• ベストアンサー

西欧、近代歴史学の3つのキーワード・・・?

主にドイツの近代歴史学でしょうか。1・産業革命、2・ヒューマニズム、3・国民国家という3つのキーワードが近代歴史学の特徴だと知りましたが、これはどういう意味なのでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 歴史
  • 回答数5
  • ありがとう数8

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • tknaka
  • ベストアンサー率45% (225/491)
回答No.4

近代以前の歴史学は大きく三つに分類されます。 偉人の生活・偉業を対象とした伝記的なもの。国家の盛衰を対象とした一国史。特定の戦争などを対象とした事件史。 近代歴史学でも、こうした伝統はそのまま受け継がれています。その他、社会史や文化史など、「国民国家」の枠組みの中で、特定の部分に焦点を当てた研究が出てくることになります。 近代以前は国の歴史を書くにあたって、国民という認識はそれほど大きくありませんでした。国の歴史=政治の歴史であり、それは王家と貴族の絡み、戦争の歴史に過ぎなかったと言えます。その時点での国家は「国民国家」と呼べるものではなかったため、同じ一国史でありながら、「国民国家」の歴史ではないというだけのことです。近代以降、「国民」が社会の発展、国力の増大に大きな役割を果たしていくようになり、政治の歴史に過ぎなかった一国史に国民の動きが関係していくことになります。また、政治制度において議会選挙が行われるようになっていくと、政治にも参政権を持つ国民が反映されていくようになります。 つまり、「国民国家によって一国史が作られた」わけではなく、「一国史が書かれていくなかで国が国民国家になっていた」ということです。

w52sh-2007
質問者

お礼

ありがとうございます。 いろんな「一国史」があるのですね。

その他の回答 (4)

  • harumoumi
  • ベストアンサー率31% (21/67)
回答No.5

 tknakaさんの回答は勉強になります。 僕が発言したものは、近代の史実を辿ればこれらに行き着くと言う事であり、歴史学の特徴ではありませんね。 全くお恥ずかしい限りです・・・  市民が国民として政治参加するようになり、国の歴史を知る事はより重要なものとなって来ました。  自国の歴史を共有する事は、現在では国民同士を繋ぎ纏める上で大きな存在です。 歴史を正しく分析し理解する事、或いは教育する事は、国家や人間社会がより発展・進歩する上で、 また国家間の外交の上でも、必要かつ重要なものとなりました。 国民国家がキーワードになっているのは、そういった事かも知れませんね。  かの国では歪めた歴史認識を我が国民に押し付けようとしています。 今やそれだけ重要なものとなったといえるでしょう。  ある方がおっしゃっていましたが、 「日本の歴史を知らずして日本人に非ず。」と。 そういう意味で、歴史学がより発展してきたのかも知れません。  僕は詳細には詳しくないので(汗)全体的な概念しか言えません。 今更ながら不勉強を後悔しております。どうかお許しを・・・

w52sh-2007
質問者

お礼

ありがとうございます。 いえ、大変参考になりました。

  • tknaka
  • ベストアンサー率45% (225/491)
回答No.3

お礼どうもありがとうございました。どうやら「近代歴史学の特徴」ではなく、「近代歴史学が発展した契機」として三つのキーワードを挙げているようですね。それぞれに少しこじつけが強いような気がしますが、私の考えるそれぞれのキーワードの関連付けは以下のようなものになります。 産業革命: 特にグーテンベルクによる印刷技術の発達によって、文献資料の複写・頒布が楽になり、近代歴史学の実証主義を支える文献資料が増えた。また、交通手段や輸送手段の発達により印刷された文献資料の広がりが拡大する。このことにより、これまでは入手が難しかった他国の資料なども安価に手に入るようになった。 ヒューマニズム: 人類に普遍の価値が存在するという考え方から人道主義が展開していった。その一方で、ダーウィンの『種の起源』を起点とする生物学的な進化の概念は、遺伝学や優生学・人種衛生学などに派生していき、社会衛生学において、人間社会も進化の過程にあるという考えを広めていった。歴史学もマルクス主義などの影響から、社会の進化・進歩を書きとめていくという認識を持つようになってくる。時系列を中心とする近代歴史学の著述方法は、こうした背景に因る。(これはただ、ヒューマニズムが近代歴史学に影響したというよりも、進化論が影響したという方が適切な気がしますが) 国民国家: 折からの国民国家形成に伴って、歴史学の一部は国民形成の歴史を叙述していくものとして考えられていくことになる。その中で国民国家を枠組みとして捉える歴史研究が多くなった。また、偉人の経歴も国民国家形成への貢献度合いとして評価されていくようになり、国の威信高揚のために利用されていくようになった。(ただ、これは一部の御用学者を中心とした流れで、必ずしも「近代歴史学」全体の流れではありません。これを批判する歴史学研究もあります。ただ、これらも国民国家を一つの枠組みとして捉えていたのは確かです。そうした国民国家の国際関係などを扱っていたとしても。ただ、それまでの歴史学も国家を一つの枠組みとして考えていたので、「国民国家」ができたことが「近代歴史学」の契機となったという考え方には同意できません。伝承的歴史叙述から近代歴史学への転換点に偶然国民国家の発生があり、歴史学は変わらずに国家の枠組みの中で研究を進めていたら、これまでの「君主制多民族国家」ではなかったというのが実際に近い気がします。)

