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夜逃げした会社の社長個人への求償
父親が小さいビルを持っているという、友人から質問を受けた話です。 彼の父親は、昨年の春頃、A社とビルの1室の賃貸契約を結びました。しばらくはA社の事業も順調にいっているようで、月々の賃料も欠かさず入金されていました。それが、昨年の秋を過ぎた頃から徐々に遅れるようになり、今年に入ったある日、A社はついに夜逃げをして、貸した部屋の中はもぬけの殻になっていました。 しばらくして、破産管財人からの連絡が来て、A社が破産を申請したことがわかったのですが、残余財産はほとんどなく、踏み倒された賃料はほとんど回収できないだろうということです。 さてこの場合ですが、代表取締役個人に対して賃料の請求はできないのでしょうか(居所が分かればですが)。 賃料を踏み倒して夜逃げをすれば賃貸人に損害を加えるのは自明ですから、社長に悪意ないし故意があったと考えざるを得ないのですが、そうすると商法266の3(第三者に対する責任)によって、連帯して損害賠償の責めに任ずるとなって、会社が免責を受けても、社長個人に請求できるのでは?なんて思ったんですが、いかがでしょうか? 詳しい方、ご教授ください。
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#2です。補足を読みました。週末はアクセスしなかったので遅くなりました。 ten-kaiさんが家主ではなかったんですね。失礼しました。質問文にお友達の話だと書いてありましたね。 >賃貸契約の締結時には支払能力があったものの、その後、予定された家賃の支払時期に支払えないことを容易に予見できたにもかかわらず、漫然契約解除の申し出もせず、 これを不法行為とするためには、「予定された家賃の支払時期に支払えない」だけでなく、 その後も払えない、つまり会社が破たんするという確実な見通しがあったと立証する必要が あると思います。 そもそも倒産会社の社長はみんな、倒産の寸前まで、希望があると信じて資金繰りに走り回り、 傷を大きくしてしまうものです。A社の社長が、何ヶ月も前から倒産させる予定でいたという 証拠がなければ、裁判所も「払えないとわかっていた」とは認定しないでしょう。 この程度のケースで、いちいち不法行為として社長に賠償責任を負わせてしまうと、倒産会社の 社長はほぼ例外なく、賠償債務で破産、ついでに刑務所行き、ということになりかねず、 社会的弊害が大きすぎると思います。 サラ金で多重債務に陥り、あちらから借りてこちらへ返すという悪あがきの揚げ句、 破産申請する人は大勢いますが、ほとんどの場合、断末魔のムチャな借り入れに関しても 免責が認められています。つまり「返す意思はあった」と見なされているわけです。 身勝手な理由でサラ金地獄に陥った人でさえ、こうなのですから、真剣に頑張った中小企業の 社長に賠償責任を負わせることは過酷でありバランスを欠く、と裁判官は判断するのでは ないでしょうか? だから、A社の社長に悪意があったという相当な証拠がない限り、難しいと思いますよ。 なお、 >貸した部屋の中はもぬけの殻 というのは、什器備品やごみなども片づけてあったという意味でしょうか? だった、社長には「粗大ごみなどを残して家主に迷惑をかけるのを避けた」という点では、誠意が 認められると思うのですが。 >食べている途中何気なく >「まあいいや」とカレーを食べ続け全て平らげました。そして逃げました。これって詐欺 このような例を挙げていらっしゃるところを見ると、「食べ終わってからお金がないことに 気づいて逃げた場合の無銭飲食は詐欺にならない」ことを、ten-kaiさんはご存知で いらっしゃるわけですね。 食べてから無一文だと知って逃げた場合は、詐欺罪の要件である「欺罔」がないので、 利益窃盗にしかならず、不可罰です。 さて、カレーを半分食べたところで気づいた場合、残り半皿分のカレーを詐取したことになるか・・・ う~ん、難しいですねぇ・・・詐取にはならないと思います。 カレーはすでに無銭男に交付されてしまっているからです。 あえていえば、占有離脱物横領に当たるかもしれませんが、詐欺にはならないでしょう。 でも、フルコースのディナーで、魚料理まで食べたところで気づいたら、肉料理やデザートは 詐取したことになるでしょうね。 いずれにせよ、この状況でA社社長を訴えても、勝訴の見込みは薄いように思うのですが・・・ ダメモトで請求なさるのはいいと思いますが、その場合には、社長に法的な弁済義務があると 誤認させるような文言や、強迫と受け取られかねないような文言は、使わないよう 注意なさってください。 私の説明ではご納得がいかないでしょうから、お友達には、弁護士に相談なさるよう 勧めてあげてください。30分5000円程度です。 ついでに、今後は各テナントが電気ガス会社等と直接契約して光熱費を支払うシステムに 変更なさるといいと思います。 工事費などがかかるのかもしれませんが、また悔しい思いをしないですみますよね。
