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ジェットエンジンの仕組みについて
HISTORY CHANNELの戦闘するデザイン「メッサーシュミット ME-262」の話でイギリス人技師フランク・ホイットルが試作したパワージェット社のジェットエンジンは一度エンジンを始動すると回転が増大し続けホイットルはエンジンが壊れる様子をだだ観察するしかなかったと紹介されています。またターボの部分が重すぎとても航空機に搭載できる大きさではなかっとも紹介されています。現在、私たちが普通に目にするジェットエンジンは、回転数及び出力のコントロールとターボ部分の小型化をどのようにやられているのでしょうか?もしよろしければ概念でいいので教養のため教えてください。
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No.3です。補足を頂いていますが、 >更にご質問があるのですがMig-15、F-86以後、ヨーロッパでジェット機 >開発競争が激しくなりフランスのダッソー社のミラージュ3を皮切りにマッハ2級 >戦闘機が次から次へと開発されましたが、この頃に目を見張るようなジェットエン >ジンの技術革新があったのですか? ジェットエンジンの開発の歴史に詳しい訳でもないので、特筆すべきエンジンの 進歩があったかは解りません。ただ、挙げておられるのは戦闘機における世代別 で亜音速の第一世代、超音速飛行可能な第二世代という分類になっており、これら の比較では速度向上の理由はエンジン出力向上のみならず、機体側の改良も寄与 しています。(エリアルール、インテーク形状、翼形状等) http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F#.E7.AC.AC1.E4.B8.96.E4.BB.A3_.281940.E5.B9.B4.E4.BB.A3.E5.BE.8C.E5.8D.8A_-_1950.E5.B9.B4.E4.BB.A3.29 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E3%81%AE%E5%A3%81 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB 差し出がましいのですが他の補足分でも付け加えておけば、 >タービン部分の意味なら(略)現在はどのような金属で出来ているのでしょうか? ジェットエンジンのタービンは基本耐熱合金であり、それらはメーカー名称で B-1900、Inconel713、Stellite31、Waspaloy といったものです。従来ではこう いったものだけでしたが、No.2ご回答の様に最近のものではチタンも低圧タービン用 に使われているとのことです。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BC%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF_GEnx ただチタン合金は500℃までしか耐えませんので、1000℃近い温度の高圧タービン部 には使えません。また合金であっても複合材ということはありません。 ファンブレードは最近になって複合材製ですが、コンプレッサーブレードの多く はチタン合金で、終段付近はやはり熱に耐えるためステンレス鋼や耐熱合金です。 >現在の航空機は、もうこれ以上速度は上げられないとどの本または資料も通常 >そう説明されています。 これはどんな資料に載っているのでしょうか。プロペラ機やヘリコプターは原理 上限界があるのですが、「航空機」を全て同じくくりでそう言いきる理由は 書かれていないのでしょうか。 >これは加速度Gにパイロットが耐えられず死んでしますという意味ですか? 「速度」と「加速度」は違います。時間を掛けて到達するなら最高速度そのもの に加速度上の制限を考える必要はありません。有人でも宇宙船なら地球を離れる ためには第2宇宙速度(11.18 km/s)を超え、スペースシャトルでも軌道から 降下してくる時マッハ25です。 航空機では最高速度では有人の最高速度記録はX-15が持っており、 http://ja.wikipedia.org/wiki/X-15_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F) 無人機のX-43がこれを上回っているのは確かですが、 http://ja.wikipedia.org/wiki/X-43_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F) 実験機の性格上からの危険回避や「使い捨て」前提の仕様で人間を乗せない のであって、「有人の航空機」を考えた場合でも人間の加速度制限で最高 速度が決まる、ということにはなりません。人間の安全・生命維持を考慮し なくて良い分、設計自由度が大きく運用制限が少ないということはあるとは 思いますが。
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- funflier
