これら完全犯罪の案は法的にはどうなるのでしょうか？

質問

はじめに、以下の案件は何れも私が連載中のとあるネット小説で使おうかと思案中のモノで、現実世界で実行する気は一切ありません　（あくまで誤解の無いように）。　以下の二つのシナリオにおいて、いわゆる「完全犯罪」が成立するのではないかと思うのですが、こういった状況下で現実的にはどうなるのか、法的知識のある方から意見を伺いたいです。　よろしくお願いします。

【一】　ひき逃げ殺人

(1)　「公園の駐車場にとめておいた車を何者かに盗まれた」と持ち主が警察に盗難届けを提出。
(2)　(1)の三時間後、持ち主自ら盗難届けを出した車に乗車。　マスク（顔全体を覆うタイプ）・サングラス・手袋（任意）を着用。
(3)　歩行者が多めの市街地に行き、以前より始末しようと思っていた人物（ターゲット）を発見。　堂々とひき殺し、そのままアクセルを床に叩きつけ逃走。
(4)　盗難届けを事前に出しておいたその車を(3)の現場から離れた、少々目立つ場所に放置し徒歩で逃走。
(5)　数時間後その車を警察が発見。　(3)の時点で目撃者が写した携帯電話の画像からひき逃げに利用されたのも同じ車だという事実が判明。　警察は持ち主をひき逃げの重要参考人として連行。
(6)　この時点で「私の車を奪った者の犯行だ。　私は被害者だ」と持ち主が主張。

非現実的な考えだとは存じております。　しかし、この場合、持ち主が罪に問われる事があるのでしょうか？　他に証拠が見つからない限り、架空の犯人の仕業と断定され何れ時効になるのでは？

【二】　覗き

(1)　脱衣所の入り口が従業員らから見えない位置にある銭湯に身を運ぶ　（入り口でカウンターを通過すると奥に扉があり、そこを抜けると向かい合わせに男湯・女湯の各入り口があるとする）
(2)　周りに他の客、ならびに従業員がいない事を確認し、意図的に脱衣所の入り口にある「のれん」を入れ替える　（手袋着用）。
(3)　「男湯」（実際にはは女湯）の脱衣所へ堂々と入っていく。　この時点で脱衣所には誰も客がいないものとする。　脱衣所と浴室は不透明の扉で仕切られているものとする。
(4)　裸になり、堂々と浴室に入っていく。　中にいた大勢の女性客が叫び、男めがけて桶などを投げてくる。　無論、女性従業員らが駆け付け、男を警察に突き出す。
(5)　男は「ここに来るのは初めてで【のれん】には【男湯】と書いてあった」と弁解。

この場合はどうなるのでしょうか？

回答No.17

kumap2010

>当然、全員会場に来ている事になります。　ここで重要なのは所員の合計は軽く100人を越えている点です。

会場に何人いようと現場には他の人間が入った形跡が無いわけですから、
そのパーティーのそのサーチライト祝いを考案した人が犯人である可能性が圧倒的に高いわけです。

他の１００人には任意聴取だけで十分です。

「誰が提案したパーティーだったのか？」
「所長を隣ビルに連れて行ったのは誰だったのか？」
「サーチライトのネタを知っていたか？知っているとしたら誰から聞いたか？」

すぐに数人に絞られるでしょう。

村沢など部外者の犯行についてはすぐ排除されると思います。
なぜなら内部以外の人間には「所長がその部屋に入った瞬間」はわからないですから、
固定時間式爆弾でも遠隔スイッチ式爆弾でも所長を確実に殺すことは困難です。

さっきの銀座クラブの事件と一緒ですね。
そこまでの用意をしてそんな不確実な狙い方をすることは考えにくいです。

とりあえず圧倒的に怪しいのは所長を連れて行った牧園ですので、牧園に逮捕状や捜査令状が出るでしょう。

細かく言うと、おそらく現場には牧園の「走った痕」が残っていると思います。
所長を部屋に入れた後、爆発することがわかってますから急いで離れようとしますよね。
サプライズならダッシュする必要はありませんから不自然です。

