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アウシュビッツの逸話について
どの分野でするべき質問か迷いましたが、ここで質問させていただきます。 アウシュヴィッツに収容された人の中で、「愛」「美」「夢」のいずれかを持続した人が生き残った、という有名な話があります。 この元になる報告を見ようとして行き詰まりました。ネットで調べる限りその全てが佐久間章行著『人類の滅亡と文明の崩壊の回避』p.218-219が原典になっているのです。古本屋でも在庫がなく、佐久間章行氏について調べたらどうも経営工学が専門の人のようで、そこから遡れません。 Wikiでは連合軍の組織した調査団の報告とありますが、これが何であるのか、どこに載っているのか、もしわかる人がいたら教えてほしいです。お願いします。
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もう一点。 Wikiの文章によれば、 「人間の特性を探る研究に、アウシュヴィッツという過酷な状況のなかで「愛」「美」「夢」のいずれかを持続した人が生き残った、と結論付けるものがある。以下は、その研究を紹介した佐久間章行著『人類の滅亡と文明の崩壊の回避』p.218-219からの引用。」 とあります。ということは、誰かが研究したものを引用していることになります。直接調査団の報告に記載されていたものではないでしょう。 また、問題の書籍が既に絶版になっていること、全国の大学図書館に蔵書として置かれていないこと、を考え合わせると、ネット上での問題部分のみの蔓延は、孫引きが多いようです。孫引きでありながら、孫引きの事実を隠しているため、実際に誰の研究が元になっているかが分からない状況に陥っているのだと思います。これを妥当と見るかどうかは各人の判断となりますので、賛否両論でしょうが、「一説として存在する」というレベルに留めた方が良いでしょう。その意味では、Wikiの現時点での文章は、十分に「一説」であることを示していると思います。原典言及は付け加えた方が良さそうですね。
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- zatousan
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こんにちは、No5です。 補足を拝見しました! なるほど! そういう意味でしたか! >アウシュヴィッツに収容された人の中で、「愛」「美」「夢」のいずれかを持続した人が生き残った、 てっきり、 アウシュヴィッツに収容された人の中で、「愛」「美」「夢」のいずれかを持続し、生き残った、人がいた。 と、質問文を読み間違えていました。 なるほど、生き残る方法が、「愛」「美」「夢」を持続する事という内容の話でしたら、確かに聞いたこともありません。 こりゃ本当に、出版社に問い合わせるしかないですね!(笑) では、失礼します。
お礼
zatousan氏に敬称を付け忘れているのに今気がつきました。 まことに申し訳ありません。 ついでですが、アウシュビッツ平和博物館にこれについて問い合わせたところ、やはり心当たりがないとの事でした。またwikipediaのアウシュビッツ=ビルケナウの項に追加しました。
補足
zatousanだけに対する補足ではないのですが、アウシュビッツで検索して来る方がいるかもしれないので一般的な補足をします。申し訳ありません。 「人類の滅亡と文明の崩壊の回避」見る事が出来ました。結論から言うと文献は引用されていません。従ってこの報告の実在を疑わざるを得ません。 また、佐久間氏はこの「報告」より、「愛、善、美の共通点は事実を直視していないことである」とし、「アウシュビッツの生存者は『事実の不直視』機能により厳しい生存条件を克服していた」という論を展開しています。 これは一般的に流布しているこの話の意義とはやや異なります。もし佐久間氏の著作から引用するならこの点をはっきりさせなければならず、そうしなければ明らかに著者の意に反した引用となるのでするべきではありません。 もし一般的に流布しているように「愛、善、美によってアウシュビッツで生き延びられた」という美しい説の根拠にしたいのであれば、やはりおおもとの連合軍の報告の実在を確かめ、そこから引用しなければならないでしょう。 とりあえず大元がわかったと考えられるので、しばらくしてからこのスレを閉じます。ありがとうございました。
- zatousan
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こんにちは、 ヴィクトール・フランクルの事だと思います。 このユダヤ人は、アウシュビッツという過酷な状況下でもユーモア・愛の精神を忘れずに、生きた感動自伝を残しています。 「夜と霧」 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9C%E3%81%A8%E9%9C%A7_(%E6%96%87%E5%AD%A6) http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_b_7_3?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Dstripbooks&field-keywords=%96%E9%82%C6%96%B6+%83h%83C%83c%8B%AD%90%A7%8E%FB%97e%8F%8A%82%CC%91%CC%8C%B1%8BL%98%5E&x=0&y=0&sprefix=%96%E9%82%C6%96%B6 著者のヴィクトール・フランクル ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 極限的な体験を経て生き残った人であるが、ユーモアとウィットを愛する快活な人柄であった。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB フランクル自体は、精神科医として、極限状況の人間の精神を観察しつつこの著作を書いたわけですが、 >事によると「百匹目の猿現象」と同じパターンのケースかもしれないとさえ感じています。 不思議とニューエイジ関係の人に好まれている傾向はありますね! しかし、ニューエイジとは全く関係の無い人ですよ、フランクルは! 一度読んでみることをお勧めします。
補足