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>回転数及び出力のコントロールと ジェットエンジン/ガスタービンエンジンはピストンエンジンのように流入 空気量を制限しませんので、燃料量で制御します。これを行うのはFCU (fuel control unit)と呼ばれる装置です。これは、 ・パワーレバー(スロットル)位置 ・エンジン回転 ・圧縮機入口圧力と温度 ・圧縮機出口圧力 を感知して燃料量を決めています。スロットルだけが任意の入力であり、他は自動です。 人間は排気温度(EGT)、回転数(N1・N2等)、EPR(エンジンの入口出口の 圧力比)等をモニターして出力を知ることになります。 実質的にはジェットエンジンの出力限界はタービン入口温度で決まり、現在は 燃焼チャンバーを出た直後のNGV(nozzle gaide vane)、初段のタービンが 耐える温度が限界です。これを今より数十度上げることが出来れば、エンジン はそのままで出力は倍程度にも出来るとも言われています。 タービン動翼と静翼は耐熱合金(ニッケル基合金等)ですが、これでも1000℃を 超える温度では溶けますので、コンプレッサーから抽気(bleed)した空気を内部 と表面に流して1000℃程度の熱を数百度の空気で冷やすという事で保護して います。この際、表面は微細な穴から噴出すことで行っていますので、ここが 詰まると容易に溶けてしまいます。 (以前、火山灰を吸い込みここが詰まって溶融した例があります。「ノズルが 詰まった」というので、まるでエンジン自体の出口が詰まったかのような解説をする 間違った報道がありましたが、詰まったのはノズルガイドベーン間とそのベーン 表面の冷却孔のことです。) 初期のジェットエンジンのことは解りませんが、ターボチャージャー付きの ピストンエンジンでも「吸気を増す」→「排気増えタービンが回る」→「さらに 吸気増す」→「もっとタービンが回る」というループを繰り返すと出力は指数 関数的に増大するので、どこかで吸気圧制限をしないと壊れます。 同様にジェットエンジンでも、制御が不完全だとこの種の破壊・焼損が起きると 思います。ホイットルの例はそういう事ではないかと推測します。 >ターボ部分の小型化をどのように 「ターボ部分」という名称はガスタービンエンジンには無いのと、初期のジェット エンジンがどうしてそれほど重かったかについて直接的な資料が無いので解りま せんが、想像すれば耐熱合金や他の合金が発達していなくて、同じ強度を持たせる には大きく重くなったのではないでしょうか。その意味では現在は合金技術や 冷却技術、制御技術が発達したので構造重量や大きさを適切に設計出来る様に なって来ているということだと思います。
お礼
ご教授ありがとうございます。
補足
更にご質問があるのですがMig-15、F-86以後、ヨーロッパでジェット機開発競争が激しくなりフランスのダッソー社のミラージュ3を皮切りにマッハ2級戦闘機が次から次へと開発されましたが、この頃に目を見張るようなジェットエンジンの技術革新があったのですか?
- ultraCS
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現在、民間機で主流となっている高バイパス比のターボファンエンジンの場合 タービンブレードはチタンを主体とした複合材料 圧縮段はチタンとアルミを主体とした複合材料、バイパスファンはアルミが主体となった複合材料 いずれにしても現在は綿密に計算して荷重がかかったり、高温に晒される部分にはチタン合金、装でない部分ではアルミや繊維材(カーボン、グラスファイバー等)が主体となった材料が使われます。
お礼
ご教授ありがとうございます。
補足
厚かましいののですが教えてください。現在の航空機は、もうこれ以上速度は上げられないとどの本または資料も通常そう説明されています。これは加速度Gにパイロットが耐えられず死んでしますという意味ですか?アンドロイドのような機械人間だったらエンジンの出力を最高点まで引き上げたらマッハいくつまで到達することができそうでしょうか?
- Mokuzo100nenn
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回転数の制御は燃料供給量の調整で行います。 ターボ部分とはどの部分かわかりませんが、タービン部分の意味なら、高温に耐える金属材の開発と、その金属を中空にして冷却用の空気を流すなどの工夫をして、排気ガスの高温に耐えるようにし、小径化されています。
お礼
ご教授ありがとうございます。
補足
>タービン部分の意味なら、高温に耐える金属材の開発 ナチスドイツが開発したBMWジェットエンジンはタービン翼の材質に問題がありアルテム・ミコヤンとミハエル・グレビッチはタービン翼の金属の組成を突き止めるため、イギリスとの通称協定を利用しロールス・ロイス製ジェットエンジンを購入し、工場見学に行ったとき靴に金属の削りかすをくっつけて金属を本国に持ち帰り金属の組成を突き止めたと紹介されています。現在はどのような金属で出来ているのでしょうか?
お礼
ありがとうございました。私のような人間にこれほど親切に解答頂いて大変感謝します。科学に興味を持つ方に更に救いの手を差し伸べてあげてください!