そして牧園の家から火薬類の反応が出なければ共犯の可能性大。
もともと疑わしかった他の数人から、特に事件前に牧園と連絡を頻繁に取っていた人間を通話記録から特定。
家宅捜索してもう一人か二人逮捕。

後は誰かが自白するでしょう。
集団犯行の場合、１人でも捕まった時点で共犯者を自白してしまうことが多いです。
自白しないことで後でもしわかったら罪が重くなりますから、どちらにしても自分は有罪確実だということを考えたら自白したほうが得だという心理があるからです。

お礼

なるほどなるほど。　説明してくださって感謝にたえません。　またもやありがとうございます。

＞他の１００人には任意聴取だけで十分です。

今回の殺人は全員の強い願望（所長を葬りたい）に基いて実行している事になるので、安易に誰か一人が裏切る事はないと仮定して行動しても不自然ではないでしょう。
現場付近に堂々と待機し、堂々と所長をエスコートしているので警察に疑われる事は事前に皆、わかってる事になります。
取調べに対し、全員で黙秘し続ければ他の証拠が挙がらず、何れ全員釈放・時効になるのでは？

ここでエスコートなどに携わった人間のみが引き続き怪しまれるということならば、上記のように堂々とではなく、ファッショナブルなマスク（コスチュームパーティーなどで使う物）を着用してエスコートすればそれだけで外野から誰がエスコートしたのかを特定できなくなり、絞り込めなくなります。　

爆弾も時限ではなく遠隔操作式で会場の中央に堂々と設置。　実際にサーチライトを作動させ、メッセージを表示して近くに所長を誘導すれば、爆発の衝撃をまともに受けるのでさほど大きくない爆弾でも葬れます。

これで完璧ではないでしょうか？　

さらに必要ならば事前に他の犯人を用意しておけば……

(1)　清秋（ライバル企業）のとある課長（大島）に公衆電話から連絡。　部下の名を名乗り、振り込め詐欺の手口同様、「携帯を家に忘れてしまい…」とか「風邪気味で声がちょっと…」などと誤魔化す。
(2)　「○○の宮川（所長）さんから課長に伝言です。　今夜銀座のクラブ『ラフィオーレ』を貸切って、ママさんを含んで三人で秘密の商談がしたいとの事です」と伝える。
（課長を選ぶのは宮川と大島は同級生／友人というパイプがあり、相手がすぐに同意・鵜呑みにする可能性が高いから。　また、「秘密の商談＝個人的利益の可能性」という説も考え、他の誰にもこのコトを話さないと考えていいでしょう）
(3)　宮川を会場内にエスコートした後、予定時刻どおりに大島が会場前に到着したのを確認。
(4)　爆弾を遠隔作動。　宮川死亡。
(5)　目撃者らの証言から事件当時、現場付近に大島がいた事が判明。　ライバル企業という点から社の利益になると判断し殺した可能性を警察は想定。　重要参考人として大島を連行。
(6)　真犯人の牧園らは上記のように黙秘を保つ、もしくは「俺達は犯人では無い。　大島だ」と警察に吹き込んでもよし。
(7)　大島は「部下からの伝言に基いてあの場所にあの時間いた」と弁解。　宮川が死んだ以上、伝言内容の正当性を本人に確認する事は不可能だし、部下も牧園らが演じた偽者なので「知らない」としか答えようが無い。　これによって大島への疑いが強まるか部下が疑われるかの何れかになる。
(8)　(7)の時点で犯人像は黙秘している牧園らよりも怪しい言い分を主張している大島に傾いているため、何れ牧園たちは捜査対象から外される事になる。

完全犯罪成立。

今回のシナリオでも穴がまったく見当たらないのですが、私の目が節穴って事もありえますし。　しつこいのは存じてますが、どう意見を宜しくお願いします。