- ベストアンサー
熱とは?
熱というのは分子の動きの度合いだと理解していますが、どこかに常温でも分子はお互いに音速以上の速さでてんでに動き回っており、その衝突でエネルギーが伝播されると聞きました。これを事実として、 1)なぜ(どんなメカニズムで)分子はそんなに早く動く(ける)のでしょうか?それは電子が核の周りを動くのはなぜかというような余り意味のない疑問なのでしょうか? 2)エネルギー保存の法則では、気体の中の分子同士の衝突は無視されているようです。分子同士は剛体なので衝突してもエネルギーが失われないのでしょうか?それとも衝突の頻度が少ないからでしょうか? すみません、ど素人なもので、出来れば数式を使わず説明願います。
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
> 熱というのは分子の動きの度合い そうですね。 > 常温でも分子はお互いに音速以上の速さでてんでに動き回っており 気体の場合ですか?だったら半分正しいです。 音速以上で飛んでいる分子もあれば、ほとんど動かない分子もあります。 空気の場合室温で、平均的な速さは450 m/sくらい(計算が合ってれば)になりました。 平均と言っても、単純な平均値では無く、ある速さの分子が何個あるかといった重みを考えた平均値です(遅い分子の方が数が多い)。 > 衝突でエネルギーが伝播される ええ、そうですね。 > なぜ(どんなメカニズムで)分子はそんなに早く動く(ける)のでしょうか? 軽いからです。軽いので室温程度のエネルギーでも十分速く動けます(気体の場合)。 液体や固体は、分子・原子同士の相互作用が強いので、ずっと動きにくいです(が、動くことは動きます。液体や固体の拡散という現象はちゃんとあります)。 > それは電子が核の周りを動くのはなぜかというような余り意味のない疑問なのでしょうか? この質問の方がよっぽど難しいですけどね。 まあこの表現は古典論ですけど、物質とは何かという根源的質問ですね。 > エネルギー保存の法則では、気体の中の分子同士の衝突は無視されているようです。 ええと、なぜそう思いましたか? どういう事象を想定しているのか分かりませんが、衝突が無視できるほど平均自由行程が長ければ衝突は無視できますが、それ以外は原則として無視できないと思いますよ。 ただ気体のエネルギーが保存されている場合(=他とエネルギーのやり取りが無い場合)、考える対象物によっては気体の影響を考えないということはあると思います(やり取りが無いから当たり前)。 > 分子同士は剛体なので 原子・分子が剛体球モデルで扱えるかどうかは一般論としてはNoです。 そう扱ってもそこそこ良い近似になるものもありますけど。 気体の分子同士が衝突(といっても室温程度だと、原子核同士がぶつかることはほとんど無く、電子雲同士の反発力でクーロン衝突する方が圧倒的に多い)したら、その分子間でエネルギーのやり取りをします。 例えば、断熱容器の中のガスの一部を加熱した後放置すれば、やがて容器内のガスの温度は均一になります。 これは、分子同士の衝突によりエネルギー緩和したためで、衝突は無視できません。 また、容器内のエネルギーは加熱終了後変化しませんからエネルギー保存されています。
その他の回答 (3)
- htms42
- ベストアンサー率47% (1120/2361)
1)空気の分子が音速以上の速さで動いていることが不思議なようですね。 でもこれは逆です。 空気中を振動が伝わるのが音だと言われています。 音源の振動が空気の密度に濃いところと薄いところを作ります。それが位置を変えています。 空気の分子が動くことによってそういう密度の濃いところ薄いところを作っているのですから分子の速さの方が濃淡の伝わる速さよりもはやいのです。ただ無関係ではありません。音速が300m/s付近にあれば空気の分子の速さは500m/s付近にあります。
お礼
ご回答ありがとうございます。 >でもこれは逆です 何が逆なのかわかりにくいですが、音速は分子の高速移動で実現するのだから、当然のことだという意味なのでしょうか? 確かに分子のレスポンスは音速を実現するのに寄与しているのでしょう。でもたとえば電気の伝導する速さは電子とは無関係だとされますし、この辺は理解が難しいですね。 音の伝達は空気の濃淡のパターンの伝達ですよね。単にそこにいて多少動いても、次にリレーしていくだけのような気もしますが、その動き(振動)がめっちゃはやいということなのでしょうか。 >無関係ではありません。音速が300m/s付近にあれば空気の分子の速さは500m/s付近にあります。 地上での標準状態ということなのでしょうね。上空ではずっと速いとのことですが、薄ければ速いのでしょうか。上空は寒いので分子の動きは遅いような気がします。
- 雪中庵(@psytex)
- ベストアンサー率21% (1064/5003)