w52sh-2007
質問者

お礼

ご丁寧にありがとうございます。 また質問ですが、国民国家についてで、それまでの歴史学も国家を一つの枠組みとして考えていた、と記述してある点についてです。 それでは国民国家によって作られた一国史は、なんのために作られたのでしょうか。既に一つの国家で歴史を見ているのなら、一国史を作成する必要はあったのでしょうか。 何度もすいません。よろしくお願いします。

  • tknaka
  • ベストアンサー率45% (225/491)
回答No.2

挙げられている三つのキーワードは「近代」の定義として考えることはできますが、「近代歴史学」のキーワードではないと思います。「実証主義」が近代歴史学の根幹になります。 どちらで伺ったお話でしょうか?

w52sh-2007
質問者

お礼

ありがとうございます。 情けない話大学で教わりました。プリント形式で、その時公欠でしたので出席できませんでした。 教授に質問に言ってもテスト間近で自分で調べろと言われました。 友人などに聞き調べた結果、産業革命で研究方法が充実し、ヒューマニズムで近代歴史学の観念である「進歩」の観念が生まれた、とまでは調べました。 プリントには、「これら3つのキーワードは近代歴史学を特徴づけるもの。社会全体にどういう意味をもつか見る必要がある。」と書いてあります。 本当に情けない話ですが、どうかよろしくお願いします。

  • harumoumi
  • ベストアンサー率31% (21/67)
回答No.1

1・産業革命  機械が発達して工業化が進み、大型資本による大型工場が増え、 単純労働者が増えた。一方で家業を継ぐ人々が減った。 蒸気機関の発明により、物流や貿易が飛躍的に活発になった。  大量生産、大量消費の時代が始まる。一方で資本家が強大な権力を持つようになる。  また、強力な兵器が次々と生み出され、それまでは軍と軍の局地的なな戦いが主だったが、 全国民・国家全土を巻き込む国家総力戦へと移行し、二つの世界大戦の惨禍をもたらした。 2・ヒューマニズム  それまでは、地域的、民族的、宗教的な思想や価値観が強かったが、 印刷技術の発達によって庶民に書物を読む機会が増え、数々の思想家や文筆家が登場し、 人生観、価値観など民族・宗教を超えた人間の普遍的な思想が広まった。  自由・平等・博愛などの人道主義、ルネサンス期の宗教を超えた新しい価値観の人道主義など。 3・国民国家  西欧諸国は、王政・君主制(名家の血縁による支配)や帝政(武人の支配)などの階級社会から、 国家の主権(統治権、最高決定力など)は国民にあるとするの法の支配へと替わっていった。 ヒューマニズムの広がりとも関係する。  フランス革命やナポレオン戦争がきっかけとなったといわれている。 簡単ではありますが、僕はこのように認識をしています。 どなたか補足があればお願いします。

w52sh-2007
質問者

お礼

ご丁寧にありがとうございます。 それも知りたかったことなのですが、それらの3つの出来事が近代歴史学にどのような関係があるのかも教えていただけないでしょうか。 よろしくお願いします。

関連するQ&A

  • 近代歴史学

    19世紀ドイツで生まれた近代歴史学は、過去の事実をありのまま客観的に記述することを目指した。近代歴史学のこのような姿勢は、どのような点において評価され、どのような点において批判しうるか論じなさい。 というレポート課題なんですが、近代歴史学の批判される点がわかりません。 詳しく教えてください。

  • 一国史は近代歴史学に影響を与えたか

    タイトルの通りです。 19世紀に国民国家に基づいてできた一国史は、近代歴史学(ランケの実証主義歴史学など)に何か影響を受けたのでしょうか。 それとも、一国史は単なる歴史を見る一つの方法でしかなかったのでしょうか。 よろしくお願いします。

  • 産業革命と近代的戦争について

    産業革命と近代的戦争について 産業革命と近代的戦争は関連性は ありますか?是非、教えて下さい。

  • イギリスの近代化

    近代化という事の是非はともかく、政治の近代化(市民革命) 思考の近代化(経験主義、実証主義)技術の近代化(産業革命)経済の近代化(資本主義) どれもイギリスに端を発していますね。 様々な分野での近代化で他に先駆けたイギリスという国の特質はどこにあるのでしょうか?

