累積100ミリシーベルトを被爆した人への職業制限

質問

厚生労働省が、福島原発の事故の対応で、累積100ミリシーベルトを
越えて被爆した従業員は、今後、5年間、原発での作業に従事させないように、
という通達を出したそうです。

福島原発のまわりに住んでいる場合はどうなるのでしょう？
まき散らされた放射性物質のセシウムについては、半減期が
30年ということですが、年間20ミリシーベルト以下であれば、
累積が100ミリシーベルトに達しても、原発のような放射線を
浴びやすい仕事に従事しなければ問題ない、ということなのでしょうか？
（100ミリシーベルトを被爆した時点で、まわりの環境によっては
引越ししなければならない、ということにはならない？）

または、年間20ミリシーベルト以下であれば、短期間に100ミリ
シーベルトを被爆するのではないために、特に仕事に制限を
設ける必要はないということでしょうか？
（原発での従事と、放射線治療への従事などとは、レベルが違う？）

まあ、日焼けも一度にするとひどいことになるので、回復するまでは
ヒリヒリと痛いので日光を当てないようにしますが、そういうことなのでしょうか？
（ダメージを受けた細胞が新しくなるサイクルとか、内部被爆の
ヨウ素の排泄されるサイクルを考慮して、短期間に浴びた場合は回復するまでの
期間を置かなければならない、ということなんでしょうか）

回答No.1

mdhcf960 · ベストアンサー

福島原発の周りに住んでいるひとは、職業的被曝以外の放射線をいくら被曝しても健康状態に異常がでない限り、全く職業上の制限はありません。職業上の被ばくの制限は、そういう仕事をしている人に配布される放射線被ばく手帳に記載された放射線管理区域内での累積被ばく線量によって管理されているため、その外でいくら被曝しても被ばく量による職業上の制約を受けることはありません。

放射線の被ばく量の制限には、被ばくのうちで自然放射線によるものと医療行為によるものを除くと但し書きがついています。福島原発周囲の一般住民の方が福島原発から出る放射能のせいでいくら被曝したとしても、それは放射線管理区域外での被ばくにあたりますので、法律上の扱いとしては「自然被ばく」に含まれます。

法律上の規制範囲内でも、被ばく量は少ない方が被ばくによる悪影響のリスクは少なくなると考えられるため、限度量一杯まで浴びても良いと考えるよりは、無用の被ばくは避けて極力少ない被ばく線量内に納めるように努力した方がいいと思われます。

最近良くテレビでもでてくるICRPの勧告では、原則として一般人の年間線量限度は１ミリシーベルト（正確には５年で５ミリシーベルト）とされています。

２０ミリシーベルト/年という数値は、今回福島原発事故の復興期間内に限って特例処置として定められた値で、一般人の累積被ばく量が100ミリシーベルトに達するなどということを想定したものではありません。
２０ミリシーベルト/年という値は、ICRPのコメントによると、放射線の安全性上の基準としては従来の１ミリシーベルト/年よりも緩いものではあるが、日本の被災者が強く故郷を思う気持ちを知ったICRPが特例措置として特別に認めたものであり、事態が改善した場合は可及的速やかにできるだけ従来の1ミリシーベルト/年に近付けるように最大の努力をすることという但し書きがついています。

お礼

ありがとうございます。

職業の制限は、”仕事により勤務時間内に被曝したもので、測定され記録された被曝量”を
基準にしているのですか。
これって、仕事をするときには、十分な防護対策（ヘパフィルターのような高性能な
防護マスクや、ゴーグル、防塵着、シャワーなど。そして、もちろん放射性物質の管理）を
取られているので、基本的には外部被爆なんだろうな。
（今は、緊急時なので、内部被爆された従業員の方も居られるようですが。）

20ミリシーベルト／年という数値が特例処置ということですと、
政府としては、”事態が収束するとは、東京電力のロードマップに従って作業を
進めたときに、炉の温度が下がって安定したとき”といっていたと思います。
そのときには、従来の1ミリシーベルト／年に戻すということかな。
少なくとも、戻すための努力（除染）をするということが行われてほしいものです。

今、行って欲しいのは、被爆を極力避けるための情報提供ですね。

福島県の下水の汚泥を処理したものが、高濃度の汚染をされていたそうですから、
場所によっては空中線量モニタリングの値よりも、もっと高い場所があるかもしれません。
まだ事態が収束したとは言えないので、放出されている放射性物質が風に乗って
どう運ばれているかを測定するためには、空中線量モニタリングが有効なのでしょうが...
他の土壌などのデータを早く.....

文部科学省、4月20日付けの”放射線量をただしく理解するために”、という、
”教育現場の皆様へ”向けた資料が公開されていますが、学校は理科の先生もいるんだから、
もう少し詳しくてもいいような気がします（幼稚園はいないか....）。
この資料では、学校での被爆に、給食による内部被爆がかかれていないので、
学校の給食には放射性物質の含まれていないものを出すんでしょうかね....

今回は非常事態なので、単に数値（年間1ミリシーベルト）というのを出すのではなく、
今まで明らかに危険だった状況と（チェルノブイリ小児甲状腺ガンなど）、
危険がはっきりとしない状況（他のガンの発生率は、原発従事者では、一般の環境での
発生率とは、はっきりとした差がない）、そして、あまり危険とは思われない状況
（ほとんどが外部被爆だろうけどブラジルの事例など）、分かっていないことや
データが極端に少ない事例を、詳しく場合分けして、情報提供するのも必要な気がしています。

（原発従事者のガン発症率の話は、防護対策が十分取られているとか、一日の勤務時間、
累積ではなく単位時間あたりの最大被曝量や、休日なども考慮して、さらに
比較対象は、単に一般の人ではなく、同じ年齢層や発がん性物質を受けやすい
業務の人等を除いてあるの？など、ちゃんとした比較ができているのか、
疑問に思っていますが...　)

このような気になる情報はいくらでも出てくるので、これくらいにしときます。
情報提供が洗脳になっちゃうかもしれないので、難しいところですね。