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過マンガン酸カリウムの塩基水溶液?
金沢大の入試問題の問題文に次のような記述がありました。 「分子式C8H8O2で表される芳香族カルボン酸Bを過マンガン酸カリウムの塩基水溶液と反応させ、この水溶液を希硫酸で酸性にするとジカルボン酸Dが生じた…」 この「塩基水溶液と反応させ」というところが何を意図しているのか分かりません。 今まで「酸化には硫酸酸性の過マンガン酸カリウム水溶液」と機械的に覚えていたのがいけないのだと思うのですが、どなたか、何を目的としてどういう反応を起こさせているのか教えてください。
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何かで使ったぞ・・・と思ってひさしぶりに有機のテキスト調べ直しました。 有機の分野では良く聞いたと思いますが、大学2年ぐらいでやっと出てくるようなことですね。ただし、このこと自体は問題に関係していないので・・・ 大学の入試問題は、教授とかが半年ぐらいかけて作るんですよ。本当に実験とかまでやって・・・この内容からは現役の研究者が実際の実験操作を思い浮かべながら、それに忠実に従って作った問題なのだろうと思います。ある意味、誠実さを表す問題で(解答自体には関係しないし)、ゆるせるかな・・・と思いました。 これは過マンガン酸カリウムの酸化作用に関するもので、通常用いる硫酸酸性下での過マンガン酸カリウムよりも『穏やかな酸化作用』を用いたということになります。オレフィン(エチレン系炭化水素)の二重結合に酸素を導入しそれに水を反応させ開裂させて-OH 2個を導入する。反応はここで止まらずオレフィンによって反応性が異なり,次のようになる。 ●アルカリ溶液下での過マンガン酸カリウムの働き (1) CRR´= CR´´R´´´→ CRR´- CR´´R´´´ |-- O --| (これ↑はC-O-Cの結合です) →CRR´(OH)-C(OH)R´´R´´´ + H2O ジオールの生成(ここでとまらない) →RR´C=O + R´´R´´´C=O CにHがついていなければ『ケトン類』ができる。 ジオールで止らないところが特徴。 (2) CRR´= CHR´´→ 途中省略→ RR´C=O + R´´COOH CにHがついていれば『カルボン酸』ができる。 というものです。 ※有機化合物を冷アルコール溶液に溶かし、炭酸ナトリウム溶液数滴を加えて撹拌し、過マンガン酸カリウム溶液を1滴加え、過マンガン酸カリウムの赤紫色がすぐに消えるようならば、二重結合を持つと考えてよいという,臭素水と同様な検出反応に使われるようです。 二重結合は他の酸化開裂によってもC=Oや-COOHになる反応を起こすので,ただそれ以上の分解をさせずに穏やかな条件で『確実に二重結合部分のみを反応させた』といいたかったのだろうと思います。
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- htms42
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高等学校の化学の教科書にも出てきます。 ベンゼン環についた側鎖-Rを酸化するとカルボキシル基-COOHに変わるというものです。この時、中性、またはアルカリ性条件で過マンガン酸カリウムを使うと書かれています。普通よく使う硫酸酸性での酸化ではベンゼン環まで酸化されてしまいます。 二重結合は酸化されやすいということも教科書には載っているはずです。 ベンゼン環の二重結合はエチレンの二重結合よりも安定ですがやはり酸化されて行きます。 硫酸酸性の過マンガン酸カリウム溶液でスチレンを酸化したときとベンゼンを酸化したときの色の変化を比べてもらうといいでしょう。スチレンの色の変化は速いです。ベンゼンはゆっくり色が消えていきます。 トルエンやキシレンの酸化はよく出てきます。 トルエンはメチルベンゼンですがエチルベンゼンでも同じ物質、安息香酸が出来ます。エチルベンゼンとキシレンは異性体の関係にありますが酸化すると異なるカルボン酸が出来ますので区別が出来ます。こういう問題もよく出ています。 ついでに 酸性条件ではMn^(2+)、 中性、またはアルカリ性条件ではMnO2 になるというのも押さえておく必要があります。 酸化還元の単元では出てくるはずです。 半反応式が載っているはずです。
お礼
おっしゃるとおり、教科書に酸化還元の半反応式の一覧が載っていました。勉強するときにはスルーしていたのでまったく気づきませんでした。お恥ずかしい限りです。分かりやすい親切なご説明ありがとうございました。
過マンガン酸カリウムはおいといて、 「C8H8O2の芳香族カルボン酸」といったら、2-メチル、3-メチル、4-メチルという三種の安息香酸と2-フェニル酢酸しかないんです。 ジカルボン酸が出来るのは安息香酸の誘導体だけ。 メチル基がカルボキシル基に変わりました。 たしか酸性で行うと脱CO2まで進むんじゃなかったかな。
お礼
丁寧な回答ありがとうございました。ところどころ難しかったのですが、大枠は理解できました。自分はまだまだ化学の入り口にしかいなくて、まだまだ勉強することがあるのだなあと思いました。