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プラスミドの自己複製能について

プラスミドをベクターとして、遺伝子の増幅を行いたいと思っていて、ひとつ疑問に思ったのですが、例えばセルフライゲーションを防ぐために2種類の制限酵素を用いて目的遺伝子をプラスミドに形質導入した場合、元のプラスミドは不完全になると思うのですが、これでも自己複製能は維持することができるのでしょうか? 理解が不十分なので、もし自己複製能を維持できるなら、なぜプラスミドの自己複製能が維持できるのかについても教えてください。

  • inmo87
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  • bioxyz
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回答No.1

プラスミドDNAの塩基配列のうち複製に必要な領域は限られていて(repliconといいます)、そこを壊さなければ複製にはそれほど影響しません。逆に言うと、クローニングにはrepliconのような重要な領域を切り取ったり壊したりしないような制限酵素を選択して使用します。 近年市販されているようなプラスミドDNAは、マルチプルクローニングサイト(multiple cloning sites)という短い塩基配列領域を持っていることが多くなっています。ここは、外来遺伝子を挿入しやすくする制限酵素認識配列が複数並んでいて、同時にこれらの制限酵素ではプラスミドDNAの他の部分は切断しないように作られています。この部分の制限酵素を使う限り、2種類の制限酵素で切り取られる部分は元々役割を持ちませんので、複製には影響しないのです。 クローニングサイトではない場所を切断する必要がある場合もまれにありますが、その時には、replicon以外にも、選択マーカーと呼ばれる薬剤耐性遺伝子(遺伝子操作において、ほぼ不可欠です)といった必須な領域を壊さないように配慮します。 ちなみにひとつの制限酵素を用いても、replicon中に外来遺伝子を挿入すれば複製できません。

inmo87
質問者

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大変参考になりました。 本当に回答ありがとうございます。

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