(1) 熱線(赤外線)とは、輻射=運動エネルギーが独立した粒子 (エネルギーの最小単位=量子)として飛び出したり交換され たりしている状況です。 熱は、固体では分子振動、気体では分子の運動量(振動も含む) として伝えられる、微視的な運動エネルギーの総体です。 おっしゃる通り、我々の目にするものより分子が、分子より原子が、 原子より素粒子が、というように、原理的に遡るほどに運動速度は 大きくなっています。 それは、その回転や振動が、階層現象的な上位単位の静止状態 の性質(たとえば熱とか)として扱われる以上、当然です。 (2)エネルギー保存則でも、気体分子同士の衝突は無視されて いません。100%そのまま伝わって、減衰しないだけです。 そもそも、摩擦や抵抗によって「失われる運動エネルギー」は、 熱に変わる=巨視的運動量が、微視的運動に分散するだけ ですから、その「熱」が、さらに失われる事はありません。
お礼
あこがれのサイテックす様じきじきのご回答畏れ入ります。 ありがとうございます。 >熱線(赤外線)とは、輻射=運動エネルギーが独立した粒子 (エネルギーの最小単位=量子)として飛び出したり交換され たりしている状況です。 つまり、分子から量子が飛び出した反動として動き出すというイメージでしょうか。これならなんとなく分かります。それで別の分子に衝突して量子を貰ったり、交換したりするのでしょうか。 >原理的に遡るほどに運動速度は 大きくなっています。 それは、その回転や振動が、階層現象的な上位単位の静止状態 の性質(たとえば熱とか)として扱われる以上、当然です。 ここでぱっと直感的に”当然だ”と感じなければ科学者とはいえないのでしょう。うーむ もう少し修行します。 >気体分子同士の衝突は無視されて いません。100%そのまま伝わって、減衰しないだけです。 つまり、分子はやはりふつうの鋼球のようなものではなく、完全な剛体として考えられている様な気がするのです。 >巨視的運動量が、微視的運動に分散するだけ ですから、その「熱」が、さらに失われる事はありません。 結局どこかにまぎれこんで残っているということなのでしょうね。風船の中の気体のエントロピーは内部では消耗しないというのがよくわからなかったのですが。
>なぜ(どんなメカニズムで)分子はそんなに早く動く(ける)のでしょうか? うーん。理由はないんですよね。なお、熱は分子が飛び回るだけでなく、例えば水分子の水素と酸素の結合が伸縮振動したり二つの水素の角度が変わったりしますし(赤外線の領域で見えます)、くるくる回転したり(電子レンジはこれを促進して熱を与えています)しております。(電子レンジは日本語で英語では正しくマイクロ波オーブンと呼びます) >気体の中の分子同士の衝突は無視されている うーん。これも無視しているわけではなく、小さい分子だとぶつかる前後に変化が見られないので重要視しないだけなんですが。 複雑な分子の場合は反応が起きちゃうので無視はできないのです。
お礼
ご回答ありがとうございます。 早く動ける理由はない、ということですね。 軽いものはちょっとした力でぴゅっと動きますから、分子などわずかな力でぶっとぶような気もします。 純粋なエネルギーが分子をぶっとばしているようですが、大体純粋なエネルギーと言うものが私には想像つきません、 >小さい分子だとぶつかる前後に変化が見られないので重要視しないだけなんですが。 ま、そういうことなのでしょうけれど、大きな分子なら変わってくるのですね。でも気体分子って大体が単純なものだと思います。
お礼
ご丁寧なご回答ありがとうございました。 全体として私の疑問が殆ど解けました。 ありがとうございました。 私の基本的な間違いは、分子ひとつひとつに熱エネルギーというものがひとしなみに(量子的に?)与えられて勝手に動き出すのかと思ったことです。おっしゃることを私なりに解釈すれば、そういうものはなく、分子の膨大なかたまり全体が集団内での平均的な運動エネルギーとしてのまとまったエネルギーを持った、それが熱といわれるものですね。ですから集団内では動きが少ない分子もあり個々ではばらばらだということですかね。 >> エネルギー保存の法則では、気体の中の分子同士の衝突は無視されているようです。 >なぜそう思いましたか? これはもういいのですが、つまり、気体の中心などでは分子どうしが頻繁にがっつんこして、反発力がやわなもの同士だったら次第に運動が干渉で緩衝されて失われ、結果的に冷え切っていくのではないか?そんな現象がないようなので、ぶつかってもまったくスピードを失わないのだろうとか思ったのです。原子核自体は極小なので衝突や干渉は気体内ではすかすかでそれほど起こらないのですね。また皆がみなフルスピードで走り回っているわけでもないのでしょうね。クーロン衝突ですか、分子の周囲の電気力が関係してくるのですね。これも反発力100%なのですね。 >断熱容器の中のガスの一部を加熱した後放置すれば、やがて容器内のガスの温度は均一になります。 これは、分子同士の衝突によりエネルギー緩和したためで、衝突は無視できません。 また、容器内のエネルギーは加熱終了後変化しませんからエネルギー保存されています。 均一になるということは理解できますが、熱エネルギーそのものは減らないということですね。 運動エネルギーとして分子全体が均一に動くようになったということと、”エネルギー緩和”とは同じ意味ですね。