというのが質量を獲得するというメカニズムであると説明されています。でもこれだと宇宙に絶対座標が存在することになって相対論と矛盾してしまうように思えるのですが。またフランク・ウィルチェックの「物質のすべては光」で書かれている「グリッド」という考え方も同様に絶対座標が存在し、エーテルの考え方に戻ったようで相対論との矛盾を感じます。 どう考えればよいのか、どなたか教えてください。
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光速で移動しようとする物質波は、抵抗であるヒッグス粒子を引っ張ると説明しました。しかし、このイメージでは、ご質問の様に、様々な速度はどうして生じるのかと言う疑問が起こります。 もう少し詳しく説明して見ます。一つの物質としての振動に、一つのヒッグス粒子がくっ付くと仮定します。この物質波は、光速で「超ひもの網」上を伝わろうとします。これに一つのヒッグス粒子がくっ付くと、物質波はその動きを止められ永遠に静止しています。ヒッグス粒子は短時間で消滅しますが、間を置かずに新しいヒッグス粒子が生じるので、物質は静止したままなのです。 この一つの物質波に一つの移動エネルギーを加えます。すると、一つのヒッグス粒子の抵抗が無くなり、その物質波は、光速で移動する様になります。一つの移動エネルギーが、一つの物質としての振動に含まれたので、次から次にヒッグス粒子が生じても、常にその抵抗を無効にし続けます。 今、10個の物質があるとします。この物質には、一個づつヒッグス粒子が入れ替わりながら常にくっ付きます。そうして、物質は動きを止められています。つまり、常時10個の物質に、10個のヒッグス粒子がくっ付いている状態です。 今、この10個の物質の塊に、1つの移動エネルギーを加えて見ます。すると、10個の内1個のみが光速で移動しようとし、残りの9個は静止しようとします。この10個の物質は、お互いの引力によりくっ付いています。従って、1個の光速で移動しようとする物質が、残り9個の静止しようとする物質を引っ張る形となります。 つまり、10個の物質が1個の移動エネルギーを共有するのです。そうすると、一つの物質は1/10秒間移動エネルギーを持つことが出来ます。その間、その物質は光速で移動し、残りの9/10秒間は静止していると考えることが出来ます。そうすると、この物質の速度はC/10km/秒となります。 今度は、2個の移動エネルギーを加えて見ましょう。そうすると、一つの物質は1/5秒間光速で移動し、残りの4/5秒間は静止していることになります。従って、この物質の速度はC/5km/秒です。 この考え方は、物質の移動速度は、加えた力の大きさに比例すると言う運動の法則にも一致します。 勿論、上記の様な長い時間ではなく、物質同士はごく短時間で移動エネルギーをやり取りします。 この様に、物質の移動速度は、その物質中何パーセントが光速で移動しようとし、残りの何パーセントが静止していようとするかで決まってきます。
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- noname_deadbeef
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>外から力が加わらない場合、常にヒッグス粒子の抵抗を受けるので、物質は徐々に速度が落ち最後には止まってしまうのではないか いやいや、その物質はいつのまに「速度が光速以下になりえる」性質を獲得したのですか。ヒッグス場のおかげじゃなかったのですか。 「どうやっても光速で動いてしまう、光のような物質」がヒッグス場と相互作用により「いつも光速より遅い、質量のある物質」のように動くようになるのであって、だから端的にいうと「光子を光速より遅い速度で走らせる方法」が必要なんです。 光を遅くする…屈折率の大きい物質中とか? でもこれはなんで遅くなるのかよくわからないし(汗 少なくとも「エネルギーが大きいほど速度が大きくなる」ことについて答えてくれそうにありません。 実は幾何学的な範囲内で答えがあって、「最短距離で進ませなければいいんです。」ジグザグとか3歩進んで2歩下がるとか螺旋とか… 地球上でエネルギーEの光子2個をひもでつないでその場でクルクルと回らせます。(思考実験です。ひもの材質とか聞かないでください) また、地球から見て光速の90%で飛んでいる宇宙船の中で同じことをします。 どちらもその人の手元にある「それ」はその人にとって速度0です。 また、宇宙船の中の「それ」を地球から見てどれくらいエネルギーを持っているかを計算する(ある瞬間で2個の光子のエネルギーを求めて合計する)と、…なんと「質量2Eの普通の物質を光速の90%まで加速させた」のと同じ答えになります。(なると思う。昔簡単な場合については確認した) 「それ」が「質量2Eを獲得した光子※ただし2個」ということになるわけです。 でまあ私もヒッグス場に関しては全くの無知なのですが、ヒッグス場がこういう「ひも」の役目をするか、あるいは「まとわりつく」とか何か別の理屈でとにかく物質の軌道をひん曲げているのであろうと解釈しています。
