複素積分
I1=∫[-∞,-∞]cos(a*x)/(x^2+b^2)dxを複素積分を使って求めます。
まず
∫[-∞,-∞]cos(a*x)/(x^2+b^2)dxの被積分関数の分子にi*sin(a*x)を
(iは虚数単位)を加えても加えた部分が奇関数でかわらないので加え
ると
∫[-∞,-∞]{cos(a*x)+i*sin(a*x)}/(x^2+b^2)dxとなります
するとI=∫[-∞,-∞]exp(i*a*x)/(x^2+b^2)dxです。
ここで複素積分
I=∫exp(i*a*z)/(z^2+b^2)dz (積分路は実軸と虚軸の正の部分を通る
反時計回りの半径Rの半円)
またI2=∫exp(i*a*z)/(z^2+b^2)dz (積分路は虚軸の正の部分のみを通
る反時計回りの半径Rの半円)を考えるとRが十分大きいとき
I=I1+I2・・・(1)になります。
Iは留数定理よりI=2*π*i*Res[f,i*b]=π*exp(-a*b)/b・・・(2)
I2はz=R*exp(i*θ)とおき
I2=∫[0,π]exp(i*a*R*exp(i*θ))/(R*exp(i*θ)^2+b^2)dθ
=∫[0,π]exp(-a*R*sinθ+)*exp(i*a*R*cosθ)*i*R*exp(i*θ)/(R^2*exp
(2*i*θ)+b^2)dθ
三角不等式より
0<|I2|<∫[0,π]|exp(-a*R*sinθ+)*exp(i*a*R*cosθ)*i*R*exp(i*θ)|/|(R^2*exp(2*i*θ)+b^2)|dθ<π*R*exp(-a*R*sinθ)/|-R^2+b^2|・・・(3)
ここでsinθ >0よりでexp(-a*R*sinθ)<1なので
π*R*exp(-a*R*sinθ)/|-R^2+b^2|<π*R/|-R^2+b^2|となり
π*R/|-R^2+b^2|はR-->∞で0なので結局
|I2|-->0 なので(1)より
I1=π*exp(-a*b)/bが答えです。
これはわかるのですが、スタートで
i*sin(a*x)ではなく-i*sin(a*x)を加えても変わらないですよね?
そこで-i*sin(a*x)を加えて実際にやってみると
(2)の部分はπ*exp(a*b)/bに変わってしまい、また
(3)の部分はπ*R*exp(a*R*sinθ)/|-R^2+b^2|となってしまいこれでは
R-->∞で発散するように思えます。
どこがまちがっているのでしょうか
お礼
ありがとうございます!ご丁寧な説明で分かりました。 dx = dy/yで出てきた1/yが最終的に分子の指数部のマイナス1になるのですね! exp(x)→xの変換を考えたことでdx = dy/yのような変換ができなかったのが分からなかった原因みたいですね。 本当にありがとうございました。