剰余価値説への基本的疑問

このQ&Aのポイント
  • マルクス経済学などの剰余価値説には、「資本蓄積ができない」という疑問があります。
  • 労働者は必要労働分しか賃金をもらわないため、剰余生産分は売れ残り、換金されず、資本蓄積ができないということが指摘されます。
  • しかし、資本蓄積は大企業の内部留保などの実態を考えると実現可能であり、理論的な説明が求められます。
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「剰余価値説」への基本的疑問

 マルクス経済学などの剰余価値説では,「資本家は労働者から労働力を買い入れ,必要労働分だけ賃金を支払う。剰余労働により生産された商品(剰余生産物・剰余価値)により資本家は資本蓄積を行い,拡大再生産する」と述べていると思います。  しかし,「資本蓄積」を行うには,剰余生産物を換金しないといけませんが,社会の大多数を占める労働者は必要労働分しか賃金をもらっていないのだから,剰余生産分は必然的に売れ残り,換金されず,結局資本蓄積はできないということにならないでしょうか?サヨクの先生方は,「特に小泉改革後,搾取があまりに激しすぎて,資本蓄積の前提条件までも掘り崩している」とか言いますが,前提条件なるものは一体何なのでしょうか?  もちろん「資本蓄積が幻想」などということが空論であることは大企業の内部留保の実態を見れば分かりますが,「資本蓄積」なるものを理論的にどう説明すればいいのでしょうか?  明快なご回答をお待ちしております。

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  • fujic-1990
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回答No.1

私は学生時代、マルクス経済をかじろうとしたものの、「共産主義は独占資本主義の遺産の上に成り立つ」と書いているらしい(つまり、共産主義は新しい富や労働観、労働習慣などを作り出せない、と言っているようなものだ)と知り、がっかりしてかじるのを止めた人間ですので、知識はありません。  が、質問者さんがお書きの文章のみを前提として考えますと、おそらく、左翼の先生方は『労働者は必要労働分しか賃金をもらっていない』という認識が間違っているのだ、と言われるのではないでしょうか。  あの人たちの理解では、おそらく労働者とはじぶんが労働した分以上の分配を受けるべき者たちなのです。  例えば労働者は10円分働く、企業はそれを使って15円得る(5円は利益)、労働者は自分が働いた分10円と3円、計13円の分配(給料として)をもらうべきものである、と。  彼らの理解によれば、労働者とは、そうやって、これまで労働分を越えた賃金をもらってきた人たちなのです。  しかし、自分がした労働以上の分配を受けるには、会社などの企業が儲けなければなりません。  ところが、小泉改革以来、国(自治体)が会社などから(重課税!重料金!等々により)過激に搾取する、あるいは過激搾取を予感させるので、分配に回す資金がなくなくなりました。  例えば、今や労働者が10円分働く、企業はそれを使って9円しか得られない、労働者は働いた分の10円さえ受け取れない状態だ、と言いたいのではないでしょうか。  とすると、「資本蓄積の前提条件」とは、「企業が、労働者の労働分以上のカネを得ること・儲けること」となります。  べつな言い方をしますと、  左翼先生がたの意味する『資本蓄積の前提条件』なるものが本当は何なのか判りませんが、質問者さんがお書きのように『資本家は資本蓄積を行』うのだ(労働者が資本蓄積するのではない)とすると、  小泉改革後、労働者から資本家が激しく搾取するようになったのなら、資本蓄積は激しく行われたはずですので、小泉改革以後の激しい搾取が資本蓄積の前提条件を「掘り崩している」ことにはなりません、よね。  むしろ、「資本蓄積の前提条件」を強固にしている、とさえ言えるはずです。  ところが『掘り崩している』と言っているわけですから、左翼先生が言っている『資本蓄積の前提条件』という言葉は、「労働者からの資本家の搾取」関係ではないのです。  ほかに搾取する存在としては国家(地方自治体を含む)権力以外にはありません。また、労働者は資本蓄積とは無関係らしいので除外すると、搾取されるものは、企業・資本家以外ありません。  ですから、「国家等による企業・資本家からの搾取」の意味だとして理解するほか、ないのです。  国家等が企業から搾取して、それによって掘り崩されたものは・・・ 「労働者への分配に当てられるほどの資金回収、利益の獲得」でしょう。  というわけで、「特に小泉改革後,搾取があまりに激しすぎて,資本蓄積の前提条件までも掘り崩している」とは、  「特に小泉改革後,国家等による企業・資本家に対する搾取があまりに激しすぎて,企業・資本家は労働者への分配に当てられるほどの資金回収、利益の獲得さえできない状態になっている」  という意味であろうと思われます。  また、それが私の会社経営実感に合致するものですから、私的には「明快」であり、あえて回答させてもらいました。  「資本蓄積」なるものの説明もお求めですが、こちらは、自分的にも明快ではないので、回答はできません。 m(_ _)m

17891917
質問者

お礼

さっそくのご回答ありがとうございます。 「私の会社経営実感に合致するものですから、私的には「明快」であり、あえて回答させてもらいました」とのことですが,小泉・竹中改革では,中小企業や中間層以下からは「搾り取る」かわりに大金持ちや大企業は優遇して日本経済を活性化しようとしたようです。 回答者様は「中小」企業」経営者の方ですか?経営者は,多くの従業員の生活を預かっておられ,大変な責任を伴うと思います。 私の現在の理解では,サヨク教授たちは,労働者に対する搾取があまりに激しいと,彼らが十分に生産物(商品)を買うことが出来ないから,資本蓄積の前提たる生産物の換金可能性(生産物の資本への転換)ができなくなるということを言いたいのではないかと思うのですが,私がわからないのは,そんなこと言う以前に,そもそも資本主義の下では必要労働分しか賃金を支払わないのだから,剰余生産物は労働者によって買い取られることなく,したがって資本に転換することはないのではないかということです。剰余生産物が資本に転換できなければ,資本蓄積はできませんから。 どうもありがとうございました。

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