- 有木 巨智麿(@kothimaro)
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早速にご返事を頂き嬉しく思っています。 物質が、ヒッグス粒子のプールの中を運動しています。外から力が加わらない場合、常にヒッグス粒子の抵抗を受けるので、物質は徐々に速度が落ち最後には止まってしまうのではないかとのご質問にお答えします。 物質は、超ひもの振動として、「超ひもの網」上を伝わります。物質は、超ひもの振動なので、本来光速で伝わろうとします。それを、ヒッグス粒子がまとわり付き、動けないようにしています。従って、物質は光速未満でしか動けません。 説明を簡単にするために、「ヒッグス粒子のプール」と表現しましたが、もう少し詳しく説明してみます。ヒッグス場を物質が移動すると、ヒッグス粒子が発生します。このヒッグス粒子は、すぐに消滅すると考えられています。ヒッグス粒子は、物質に動きを止める力を加えるとすぐに消滅します。そして、また物質が動くとヒッグス粒子が発生し、抵抗を加えると消滅します。この様にして、ヒッグス場を移動する物質には、常に一定の力の抵抗が掛かります。 物質は、本来光速で「超ひもの網」上を伝わろうとしますが、この様に、動くと常に一定の力の抵抗が加わるので、光速未満の一定速度でしか移動出来ないのです。例えば、重いタイヤに紐をつけて、腰にその紐を結び付けて走っている様なものです。本来、その人は百メートルを12秒で走ることが出来るとします。しかし、タイヤの抵抗が常に掛かるので、その人は百メートルを20秒でしか走ることが出来なくなります。タイヤに進行方向へ一定の力を加え続けると、次第にその人は百メートルを12秒で走るスピードに近づいて行きます。 この様に、物質は自ら加速しているのです。言い換えると、物質は本来の速度である光速に戻ろうとしています。 このことを、物質の運動を支配する基本法則から考えて見ます。 運動には、第一法則・第二法則・第三法則があります。これらの法則は、一見お互いに矛盾し合っていると思えます。 運動の第一法則は、慣性の法則とも呼ばれます。外から力が加わらない限り、静止している物体は何時までも静止しており、等速運動する物体は何時までもその速度で移動し続けます。この速度を保とうとする性質を慣性と言います。 また、加速度の大きさは、物体に加えた力の大きさに比例し、物体の質量に反比例します。これが、運動の第二法則です。物体に加える力の大きさが2倍になると、その物体は2倍の速度で動き、物体の質量が2倍になるとその物体は1/2の速度で動きます。 更に、運動する物体の持つ運動エネルギーは、質量に比例し、速度の2乗に比例します。これが、運動の第三法則です。物体の質量が2倍になると、この物体が衝突した時生じるエネルギーは2倍となり、速度が2倍となると衝突時のエネルギーは4倍となります。 この運動に関する3つの法則は、一見お互いに矛盾していると思えます。運動エネルギーの足し算が成り立っていないのです。 第二法則によると、n倍の運動エネルギーを加えると、物体の速度はn倍となります。第三法則によると、速度がn倍になると運動エネルギーはn2倍となります。kの運動エネルギーを加えると物体の速度はVとなるとします。その時、物体の有する運動エネルギーはkです。2kの運動エネルギーを加えると、速度は2Vとなります。その時物体の有する運動エネルギーは4kです。3kの運動エネルギーを加えると、速度は3Vとなり、運動エネルギーは9kとります。この様に、1+1=4、1+1+1=9となっているのです。与えたエネルギーは2乗に増えています。この様に、物体は自ら加速しているのです。これを、ヒッグス場が一定の力で押し止めているので、物体は等速運動をするのです。
お礼
ご説明ありがとうございました。 解説いただいた後半部分はまだ頭の中ですっきりしないところがあるのですが、前半については大変すっきりしました。 運動する物質がヒッグス粒子と相互作用する合間合間は、確かに必ず光速に戻りますよね。だから徐々に速度が遅くなるということはなく、運動の第一法則に合致しますね。ここに気がつきませんでした。 ただ、また質問で申し訳ないのですが、同じ質量で速度の違う二つの物質があったとして、この二つの物質のヒッグス粒子との相互作用の仕方の違いは何なのでしょうか? 運動エネルギーの違いによりヒッグス粒子との相互作用の強さが変わるのでしょうか、それとも相互作用の頻度が変わるのでしょうか? 何度もすみません。 後半はもう少しじっくりと考えてみます。
- 有木 巨智麿(@kothimaro)
- ベストアンサー率44% (11/25)
