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ギリシャのユーロ離脱について
- ギリシャがユーロに残るか離脱するかが注目されていますが、その理由は何でしょうか?
- ユーロに残った場合と離脱した場合のメリット、デメリットや他の国への影響について教えてください。
- ギリシャがユーロを離脱すると、独自の通貨であるドラクマに移行します。これにより、ローンや債務返済が困難になると言われていますが、ユーロ建てとドラクマ建ての概念について詳しく教えてください。
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(1) ユーロ圏にとって、ギリシアがユーロ圏に留まった方がいいのか離れた方がいいのか、これだけでも、論文が書けるほどの大テーマです。 とても分かってもらう自信がありませんが、もう大なたを振るってザックリと書くと メリット :もうギリシアに資金を注ぎ込まなくて済む。税金を自分たちのために使える(主にドイツ国民がそう言っているらしい)。 デメリット:ほかにも、助けてもらえず切り離される国が出るのではないか、と不安視され、不安視された国が資金不足になり、それがさらに景気が悪くなる。 すでにユーロ圏に散っているギリシア国民や不安視された国の国民が、居住地の国に助けを求め(生活保護など)、居住地の国の経済の足を引っ張るようになる。 (2) ユーロ建て、ドラクマ建て 本来は、ユーロで借りたものはユーロで、ドラクマで借りたものはドラクマで返せばいいのです。 が、ギリシアがユーロ圏入りした時に、ドラクマという通貨は消滅しました。 だから法律で「10ドラクマ=1ユーロとして、各種(売買や借り入れ)の契約は数字と通貨単位を読み変える」とかいうふうに、すべてが「ユーロ」に変更されているはずです。 例えば「家賃月額20ドラクマ」と決められていた賃貸借契約は、自動的かつ強制的に「家賃月額2ユーロ」と読み替えられてしまったはずです。 つまり全部「ユーロ建て」になってしまって、"今"現在は「ドラクマ建て」のローンというのは"ない"、と思いますよ。 (将来ユーロ圏離脱を考えて居れば、ドラクマ単位のローンも残しているかも) ドラクマ建てローンがないとすれば、何時借りたかはべつにして、ギリシア国家およびギリシア国民すべてが、「ユーロ」で返さなければなりません。 ところが加入当時は10ドラクマ=1ユーロでも、いまは経済が破綻しているので、ユーロ圏離脱後はドラクマの価値は安くて、1ユーロ=1000ドラクマかもしれません。 すると、例えば加入当時1ユーロ借金した人は10ドラクマ借金したつもりだったのに、今は、1000ドラクマ払って1ユーロ通貨を買って、それを返済しなければならなりません。 つまり、10ドラクマ借金したはずなのに、1000ドラクマ返済しなければならないわけです。 ドラクマでの返済額が増加して、大変なことになるわけです。 さらに、ユーロ圏を離脱しドラクマに戻ってから、新たにドラクマ単位の借金(ドラクマ建てローン)をしようとすると、銀行は「ドラクマの価値はもっと下がるかもしれない」と考えて、途方もない金利を付けます。 今は1ユーロ=1000ドラクマでも、10年後には1ユーロ=2000ドラクマになっているかもしれないと思えば、最低でも金利は年利1割にしないと、銀行は損をしますから、それ以上の金利にするわけです。 金利の高騰というのはそれですね。
お礼
回答ありがとうございました。大変わかりやすかったです。