「夜と霧」ですか!どこかで聞いたと思ったら自分で新版を持ってました。言われてみればそれらしいテーマであり、何故この本に思い当たらなかったのか自分でもわかりません。 というわけで再読してみました。大規模なアウシュビッツ強制収用所ではなくその悪名高い支所、絶滅収容所に著者本人が入った経験を基にした体験記であり、連合国の組織した調査団とか全然関係なく、研究報告でもありませんでした。 内容的にも愛で生き延びた、というような甘っちょろい話とは明らかに違いますので、佐久間氏が根拠としているものではない、と判断します。支所ではなく、大規模収容所を対象とした研究が、もしかしたらあるのかもしれません。 ただ、他の有名な逸話、「5/30に解放されるという夢を見た人が5/31に死亡した」「1944年のクリスマスと1945年新年の間の週にかつてないほど大量の死者を出した」127-8pについては記述がありました。生き延びたんじゃなくて死んだ話ですが。あとは自殺を思いとどまらせる話(134p)。 「百匹目の猿」の引用元の論文書いた人も、その師匠こそ少し危なっかしかったものの、ニューエイジとは関係ありませんでした。もとの著者に迷惑だけはかけて欲しくないものです。
- tknaka
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ですから原典に当たるために佐久間章行氏の著書を確認するのが良いと言っているのです。青学の教授が書いている本ですので、引用註または参考註が付いていると思います。ついてなければ、青学に問い合わせて著者本人に伺ってみれば良いでしょう。(本人は2002年で定年退職されているようです) 連合国は膨大な量の調査資料を作成しておりますので、どれが原典になるのかは原著を確認するほかありません。
補足
別の補足に書きましたが、図書館で取り寄せてみようと思います。私の感覚では、丸一日経過する間に、自慢げに原典のソースを示してくれる人が誰も出てこないというのは、やはり不自然だと感じられます。まあ単に私の感覚に過ぎませんが。
- buchi-dog
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「アウシュヴィッツに収容された人の中で、「愛」「美」「夢」のいずれかを持続した人が生き残った、という有名な話があります。」 初耳ですが、荒唐無稽な話ですね。 アウシュヴィッツで生き残った人は「運が良かったから」生き残ったのでしょう。 「ネットで調べる限りその全てが佐久間章行著『人類の滅亡と文明の崩壊の回避』p.218-219が原典になっているのです」 ネットの情報はインチキなものが多いので信用しない方が賢明です。 ちゃんとした本を読んで勉強してください。
補足
貴方がどのような立場かわかりませんが、初耳の話を荒唐無稽な話だと言い切るからには、それなりの知見がある方とお見受けします。 もし貴方の感じている事が正しいとしますと、おそらくその荒唐無稽な話が主にネット上で拡散しており、これについてはちゃんとした本では勉強できない可能性があります。まともな本には書いていないからです。 この話そのものは前から知っていて、はっきりと言ってしまえば私も荒唐無稽のように感じていましたが、三日前に私の巡回しているサイトにこの話が載っていました。念の為検索してみると、見渡す範囲でこのネタは全て佐久間氏の著書がソースでした。しかも佐久間氏は経営工学の方で、この本以降に著作は見られません。 これは個人の創作が一人歩きする(何故か経営学の分野で多い)「百匹目の猿現象」と同様のパターンではないかと疑われました。が、単に私個人の直感に過ぎない事なので、実はちゃんとした連合軍の報告がある可能性を考えてここで質問させていただきました。 皆様の反応から考えて、その連合軍の報告そのものへの疑いがやや強まりました。佐久間氏の著作を図書館から取り寄せて原典の引用をチェックし、結果を影響力が強いと思われるWikipediaアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の項に加筆しようかと思います。少なくとも引用は佐久間氏の著作というよりは連合軍の報告書にするべきですので。
- tknaka
- ベストアンサー率45% (225/491)
国立国会図書館で蔵書があります。 http://opac.ndl.go.jp/Process?MODE_10100001=ON&SEARCH_WINDOW_INFO=01&THN=5&INDEX_POSITION=4&DB_HEAD=01&SORT_ORDER=01&SHRS=RUSR&QUERY_FILE=7420718110_3349664&TA_LIBRARY_DRP=99&DS=0&CID=000002489554&SS=01&SSI=0&SHN=5&SIP=5&LS=7420718110 直接伺うか、お近くの図書館で取り寄せができないかどうかご相談されるのが良いでしょう。
補足
ありがとうございます。 直接の目的は佐久間章行氏の著書と言うよりは、連合軍の組織した調査団の報告が何かという事なので、知っている方がいたら教えていただけると幸いです。
補足
ありがとうございます。 個人の創作があたかも真実であるかのように一人歩きしたケースとして「百匹目の猿現象」があり、これについての碑まで作られましたが、引用された元の論文にはそんな事は書いておらず、その論文の著者まで迷惑が及びました。捏造はわりとよくあります。論文でさえ捏造がよく発覚します。 実のところこの説に関しては、私はbuchi-dog氏と同様「荒唐無稽」のように聞こえますし、事によると「百匹目の猿現象」と同じパターンのケースかもしれないとさえ感じています。まして根拠が今のところWikipedia「しか」ありません。ネットの情報はインチキなものが多いので信用しない方が賢明でしょう。ただ、最近は論文もほとんど全部ネット上でチェックできるようになったため、「ネットの情報はインチキなものが多い」も、既に古い感覚となりつつあります。 というわけなので、私の立場としては「現段階では一説であるとは認めがたい。少なくとも元になる研究論文まではWikipediaに載せるべきであり、出来ればもとの連合軍の報告書をあわせて参照し、研究として妥当であると認められれば一説としてよい」です。 図書館でチェックすると決めましたので、本来このスレを閉じるべきなのですが、これから元の連合軍の報告と研究について詳しい人が現れて解説してくれるかもしれないので、しばらく閉じないでおきます。あしからずご了承ください。