  • 近代初期のイギリスの歴史で質問です。

    近代初期のイギリスの歴史で質問です。 イギリスのピューリタン革命の時は、王様が国教を強制して専制政治を したことが革命の要因の1つだったと思いますが、 名誉革命の時は、王様がカトリックを優先して、それが革命の要因の1つに なったと思います。 何でこんな事になったのでしょうか?まるっきり逆になってしまったので よく分かりません。 ご存知の方、宜しくお願いいたします。

  • 近代市民社会の中核

    近代市民社会の中核は自営農民や中小商工業者と書いてあったのでが、産業資本家の間違いなのではないのですか?フランス革命の中核って産業資本家ですよね?近代市民社会ってフランス革命の時よりもずっと後なんですか?ヴィクトリア時代のイギリスも産業資本家が中核でしたよね?いつから自営農民や中小商工業者が社会の中核になったのですか?教えて下さい。よろしくお願いします。

  • 西洋の歴史

    1806年の神聖ローマ帝国滅亡から1871年のドイツ帝国成立までのドイツ統一の過程について教えてください。 ナポレオン支配とドイツ諸邦の改革/キーワードとして解放戦争/ウィーン体制/ドイツ連邦/自由と統一/3月革命/フランクフルト国民会議/大ドイツ主義と小ドイツ主義/ビスマルクと3つの戦争 のキーワードを多少入れて頂けると嬉しいです。 よろしくお願いします。

  • 近代化と事が起きた理由

    「近代化」という言葉に含まれる現象は様々にあると思いますが、 そういうものが起きてきたのは人類の何千年の歴史の中で 最近200年かそこらの事に過ぎず、その発信源となった地域も全地球 からみるとごく限られた範囲になります。 なにせ現代でも完全には近代化できてきいない国はたくさんありますから。 しかし考えてみれば本来は近代化などという現象が存在しない状態の方が、人間の当たり前の姿のようにも思えます。 たとえば、人間が限られた範囲で日々生きていくのに精一杯でなおかつそれで十分と考えている 時代であれば、村落共同体や部族社会といったような伝統的な枠組みを 越えた国民国家などというものを作る動機は出てこないでしょう。 掟や情実、権威者の裁定のような「人治」より均一的な「法治」に人間が従うようになるのも簡単な事ではありません。 物事を原理から考えたり、矛盾点をとことん突き詰めるよりも 生活に必要な範囲を経験則だけで処理したり、 昔からの言い伝えをそういうものと受け入れてる方が楽なんですから 科学的思考法をわざわざ発明することもありません。 未知の事象には不安を覚えるのが人間の性であり、技術革新で権益が侵されると考える人も多い状況で、 産業革命して工業化していくのは難しいでしょう。 その他諸々人間のオーソドックスな方向性に反して近代化という現象が現れた理由は何なのでしょうか?

  • 近代性について

    いま、カントの「永遠平和のために」やルナンの「国民とは何か」って本読んで、近代性について考えてます。 もともと哲学とかには疎いのですが、「近代性」って言葉の意味がいまいちよくわかりません。 近代性ってどういうことなんでしょう? 何か助言を与えてもらえると助かります。 御願いします。

  • 人類はどのような歴史過程を経て、及び、どのような論理構成によって、近代

    人類はどのような歴史過程を経て、及び、どのような論理構成によって、近代国家の民主政治に至ったか。 市民革命や君主処刑、権利宣言の世界史上有名な具体例を挙げつつ、以下の言葉を使って説明せよ。 《旧体制/絶対王政/身分制/家産国家/朕は国家なり/市民革命/regicide/ 社会契約/身分制の解体/自由且つ平等な諸個人/republic/君主主権/ 被治者の自由な選択によって成立した国家/権利宣言や憲法の制定/自然状態/ reign but not rule/王権神授説/万人の万人に対する闘争/e pluribus unum》 これは政治と法に関する問題であり、自分で解いたのに納得のいかなかったものです。 参考にしたいのでお手本、お願いします。