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- bisromani
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>商法266の3(第三者に対する責任)によって、連帯して損害賠償の責めに任ずる 商法266条は、取締役として責務を果たさなかったため、会社自体や第三者に損害を与えたときに、 その損害を賠償しなければならないというものです。 会社の経営がまずく、不況に耐えられず倒産させてしまったとしても「悪意又は重大な過失」 があったとは言えません。 また、ten-kaiさんが夜逃げによって家賃を回収しそこねたとしても、夜逃げ行為それ自体が 損害を与えたとはいえません。 >夜逃げをすれば賃貸人に損害を加えるのは自明ですから、社長に悪意ないし故意があったと 「家賃を踏み倒した」ことについて悪意があったとはいえないと思います。最初から払わない つもりで借りたわけでなく、余儀ない事情によって滞納しただけですから。 というわけで、商法266条が加重する取締役の責任や、一般の損害賠償債務という意味で、 社長に賠償を求めることはできないでしょう。 >破産管財人がついたということは、社長の自己破産依頼を弁護士が受諾したということ 破産したのはA社の社長ではなく、法人としてのA社ですね? 管財人はA社の破産財団の 管財人という意味ですね? 会社が破産宣告を受けたからといって、社長が破産申請する必要はありません。社長はA社の 株主でしょうが、株式会社・有限会社の出資者は有限責任です。 つまり、会社自体の債務に関しては、弁済責任がないのです。 一般に「会社が潰れたら社長も破産」と思っている人が多いのは、中小企業の場合、金融機関から 融資を受ける際、社長が会社借り入れについて個人で連帯保証しないと、銀行が貸さないからです。 個人で保証契約を結んでいない限り、社長は会社の債務を支払う義務はありません。 なお、管財人から連絡が来たというのは、A社が未払い家賃を自社の債務としてちゃんと届け出た ことを意味します。 債権者集会は、欠席したからといって不利な扱いにはならないし、行く意味はないでしょう。 さて、A社を入居させる際、ten-kaiさんは保証人を要求なさいましたか? もし社長が、A社の家賃に関して個人として保証人になっていれば、当然、社長に対して 未払い家賃を請求できます。 保証契約がない場合、A社の破産管財人に対して債権を届け出て、破産配当を受けられますが、 「残余財産はほとんどない」とのことですから、数%ぐらい回収できればラッキー、と 覚悟しておいたほうがいいと思います。 債権の届け出に関する書類一式は、管財人から受け取ったと思います。 必ず期日までに届けてください。届け出にかかる費用は郵送の切手代だけです。 回収できずに終わった分は、業務上の損失の場合、特別損失として利益から控除できます。
- jiromeijin
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破産管財人がついたということは、社長の自己破産依頼を弁護士が受諾したということで、会社も代表である社長も全ての財産を提供して弁済にあたるという事です。その上で「残余財産がない」ということだと思います。ただし、その友人の父に管財人から連絡がきたという事は、何らかの形で取引がある事がわかっているからで、ダメ元で債権(家賃)の総額を管財人に報告(請求?)しておくことです。つまり、会社も個人も一緒なので「社長個人への請求および弁済」というのはできないというか不可能です。
補足
勘違いされていらっしゃいますが、私はビルの所有者ではありません。そんなこともあって話が小出しになってしまって申し訳ない部分も多少あります。 >最初から払わないつもりで借りたわけでなく、余儀ない事情によって滞納しただけですから。 ちょっと例え話をします。甲氏が食堂に入ってカレーを頼みました。食べている途中何気なくポケットをさぐると、あるはずの財布がありません。代金が払えません。にもかかわらず、代金を払う能力がないことを知りながら「まあいいや」とカレーを食べ続け全て平らげました。そして逃げました。これって詐欺にあたるんじゃないかと思ったんです。 そうすると、賃貸契約の締結時には支払能力があったものの、その後、予定された家賃の支払時期に支払えないことを容易に予見できたにもかかわらず、漫然契約解除の申し出もせず、また光熱水道費を新たに発生させ(電気代等は一旦ビルの所有者が払い、のちにテナントから徴収するシステム)、のみならず、支払を逃れるために、使用者に夜逃げを指示・実行(少なくとも信義則上の義務違反ですよね)したことは、忠実義務違反、善管注意義務違反、使用人に対する監督義務違反であって、且つビル所有者に財産上の損害を与えていると考えたのですが如何でしょうか。 ちなみに、社長個人が保証人になっていないからこそ、困っているのでした。