ご質問の通り、ヒッグス粒子のプールが静止系です。従って、相対性理論の前提となる静止系はないとする考え方は誤りであることになります。 特殊相対性理論では、物質も光も全て粒子であり、空間には何もないと考えます。何もない空間の位置は考えることが出来ません。後に残るのは、動き回る粒子のみです。そうなると、どの粒子が静止しているのか誰にも分かりません。 この粒子が静止しているとするとあの粒子は移動している、逆にあの粒子が静止しているとすると、この粒子は移動しているとしか言えなくなります。こう言う意味で、物質の運動は相対的なものとなります。そして、静止系と言う特権を有する系はないと考えます。 しかし、現在の物理学では、「超ひも理論」が最も有力視されています。そして、私は宇宙を次の様に想定しています。 宇宙開びゃくの瞬間、宇宙は非常にエネルギーの高い状態にあり、個々の「超ひも」は自由に空間を動き回っていました。しかし、宇宙のエネルギーが、100GeVになった時、「超ひも」は相転移を起こし、網の状態に繋がって固定されたと考えています。相転移とは、水蒸気が冷えて氷となる様な現象を言います。水蒸気として自由に動き回っていた水の分子は、冷えて相転移を起こし氷の分子として固定され、もはや自由には動き回ることが出来なくなります。「超ひも」も宇宙のエネルギーが低下し、相転移を起こすと、固定され網状に繋がります。 そして、その「超ひもの網」の上を、物質や光及び重力・電磁力・強い力・弱い力の4つの力は、振動として伝わると考えています。つまり、物質が移動して見える現象は、実は超ひもの物質としての振動が、次々と隣の超ひもに伝わる現象であると説明されます。そして、「超ひも」の振動自体が光速で伝わるので、何ものも光速以上で伝わることは出来ないのです。 物質も光も一本の超ひもの振動として表現されます。超ひもの長さをプランク距離Lと言います。振動が超ひもの端から端まで伝わるのに要する時間をプランク時間Sと言います。超ひもの振動は光速Cで伝わります。従って、 光速C=プランク距離L÷プランク時間S=L/S= 1.616199×10^-35m÷5.39106×10^-44秒=299,792.5km/秒となります。 光は抵抗を受けないので、そのまま高速で「超ひもの網」上を伝わります。物質は、ヒッグス粒子がまとわり付き動き難くなるので、光速未満でしか動く事は出来ません。 この「超ひもの網」や「ヒッグス粒子のプール」が静止系です。
お礼
ご説明いただきありがとうございました。最初の質問以来、久しぶりの回答をいただき、大変うれしいです。 kothimaroさんの超ひもの網のイメージはつかめました。やっぱり静止系ありきなのですね。 でもそうすると、ヒッグス粒子のプールについて、もうひとつ釈然としないことがあります。よく言われる「ヒッグス粒子による動きにくさが質量」ということなのですが、ヒッグス粒子のプールが静止系と考えると、物質の加速に対する動きにくさが質量というのは大変納得しやすいのですが、では加速から一定速度になった物質はどう考えればいいのでしょうか。その物質が一定速度になった段階で、ヒッグス粒子も超ひもの網も、局所的にその物質にくっついて動き続ける(つまりその物質との相対速度がゼロになる)と考えざるを得なくなるような気がするのですが。もしヒッグス粒子のプールが完全な静止系であれば、定速度運動している物質はその動きにくさのために徐々に速度が落ちてしまうように感じます。どの本を読んでも、ここについて説明されているものが見当たりません。 もうひとつ質問で申し訳ありません。ヒッグス粒子についてなのですが、光子が電磁場の揺らぎとして現れるように、ヒッグス粒子もヒッグス場の揺らぎがヒッグス粒子になると考えれば、空間を満たして物質との相互作用で質量を与えているのはヒッグス場であり、ヒッグス粒子が空間を満たして、かつヒッグス粒子が物質と相互作用している、というわけではないとイメージしているのですが、間違いでしょうか? ちなみに電磁場もヒッグス場も超ひもの振動により作られた網、イコール「場」と考えたらいいのでしょうか?
- 中村 拓男(@tknakamuri)
- ベストアンサー率35% (674/1896)
ヒッグス場に関しては全くの無知なので明確な答えは示せないのですが それは、場の表現形式とローレンツ変換に対する振る舞いで決まるのでは? 電磁波だって全宇宙を満たしてますが絶対座標を提供しません。
お礼
どうもありがとうございました。 ヒッグス場との直接の関係は分かりませんが、確かに電磁場の場合を考えたら分かるような気がしました。
お礼
なるほど。与える運動エネルギーを量子的に考えれば(もちろんもともと量子力学ですが)そうなるわけですね。 kothimaroさんが前回後半部分に書かれた運動法則の矛盾のところも、理解するのに役立ちそうです。 大変ありがとうございました。