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電気自動車に使用されているモータの技術
こんにちは、 どのような工夫をされたモータが使用されているのでしょうか?
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>1,同期電動機(SM)とか、誘導モータ(IM)とか、難解な呼び方をしてますが、同期電動機(SM)と >誘導モータ(IM)の違いは、ボディー側を固定子(電磁石)とすると、 >回転子が永久磁石の場合がSMであり、 >回転子が(磁性を帯びていない)鉄の円盤(通常かご形)の場合がIMと考えて良いのでしょうか? はい,その理解でOkです。 SM(シンクロナスモータ,同期モータ)の作り方として,回転子は永久磁石の他,直流電流を流す電磁石にする場合もあります。動作から言うと,固定子の磁界に常に「同期して」同じ速度で回るモータが同期モータです。 IM(インダクションモータ,誘導モータ)の回転子は,鉄心にかご形巻線を埋めた構造です。 動作から言うと,電磁誘導により回転子に発電した電流を流すので,回転磁界よりもやや遅い速度で機械的に回転しています。これを「すべり」と呼びます。 >2,永久磁石型同期電動機(PMSM)を使用すれば、減速機が不要になると聞いたことがあるのですが、 極数を多く扁平に作った永久磁石同期機で,減速機を省いてダイレクドライブにするやり方はあります。 ただし,トルクを要求されるとモータの寸法が大きくなるので,小トルク・高速モータ+減速機の組み合わせと比べる必要はあります。 >3,同期電動機(SM)は、うまく制御すれば、力率を“1”にすることも可能なのでしょうか? はい。誘導モータの場合,磁束を作る電流(励磁電流)を固定子側から供給する必要があるため,必然的に力率が遅れになります。 同期モータの場合,界磁磁石がすでに磁束を作っているので,固定子電圧をこの磁束とつりあう大きさにすると,力率1にすることができます。
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- FT56F001
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モータ本体の原理や構造,モータの材料(鉄心用電磁鋼板や永久磁石材料),モータ駆動系(インバータおよび制御系),機械的伝達機構(ギアまたは直接駆動)などと,それぞれの分野で技術が進んでいます。質問者さんの興味に合わせて,検索調査していただくべきでしょう。 全くの初心者向けに,モータ技術に関する大雑把な流れを申し上げます(一部私見)。 従来,自動車のような可変速の用途には「直流モータ」が使用されていました。 直流モータは特性的には優れているものの,整流子とブラシという,メカ的精度を要求される上に, メンテナス時に交換が必要な部品を含んでいました。これを打開したのが,インバータと交流モータの組み合わせです。誘導機あるいは同期機という交流モータと,必要な周波数の交流を発生するインバータの組み合わせが主流になり,ここ20年くらいでモータの世界は サマ変わりしました。 直流モータは,模型用等の小型モータの世界ではまだ活躍していますが,大きな直流モータはもう生産されていません。整流子は「芸術品」と言えるワザの詰まったメカですが,技術を持った人達が退職した後,再び作られることはないでしょう。 残された問題として,交流機の部分を,誘導機にするか,永久磁石同期機にするか,リラクタンス同期機にするか,という選択があります。 誘導機は,堅牢な構造のため産業用など広く使われていますが,回転子に電磁誘導で電流を流す原理のため,力率が悪く,二次銅損の損失を覚悟しなければならない宿命を持っています。 永久磁石同期機は,永久磁石により磁束を発生する構造のため,誘導機に比べて力率と効率は改善されます。ただし,現在使用されている強力な永久磁石には,希土類金属(レアメタル)が使われています。レアメタルが安定に使えるのかは,国際政治に絡む難しい問題と絡んでいます。 リラクタンス形同期機となると,誘導機と似た程度に力率も悪いので,選択としては悩ましいところです。
補足
詳しいご説明ありがとうございます。 更に以下を教えて下さい。 1, 同期電動機(SM)とか、誘導モータ(IM)とか、難解な呼び方をしてますが、同期電動機(SM)と誘導モータ(IM)の違いは、ボディー側を固定子(電磁石)とすると、回転子が永久磁石の場合がIMであり、回転子が(磁性を帯びていない)鉄の円盤(通常かご形)の場合がIMと考えて良いのでしょうか? 2, 永久磁石型同期電動機(PMSM)を使用すれば、減速機が不要になると聞いたことがあるのですが、どうしてでしょうか? 3, 同期電動機(SM)は、うまく制御すれば、力率を“1”にすることも可能なのでしょうか?
お礼
ご丁寧な回答有難うございます。 >はい,その理解でOkです。 >SM(シンクロナスモータ,同期モータ)の作り方として,回転子は永久磁石の他,直流電流を流す電磁石にする場合もあります。 >動作から言うと,固定子の磁界に常に「同期して」同じ速度で回るモータが同期モータです。 >IM(インダクションモータ,誘導モータ)の回転子は,鉄心にかご形巻線を埋めた構造です。 >動作から言うと,電磁誘導により回転子に発電した電流を流すので,回転磁界よりもやや遅い速度で機械的に回転しています。 >これを「すべり」と呼びます。 了解致しました。特にIMの説明には、円盤の絵があってアラゴの円盤とか、渦電流で、フレミングの左手で何とかかんとかの説明が 出てくるのですが、あの説明は必要なのでしょうか?間違いではないでしょうが、簡単なことを難解に言っているだけのような気がします。 今回の話には直接関係ないですが、電磁誘導の説明もそのような気がします。結局は電子と光子の2つの粒子の相互作用だけの話なのに、 説明に「磁」が入って訳のわからない説明が反乱しているような気がします。 >極数を多く扁平に作った永久磁石同期機で,減速機を省いてダイレクドライブにするやり方はあります。 >ただし,トルクを要求されるとモータの寸法が大きくなるので,小トルク・高速モータ+減速機の組み合わせと比べる必要はあります。 >はい。誘導モータの場合,磁束を作る電流(励磁電流)を固定子側から供給する必要があるため,必然的に力率が遅れになります。 >同期モータの場合,界磁磁石がすでに磁束を作っているので,固定子電圧をこの磁束とつりあう大きさにすると,力率1にすることができます。 よくわかりました。ありがとうございました。