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原理、性質とはなんですか?

noname#175206の回答

noname#175206
noname#175206
回答No.16

 別の方面から、自然科学での多数派といってもいい、素朴な還元主義について、ご説明申し上げたほうがいいかもしれません。とはいえ、原理とかの意味をお尋ねですので、理学に絞ったほうが良さそうです。  生物は、生命体という極めて複雑な物を扱う学問なので、説明用サンプルとして不向きなのでパスです。  地学も同様に、地球物理学ですから、物理学に比べるとはるかに複雑なもの全体を扱っていて、やはり不向きなのでパスです。  化学は、理学の中では産業分野にとって、重要な結果を求める傾向があるし、それはもともと錬金術の思わぬ実用的産物を作り出してきたため。うーん、実学に近い立ち位置は不向きそうなのでパスです。  物理学は、実は一番物事を記述できていない癖に、「世の中は全て物理法則に従っている」なんて嘯く理屈屋。数学は自然科学でない以上、こいつだ。物理学を例にしよう。  さて、質問者様は物理屋さんが、ばたばたしてる様子をご存じ化のような表現を用いておられますので、借用します。 >そうなるのはなぜ?→~だから。→じゃあそれはなぜ?→~だから。→そんでそれはなぜ?→……  これですね。「そうなるのはなぜ?→~だから。」の繰り返し。ここで大事なのは、一つの「そうなるのはなぜ?」に対して、複数の「~だから。」が対応するところです。  どういうことか、地表付近で物が自由落下することを例に取りましょう。  最初は、誰もそういうことに興味を持っていなかったかもしれません。知られている限りで、物が落ちることに興味を抱いたのは、歴史上では古代ギリシアです。  彼らは、観測から入りました。風さえなければ(ここ、意外に大事)、鳥の羽根のような軽い物でも、鉛のような重い物でも、とにかく地面に向かう。これは簡単に理解した、というより物心ついたときから知っていた。  大事なのは、ここで「じゃあ、落ち方はどうなのか?」という疑問を抱いたことですね。観察すると、鳥の羽根より、鉛の玉のほうが速く落ちる。いろいろな重さの物で試してみて、「重い物ほど速く落ちる」という観測事実を見出した。  残念ながら、彼ら古代ギリシアの物理屋さんの祖先はここで満足してしまった。これが彼らにとって「落下の原理」になってしまった。一つの現象に一つの理由。これは、まだ自然科学の素朴な還元主義に至っていません。  ずっとこれに誰も疑問を抱かなかったけど、ガリレオはやっと、「本当にそうだろうか?」と疑問を抱いて検証する気を起こした。伝説では、ピサの斜塔から、大きさが同じの鉛玉と樫の木玉を落としたことになっていますが、実際は坂道を転がして観察したとも、振り子から気が付いたとも諸説あります。  ともかく、彼は充分重ければ重さに関係なく、自由落下する速さは同じだ、という結論に至ります。かつ、落ちる距離は落下所要時間の2乗に比例まで気が付きました。実はこれで、地表での自由落下の半分まで来ただけです。  ガリレオ自身が気が付いたのかどうか不明ですが、じゃあ羽根のように軽いものは何故ゆっくり落ちるのかについては、空気抵抗だと気が付いた人がいて、結局、地表での落下は、基本は同じ速さで落ちようとするが、空気抵抗抵抗も加味すると、軽い物は空気抵抗の影響が大きくてゆっくりになる、となりました。  そして、「じゃあ、空気を無視した落ち方と、空気が与える抵抗=風の力に分けて、考えよう」となりました。  これが、おそらくは物理学が素朴な還元主義を採用した最初の事例です。地表での物体落下について、空気を無視した、つまり真空を仮定した落下現象と、空気だけに注目した、つまり風の力だけに注目した現象、この二つに分けて別々に研究し、分かった結果を持ち寄って、再び一つにくみ上げ直して理解してみようということになったのです。  地表での物体落下について、やがては、ニュートンによって完成するニュートン力学(真空を仮定することを多用)と、それに学びつつ流体力学に分かれて行きます。  地表での物体落下現象に絞って説明しますと、ニュートン力学では、真空の3次元空間での物体の動きなどを数式化、流体力学では風速による物体の力の受け方の変化などを調べ上げて数式化しました。  両者の組み合わせ方を検討したところ、幸運なことに、両者の数式を単純に足し算すれば良いと分かりました。もちろん、実験結果と合うためにそうしたのです。実験する前には、組み合わせ方は分かっていませんでした。  こうして、地表での物体落下という一つの現象は、二つに分けて調べられ、再び一つに組み直して理解することができるようになりました。しかも、数式で。  これについて「別にそんな面倒なことしなくても、重さ別に観測して、いきなり式作ればいいじゃん」と言う人もいます。しかしそれは、二つに分けて理解し、一つに組み直す手間をかけた理解に劣るのです。  一つをいきなり定式化したら、それは地球のある標高という限定した条件でしか使えない式です。  一つを二つに分けて、それぞれ分かった後、一つに組み直した式は、重力の強さや、空気の密度を変えても、正確に落下現象を、実際に実験するまでもなく「予測」できる能力を持っています。  ある物理現象を、まとめて眺めて分からないなら分けてみる、分けてみて考えて、まだ分からなかったら、分けたものをまた分けてみて考える。こうして、分かるまで分けて行きます。一つ一つが、まあ実用上でしょうか、充分分かったといえる状態まで分けて考える。そして、たくさんの小さい分かった物が手に入る。  実は分かった気がしても、まだ分けられるなら、分けるのですけどね。ともかく、これ以上分けられないところまで突き進みます。そして、更に多数の、もう分けられない物が手に入ります。これで、分解は終了です。  今度は、来た道を正確に戻りながら、くみ上げ直して行く。もとの物理現象に組み上がるまで丹念にくみ上げ直して行く。そうして「これで分かった」と宣言します。  これが、素朴な還元主義で、基本的に自然科学は、そこまでやります。「これ以上分けられない」もので、汎用性があり、物理学にとって有益であれば、原理の候補となり、吟味の末、合格となれば原理として採用されます。これが、現在約50あるわけです。 ですので、引用させていただいた分は、自然科学の半分を言い当てています。補完すると、以下のような作業が、引用の作業のあとに行われます。 だからこうなのだ!(単数)←こうだから(複数)←こうだから(複数)←こうだから(複数)←……←もしかすると原理(複数)

colum
質問者

お礼

ありがとうございます。 >もう分けられない物が手に入ります。これで、分解は終了です。 これは今ある原理は誰がどう考えてもそうに違いない、と確定している状態なのですか? それとも、未だにまだ分解できるだろ、と研究を続けている人もいるのでしょうか? >だからこうなのだ!(単数)←こうだから(複数)←こうだから(複数)←こうだから(複数)←……←もしかすると原理(複数) ということは、歴史上は定理よりも原理のほうが先に確立された、ということですか? ある法則が発見されても、その原理たるものが証明され、その上でその原理でもって導かれることを確認されないといけないのですか?

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