>法律に詳しい方にお聞きしたところ、「背景は分からないけど、Aという法律を改定したら、関連する法律Bや法律Cも改定となる、というのは良くあることです」
正しくその通りです。既存の法律を改正するには、その法律を改正する法律の制定が必要ですが、一つの法律で既存の複数の法律を改正したり廃止することは可能ですし、良く行われます。特に民法、刑法等の基本的な法律は、他の多くの法律によって準用されたりしますから、整合性を保つために、複数の法律を改正する必要が生じます。一つの法律で複数の法律を改正するのか、それとも、改正の対象となる法律ごとに、それに対応する改正する法律を制定するかは、あくまで立法技術上の問題であり、法解釈に影響を与えるものではありませんで、その点は気にする必要はありません。
ちなみに、平成二三年六月二四日法律第七四号は、「情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律」という名称がつけられています。法律案をご覧になると分かると思いますが、刑法のみならず、他の多くの法律も改正していることが分かると思います。しかも、例えば、「第二十二条 貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律(平成十五年法律第百三十六号)の一部を次のように改正する」というように、法律を改正する法律を一部改正するという立法方法をとっていますから、貸金業の規制等に関する法律及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律(平成十五年法律第百三十六号)を読まなければ、どこがどう変わったのか分かりません。
六法全書に載っている改正後の法律の法文は、読者が読みやすいように六法全書の編集者が、その法律を改正する法律の法文を読んで、改正の対象となる法律の法文を削ったり、加入したり、置き換えたりする編集作業が反映された結果を我々は読んでいるのです。
お礼
的確なご回答を頂き、ありがとうございます。 おかげで、上司を納得させることができました。 また、自分の勉強にもなりました。