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ナットとねじ山の関係
橋梁に照明柱を取付ける工事を担当しています。コンクリートの橋梁の躯体にアンカーボルトが別の業者によって埋めこまれているのですが、施工の管理が悪く十分な長さがありません。ナットの組み合わせは1種×2、ばね座金、丸座金を基本としていますが、長さの足りない部分は3種×1、ばね座金、丸座金としても、ナットの上に出るねじ山に余裕がありません。そこで、このねじ山の余裕という問題ですが、3山以上出るのが正しいということになっていると思います。この根拠について知りたいのです。ただの見栄えだという人もいますが、ねじ山に余裕があって初めて設計強度が得られるのだという人もいます。本当のところは何なのでしょうか。役人相手に話をするので、系統的に説明しているサイトなどを教えていただけると助かります。また、ナットには1種から3種まで厚みに種類がありますが、強度の違いはどうなっているのか、これも知りたいです。よろしくお願いします。
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#1,3,4のrukukuです。 >安全率の問題ですか、、、 >するとNo.1とNo.2のかたの回答を否定されるわけでしょうか。 上手く伝わらなかった部分があるので補足です。 「設計強度」は「安全率」も含めた強度です。 設計上では「強度の余裕」をもっていますが、さまざまな原因で「余裕」が減ってしまいます。「余裕」がゼロになり、さらにマイナスになってしまったときに事故は起こります。 ご質問のケースでは(ゆるみ止めの問題は別としても)、ボルト先端の強度の弱い部分を使っています。そのために、「設計強度」は出ていません。施工の時点ですでに「強度の余裕」が減ってしまっている状態です。 このことがすぐさま事故につながる事はありませんが、将来的に事故が起こる可能性が増加しています(あくまで「可能性」ですので、このままでも無事に寿命を迎え、交換されるかもしれません)。 ここからは私見ですが、 「安全率」というのは地震や台風、または材料の予想外の劣化など「管理できない事」に対する備えだと思っています。ボルトの長さのような「管理できる事」で「余裕」を減らしてしまうことはしない方がいいと考えています。
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#2のcyoi-obakaです。 #4の回答を見て、緩み止ナットの記述が間違って無かったと、ホッとしました。 3種を1本で使用するのは アレ~? と思たので記述した次第です! さて、安全率の件ですが、その通りですヨ! #1でrukukuさんが仰っている事も、機械的というか物理的な安全率ですよネ! 私が#2で記述したことは、金属組織の安全率です。 近年建築の世界では、弾性+塑性設計が主流となっていまして、弾性設計のみは低層の小規模建築物だけなんです。 特に、鋼材(S造)を使用する構造物は、それ自体の靭性性能に期待する部分が大きいのです。 其の中で、冷間加工による鋼材の脆性化は大変重要な問題事項になっています。 そんな訳でボルト平先の脆性化を指摘した次第です。 はっきり申して、なぜ三山なのか? は不明ですし、その根拠は? と問われると、なかなか正解は出せないでしょう! ただ、黙視して完全にボルトとナットが接続されている(トルクが伝達されている)! と確認できる部分が三山だっただけの事かもしれませんし、 また、ボルト+ナットの引張試験データーから、その耐力値が安定する位置が三山程度以上のナット位置だったのかもしれませんネ! その辺は不確かです。 以上です。 ただ、ボルトの短いのは困りましたネ! 常時振動のかかる場所ですから、座金無しでナット溶接するわけにもいかないでしょうしね~? でも、溶接も有りかな? きっちりトルク管理して………ネ 溶接OKなら1種ナット1本で良いわけですから……何とか成りそうでは?
