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ダイポールアンテナの電流、電圧の分布

標準的な半波長ダイポールアンテナのエレメント上の、電流と電圧の分布について質問します。 この電流と電圧は、よく電波の教科書では、エレメントの先端が電圧最大(電圧の腹)で、エレメントの真ん中が電流の最大になると説明されています。しかし、電圧、電流とも、交流ですので、振幅が時間により変化するはずです。なのになぜ、エレメント先端が電圧が最大、真ん中が電流最大といえるのでしょうか?電圧、電流はこれらの箇所では、時間的に変化しない?のでしょうか?

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  • tadys
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回答No.2

アンテナに定在波が生じるからです。 ダイポールアンテナは伝送線路の一種と考える事が出来ます。 アンテナの給電点から供給された電流はアンテナ線に沿って伝搬していきますが、アンテナの端に到達したときにはその先に伝搬する線が無いので電流がゼロになる必要が有ります。 電流をゼロにする為にこれを打ち消すような反射波が発生します。 電圧については2倍になる様な反射波が発生し給電点での電圧がゼロになります。 実際には電力の一部が空間に逃げだすのでゼロになるわけでは有りませんが。 これを理解するには伝送線路における定在波の発生を理解する必要が有ります。 TVアンテナに使用する同軸ケーブルの様に断面形状が一定で長さのある導体には特性インピーダンスと呼ばれるものが存在します。 またこのような性質を持つ電線を伝送線路と呼びます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E9%80%81%E7%B7%9A%E8%B7%AF ケーブルの損失が無く、長さが無限の場合に、このケーブルの1端から見た性質は普通の抵抗と同じように見えますが、長さが有限の場合は事情が異なります。 普通、ケーブルの線間の抵抗値を測れば無限大になるでしょう。 伝送線路の一端に変化する電圧を加えるとその変化は線路に沿って(その場での)光の速さで伝わっていきます。 これを進行波と呼びます。 電圧の変化には電流の変化が伴います。(マクスウエルの電磁方程式による) この時の電圧と電流の比が特性インピーダンスです。 進行波が線路の端に到達した時、端になにも接続されていない(オープン)時にはそこから先は無いので流れてきた電流の行き場が無くなり、今伝わってきた来た線路を逆流します。 これを反射波と言います。反射波は電流だけでなく、電圧も伴います。 伝送線路に伝送線路の特性インピーダンスに等しい内部抵抗を持つ交流電源をつなぎます。 この伝送線路の長さが有限で電源の反対側がオープン、この線路を電圧の変化が伝わる速さが交流電源の周期の1/4とします。 そうすると、線路の端で反射が生じます。 オープンの端では電流が流れないので、反射波は進行波の電流をゼロにするような状態で発生します。 その条件とは逆位相の電流です。 この逆位相の反射波が電源に到達した時はさらに1/4周期の時間が過ぎている為、源源から流れ出す電流とは同位相になり、電源から流れ出す電流は最初の電流の2倍になります。 ここで、線路のインピーダンスと電源のインピーダンスを等しいとした事を思い出してください。 電源の内部での電圧を2V、インピーダンスをどちらも1Ωとすると、電源からは電流1Aの進行波が流れだし、電源の出力端での進行波の電圧は1Vとなります。 ここに反射波が戻ってくるとその電流は1Aで進行波の電流と同位相なので電源の内部抵抗に流れる電流は2Aとなり、その電圧降下は2Vです。 この2Vは電源内部の電圧2Vを丁度打ち消す値なので、伝送線路の電源側の電圧はゼロになります。 これを電圧の立場から見ると逆位相の電圧が反射して電圧源からの電圧を打ち消したとする事が出来ます。 この条件で回路シミュレータである時刻から正弦波を伝送線路に加えた時の様子を見ると 線路の入力端の電圧は最初の半サイクルだけ電圧が生じ、それ以後の電圧はゼロになります。 入力端の電流は最初の半サイクルが過ぎた後に電流が2倍になります。 電圧と電流で動きが異なるのは不思議な気がしますが、交流回路では不思議な事では有りません。 インダクタンスやキャパシタンスでは電流と電圧で位相が90度異なります。 このような定在波を利用したアンテナを定在波アンテナと呼びます。 http://iu.kuma.u-tokai.ac.jp/ideguchi/emissionexp.pdf http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A 進行波を利用したアンテナも有ります。ロンビックアンテナが代表例です。 進行波アンテナの特徴は帯域が広い事です。 http://as76.net/ant/rhombic.php

RichardDD
質問者

お礼

なるほど、定在波が関係しているのですか。定在波については勉強不足につき、勉強します。かなり疑問が解決してきました。くわしいご説明ありがとうございました。

その他の回答 (1)

  • fjnobu
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回答No.1

電流・電圧ともに時間とともに変化します。それは間違いありません。 ところが、ある点に注目してその点の電圧又は電流を測定します。 すると、その点は正弦波で振動していますが、そこに振幅が有りますね。 そして、別の点を考えると、そこにも振幅が有ります。 その振幅の大きさをプロットしていくと大きくなる点があり、小さくなる点が有ります。 一番大きい点を原、小さい点を谷と言っています。 それで、半波長のダイポールだとその点が時間が経過しても移動しないのです。 だから、最大の点、最少の点があるのです。 これが、周波数と長さがずれると、腹も谷も移動して腹も谷も無くなります。

RichardDD
質問者

お礼

どうもありがとうございました。おっしゃるとおり、定在波が関係しているのですね。

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