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パリの「石」と景観の調和について

パリの景観を統一させている「石」について知りたいです。「石造り(ゴシック的)」の基調、統一はいつごろの政策からはじまったのでしょう?ちなみに、ベンヤミンの『パサージュ論』(3巻、36頁)をのぞくと、当時の時点では、依然として、ノートルダムの基調にあわせて「シテ島内」の範囲であったようです…(パリの「破壊」といわれた「大改造」の後、です)。 また、これらの石をどこから集めてくるのか、参考資料をさがしているのですが、情報が少ないような気がします。

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回答No.3

nokonoko_mama さん はじめまして お名前に牽かれて、よちよちお答えします パリの景観の原点を、時系列順に (1)1607年、建物の木製壁面の禁止(火災の懸念から) (2)1667年、建物の高さ制限(最大20m)、張り出し建築(encorbellement)の禁止      建物のプラスター壁面の義務化(前年1666年のロンドン大火災を受けて) (3)1780年代、建物の高さと道幅の関係を規定(当時のパリに衛生観念の発生で      道幅に見合った高さの建物を作り、都市全体としての通風を良化する狙い       つまり、澱んだ空気が、疫病を運ぶと同時の医者が信じていたから)      更に、セーヌ川に架かっていた橋に5階建ての建物全てが1786年に全て除去      これは、通風と都市景観の美化といわれている      (例:道幅10m以上で、最大18mの建物建築)      面白いのは、その屋上に建物の最大高18mから仰角45度の範囲で      屋根裏部屋の建設が可能、ここに、地方からの人々が住むようになる    (3)1850年、初めて、建物の正面への規制 それは各区画毎の同一の街路に面している      各建物は、そのバルコニーの水平ライン、各階の水平ラインを揃える義務      更に、幹線街路であれば、建物の表面に面を揃えた切り出し石(pierre de taille)      利用の推奨化(この切り出し石は高さにより、grand(35cm以上)、moyen      (20cm~35cm)とpetit(20cm以下)、大きさ同一の石利用も推奨と推量) (4)1884年、建物の高さ規制の明確化 ’59年に20m以上の街路で最大20mの建物を      道幅により、12mからその20mと明確化 さらに、45度の傾斜線規制を      道幅に対応する、円弧規制に変更された(ここにドーム型の屋根裏の出現) (5)1904年、出窓(oriel、乃至bow-window)の規制で、凡そ今日に至る 建築用の石に関して パリに大きな石切り場(Carrières)が嘗てあり、其処から 切り出された石を中心に、建物が建築されてきたといえるでしょう 各地の石にそれぞれ特徴(色や肌理の細かさなど)があり 建物によっては、地方産出の石を利用しています 例えば、白さに傑出しているPierre d'Euville(ウーヴィル石) (Meuse県-Lorraine地方)は、ガルニエのオペラ座・グランパレ・プチパレ アレキサンダー三世橋に利用されています どのように運んだかは、繋駕方式(馬を繋いで運搬)などです 例えば、こちらのサイトで、Pierre de Chauvigny(ショヴィニュ石) (Vienne県-Poitou地方)から、第一次大戦戦没者慰霊碑を作るべく Champagneへ、1922年に運搬している図版をご覧下さい http://www.chauvigny.fr/page.php?id=45 代表的なパリの二つの名称と写真を以下のサイトで Carrières Saint-Pierre de Gagny, région Ile-de-France http://wallace.morkitu.org/thumbnail.php?album=36 Carrières de Gravelle, région Ile-de-France http://kata.addict.free.fr/carriere%20gravelle.html その地中石切り場関連で、興味深いパリの裏面史があります パリに衛生観念がより強く普及しはじめの1700年代半ば、パリ中心 (レアール地区)に古くからの一般庶民の墓地(Cimetière des Innocents イノセント墓地)が、累計の共同埋葬者数が幾百万と増え続け土葬方式による 異臭(常に腐乱死体あり)が相当厳しくなり、転居を余儀なくされ 地中石切り場(le faubourg de la Tombe-Issoire)跡に人骨を埋葬です それだけ、当時のパリの地下は、穴だらけとのことです 詳しくはこちらのサイトで、当時の図版をご覧下さい http://www.landrucimetieres.fr/spip/spip.php?article275 今回は、石に注目ですが、産業革命が展開するにつれ、フランス人により 1830年に開始されたレンガ作りの工業化も、同時に考察する価値がある 特にbrique jaune(黄色いレンガ)がちょっと見、石と見まごうばかりの出来で 開発された その結果より廉価で加工も容易で装飾性に富む建築物が普及開始です 長文になりましたので、ここで、よっこらしょと筆を擱きます。。。

noname#141911
質問者

お礼

はじめまして!ご返答いただきました情報に加え、知識の深さ(豊かさ)に圧巻です。パリはただでさえ、歴史が深くテーマも多様です。ピンポイントのご指導は、とても貴重で大変参考になりました。Web資料も「リアル」でありがたいです。頂いた情報が無駄にならないよう、自身の作業の参考にさせていただきます。感謝!

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その他の回答 (2)

  • tanuki4u
  • ベストアンサー率33% (2764/8360)
回答No.2

http://en.wikipedia.org/wiki/Mines_of_Paris 15世紀からはそれまでの 露天掘りから 地下を掘るようになったようです。 政策として始まったいうより、手近な石を使った。 その石は、パリ盆地がかつて海だったときに作られた均質の材料だった。 てなことのようです。 フランス語版のほうが詳しそうだが、フランス語は読めない。

noname#141911
質問者

お礼

おかげさまで、難題を解く「ヒント!」を得ることができました。(具体的に)これまで私の中で断片的だった情報が、頂いた「キーワード」(15世紀、地下堀り、地盤の石など)によってつながり、解明への「ポイント」を定めることができました、ありがとうございます!

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  • tanuki4u
  • ベストアンサー率33% (2764/8360)
回答No.1

自分のところの地下 http://www.kouchaguma.com/columns/francophile/souterrain.html いつの間にかパリの地底は石切場として穴だらけという状態になってし まった。 引用 http://blogs.yahoo.co.jp/matsui6520/12442012.html

noname#141911
質問者

お礼

「松井氏」(松井道明)のブログがあったなんて!今まで気づかなかったです。パリの「謎」解明のため、彼の資料を文献として利用しているのです。教えてくださり、ありがとうございました。「パリの石」を解くため、「地下世界」との視野を含め、早速、「ブログ」を拝見しながら問題を片付けようと思います。

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