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ボルスタレスが京成グループ各社でもあまり採用されない理由

こげ まぐろ(@koge-magu)の回答

回答No.6

こんばんは。 鉄道会社で電車運転士をしております。 ○ボルスタレス台車 元々はボルスタが無い台車を指し、仮想心皿方式が由来。キハ181や電気機関車で採用例がある。 空気バネが一般的になり、一般的に言われるボルスタレス台車は円筒形の空気バネの横剛性によって回転方向の力を受け持つ方式。 ○ボルスタ台車 揺れ枕がある台車で、回転部分がある事から曲線での台車の横回転がしやすい。 心皿と揺れ枕がある事から、台車単体で約1t近く重い。 クルマのタイヤを見ていただくと分かりやすいのですが、バネ下の重量が重いと、その分ドシンバタンと乗り心地が悪くなります。 しかし、バネ下重量が軽いとショックも減る、減衰力も小さくて済むので乗り心地も良く出来ます。 当然、動かすに必要なエネルギーも少なくて済みます。 台車が軽い事自体は「悪」では無いのです。 首都圏の鉄道ですと、相鉄と小田急の乗り心地を比較していただくと分かりやすいのかなと思います。 相鉄の直角カルダン台車の車両は、台車の軸と軸との距離が電動機を進行方向に積む構造上どうしても伸びてしまい、台車が大型化。 必然的に重量が重くなります。 乗ると直線方向の安定感はあるのですが、レールのジョイントでの衝動は大きいです。 このように、必ずしも、 「ボルスタレス台車」=悪 ・・・では無いのです。 ただ、枕梁のある台車(ボルスタ台車)と異なり、枕梁と心皿が無いため、バネ下重量が軽く直線においては有効な台車なのですが、円筒形の空気バネの横剛性に依るため、許容を超えた曲線には弱いのが弱点になります。 先ごろ、名鉄瀬戸線で、このボルスタレス台車と従来のボルスタ台車、 比較研究したのですが、1067mm軌間で、 R400まではボルスタ台車が有利。 R400を越えるとボルスタレス台車の方が有利。 ・・・と出たようです。 結果、名鉄ではR400を越える曲線のある瀬戸線の新型車両(4000形)はボルスタ台車を採用しています。 ここで、このR400という数値。 実は、東海道線で最も急カーブですら、R400以上なのです。 基本、JRはR400以上でカーブを設定しています。 ・・・・なので、「ボルスタレス台車=危険」という単純な図式は成り立たないのです。 京急がボルスタレス台車を採用していないのは、R400よりも急なカーブがある為(最急曲線でR80)。 結果として、京急に乗り入れる都営も、京成も、北総も、ボルスタレス台車を採用していないのです。 今回、新型スカイライナー(AE形)で、京成は初めてボルスタレス台車を採用しましたが、それは京急に乗り入れない為、また、高速走行時での乗り心地と動かすに必要なエネルギーを少なくするためになります。 時速160キロで走るという事は、逆に言うとそれだけカーブがないのです。 京成線自体はボルスタレス台車NGという規程はありません。 ただ、今まで京成がボルスタ台車だったのには、別の訳があります。 初代の3000形(赤電)から、3500形ステンレス車まで、基本設計は実は同じです。 都営線に乗り入れるにあたっての規程(一号線型規格)によるトコロで、3500形がステンレス車体になったのも、新機軸採用の為では無く、エアコンを搭載すると京成線内での橋梁で軸重をオーバーしてしまう為だったのです。 3500形昭和30年代の規格そのままだったのでボルスタ台車で、 3700形の時代になると京急への乗り入れが一般的に。結果としてボルスタ台車を採用。 結局、京成はボルスタレス台車を採用する機会も理由も無かっただけになります。 北総の車両設計は、最初の7000形から京成車両を土台にしています。 制御器、機器配置、 確かに車体デザインが全く違うので分かりにくいのですが、床下やその他機器、取り扱いは京成と同じです。 全くの新しい会社、ノウハウが無い為、いきなり全く新しい車両設計など出来ません。 メーカーの都合で大手私鉄の類似車を作るか、乗り入れ先の車両に類似した車両を作るかになります。 北総の場合は最初から乗り入れ先で計画していた京成の設計を取り入れたのです。 北総の他の、 9000形⇒北総7000形と全く同じ。違うのはデザインだけ。 7300形⇒京成3700形の色が違うだけ。 9100形⇒京成3700形と同じ設計で、車体デザインだけ異なる。 7500形⇒京成3000形(二代目)と色が違うだけ。 このように、北総の車両は、全て京成と共通の設計になっています。 設計を共通化したゆえに、京成の宗吾参道の工場で整備委託できるわけですし、乗務員も何ら問題なく取り扱えるのです。 ダイヤが荒れた際でも京成車の代走も受け持つ事ができますし、ボルスタ台車のお陰で羽田空港まで行く事が出来るのです。 デメリットよりもメリットのほうが大きいのが真実です。 文句が出るも何も、北総と京成は資本関係がありますし。 新京成も同じく、京成の持株法適用会社。 元々は京成の旧型車を譲り受けて走らせ、最初の自社発注車両800形は北総の時と同じく、京成の設計を土台にしています。 独自設計な車両に見えますが、基本的には京成の設計を基本にしています。 N800形では京成グループの一括発注の流れで、結果としてボルスタ台車の車両が復活しただけになります。 新京成がボルスタ台車を採用したのは、曲線対策でも何でも無く、京成グループで一括発注を掛けるので、スケールメリットを狙っての事になります。

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質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。 R80てすごいですね。空港線蒲田付近ですか? ということは江ノ電には永遠にボルスタレスは登場しないのですね。 京成や新京成はやはりカーブが多いですが、R400よりきついカーブはないのですか? また、東武の浅草付近などもかなりの急カーブですが、他社にもそれぐらいの急カーブはないのですか? 京成がステンレスにしたのは重量オーバーとのことですが乗り入れ他社は大丈夫なのですか? 話しが飛び飛びになって申し訳ありませんが、ボルスタレスは半蔵門線で導入したのが先駆けのように思えますが、その東京メトロがボルスタ付きに戻した理由はなんでしょうか?副都心線などは乗り入れ他社はボルスタレスだと思います。

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