お礼
足りない場所は1種Uナット+座金という案で落ち着きそうです。でもそれでも1箇所だけはメーカー指定の2山が確保できないんですよ。溶接というのは最初に考えたんですが、それもありですかね~ ちなみに同僚が東芝のプラント関係の仕事をしていますが、彼の話だと(おそらく社内規定だろうと断りつつ)ねじ山の出は1山が基準で、3山以上は見苦しいので不可とのことでした。わからなくなってきます。
- rukuku
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参考サイトの修正です。 下から2つめはこちらの方が適切です。 http://www.nc-net.or.jp/morilog/m135760.html
お礼
これは青天の霹靂です。考え方をまったくかえなくてはいけないようです。どうもありがとうございました。
- rukuku
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>ただの見栄えだという人もいますが、 >ねじ山に余裕があって初めて設計強度が得られるのだという人もいます これは「安全率」の問題です。 建築物をギリギリの強度で設計することはありません。地震や台風などで通常とは違う力がかかることもありますし、材料の経年劣化で強度が低下することもあります。それらを見越して、強度には余裕を持たせています。 従って、ねじ山の余裕が多少少なくても、すぐに倒れるなどの問題はありません。しかし、「強度の余裕」をそこで使ってしまっていますので、その分「強度の余裕」は減ってしまっています。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%85%A8%E7%8E%87 ところで、改めて質問文を読み直してみて、以下の部分が気になりました。 >ナットの組み合わせは1種×2、ばね座金、丸座金を基本としていますが、 >長さの足りない部分は3種×1、ばね座金、丸座金 ナットを2つ使うのはゆるみ止めです。 橋梁でしたら通る車の振動を受けます。ネジは振動でゆるむことがあります。 また、コンクリートは「クリープ」という現象を起こしますので、時間が経過すると締め付け力が弱くなってしまいます。ナット2つならば、2つのナットの間に締め付け力を与えることができますので、そこで締め付け力を維持できます。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%97 http://bme.t.u-tokyo.ac.jp/members/ippei/Research/RPCMIX/2122_Creep/21_Creep_study.htm http://www.nc-net.or.jp/morilog/m36075.html http://www.nmri.go.jp/eng/khirata/design/ch04/ch04_04.html
お礼
そうですか、安全率の問題ですか、、、するとNo.1とNo.2のかたの回答を否定されるわけでしょうか。納得していたのですが、、、
今日は cyoi-obakaです。 アンカーボルトのネジ山の余裕の件ですが、 #1さんの仰る事も当然の事と思いますが、加えて以下に記載する事も原因ではないかと推測します(金属工学が専門ではないので推測とします)。 これはボルトの製造方法に起因しているのでは? ボルトを製造する場合のボルト平先の冷間切断加工によるボルト先端部の低塑性化現象によって、先端部が脆く(脆性化)なってしまい、ボルト本来が持つ塑性能力が確保されてない! という事から余裕を必要となっているのではないでしょうか? また、ナットの1~3種(昔は4種まであったと記憶してますが?)で厚さが違うとの事ですが、厚さが違うのは3種だけではありませんか? 私の記憶違いかもしれませんが? ただ、3種のナットは止ナットとしての使用制限があったと記憶してます。 うろ覚えで記載してますので(手元にJIS規格書が無いので)、間違えていたらゴメンナサイ!です。 確認して下さい。 以上、参考意見です。
お礼
3種ナットは止ナットとして使用制限がある、というところに非常にひっかかりました。1種に比べて強度に差があるのは当たり前ですね。その部分を詳しく知りたいのですが、、、ともかく3種を使ったところは全部交換することにしました。ありがとうございました。
- rukuku
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はじめまして 建築用のネジは使ったことがないのですが、機械用のネジでも同じことだと思うので回答します。 ネジの先端は「面とり」がしてあります。この部分はネジが少し細くなっているので、ナットとの掛かりが浅くなります。当然この部分はねじ山の強度が落ちます。 機械用のボルト(M20~M36くらいの太さまで)ではJIS規格で、この細くなっている部分は2山以下となっています。 建築用のボルトも同じ規格なら、3山出ていれば、ネジは完全にかかっていることになります。
お礼
非常にわかりやすいご説明です。納得しました。ありがとうございました。
お礼
まったくそのとおりですね。ありがとうございました。