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60年代から70年代にかけてのカーデザインの変遷について

LB05の回答

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  • LB05
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回答No.7

 色々な理由はあるんですが・・・流行という点は置いといて、それ以外の『クルマを作る側の都合』を回答します。 ※まず最大の理由として・・・デザインモデルの『作り方』という点が挙げられます。  カーデザインでは、スケッチを描いてイメージをある程度固めた後、1/5~1/2.5程度のスケールの立体モデルを作り具体的なデザインの検討を行いますが、このモデルの作り方と出来あがったデザインには、密接な関係があります。(この話、実際にモデルを作った事があるヒト達には『そんなの当たり前』的な事なんですが・・・ま、3Dのドロウソフトやクレイしか使った事が無い世代には『知ってる必要のない』無縁の話ではありますね。) ※'60年代中頃までは、このモデルを石膏で製作していました。  スケッチを元に石膏のカタマリから削り出してクルマを作るワケですが、ケズリ過ぎると修正が出来ません。  削り過ぎたところで再度石膏を盛る方法もあるにはあるんですが・・・しかし盛った部分は他の部分と完全には馴染まず、モデルの完成度を損ないます。  その為デザイナやモデラー達は、シャープなプレスラインや平面に近い扁平な面など修正が必要となる可能性が高いディテールを避け、ふくよかな面同士を曖昧な曲面で繋ぐ様になり(←これは逆に、今日の3Dドロウソフトでは最も苦手な作業です)、それが膨張感のあるデザインにつながっていました。  例えば・・・飛び抜けて古い設計年度ですが最近でもよく見かけるローバー・ミニ('50年代中頃の設計です)のフェンダ周りやルーフ、テールライト周りなどには、石膏モデルの特徴が見られます。また、ルパンでおなじみ?のフィアット500Dは、設計者のダンテ・ジアコーサがスタイリングに悩み、『石膏モデルを毎日家に持って帰り、撫でていたらあんなデザインになった』と言っています。ホントかどうかは判りませんが、いかにも石膏モデルらしい逸話です。 ※'60後半になると、北米で開発されたモデル手法が世界中に蔓延します。  それはインダストリアル・クレイ(クレイ=粘土)を使ったモデル製作法です。  インダストリアル・クレイは常温ではチーズぐらいの固さで、シェイパーという刃が付いた工具でキモチよく削れますが、40℃ぐらいまで温めるとグニャグニャの『柔らかめの粘土』になります。(粘土なのにコネなくても柔らかくなるところがミソ。)  粘土なので削り過ぎたところにいくらでも盛る事が出来、ドライヤなどで温めておけば粘土同士のナジミも良好です。  この粘土でモデルを作る様になると、デザイナやモデラはモデル製作技術を競うかの様に『シャープなプレスライン』や『緩やかなRの面』などを多用する様になり、それがそのまま'70年代の『角ばってクリーンな面』で構成されたカースタリングになりました。 ※空力が進歩したから・・・というのは、ザンネンながらハズレです。同時代でもレーシングカーの比較なら、或いは乗用車だと'80年代と'90年代の比較なら、そういう理由もありますが・・・。  クルマのデザインの空力特性を述べる時に、よくCD(=空気抵抗係数)という数値を使います。この数値は小さいほど空気抵抗が少ないという事を意味しており、乗用車は概ね0.50~0.25に入ります。  さてこのCD値、何か例を挙げるとすると・・・すぐに思い出したのはフォルクスワーゲンの初代ビートル。  このビートルはローバー・ミニより更に30年も古い設計で(設計は第二次大戦前の'30年代初頭)、戦後CD値を測定したところ0.38でしたが、ビートルの代替として'70年代に登場したゴルフのCD値はなんと0.42。  厳密にはクルマはCD値だけで空力の良い/悪いを判断出来ませんが(CL=揚力係数というモノも考慮する必要があります)、それにしてもゴルフは悪過ぎです。  '70年代は、まだ空力よりも室内空間やトランク容量の拡大が重要だったというワケです。 ※さて『重心が低くなり』という点について。  '60年代 vs '70年代という比較だと、実車計測での重心高はそれほど低くなっていません(逆にクルマの『全高』は、'60年代から今日までジリジリと高くなっているぐらいです。)  『重心が低くなり』というのは、専ら『低く見える』という視覚的な話ではありませんか?  ボディをワイド且つ低重心に見せるデザイン手法は'70年代に限らず今日まで推し進められていますが、それは力学的な低重心を生んでいるとは必ずしも言えません。

the-ugly
質問者

お礼

>ふくよかな面同士を曖昧な曲面で繋ぐ様になり たしかに!60年代以前の車はあいまいな曲線が多く、工業製品というよりは工芸品のような雰囲気です。 石膏のような伝統的な型作りによる影響が大きいのですね。 >'70年代は、まだ空力よりも室内空間やトランク容量の拡大が重要だった なるほど!私も角ばった車が空力を考慮してるとは思えなかったので納得しました。 他の回答者の方も、車の大衆化に言及されてますが、まさに納得のいく理由ですね。 >ボディをワイド且つ低重心に見せるデザイン手法 そうかもしれません。そのデザイン手法にまんまと引っ掛かってますねw 大変参考になりました!ありがとうございます!

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