- ベストアンサー
オートトランス(スライダック)のスペック
200Vのスペック(例えば、出力0~260V、10A)を持つスライダックを100Vで使ったらどういう問題が起きますか? 逆の場合はどうですか? 設計上の配慮(コア、巻数etc)あたりまで解説していただけると有難いです。 (100V仕様と200V仕様はどこがどういうふうに違うか・・・概念的なことでも結構です)
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
トランスの場合,他のパラメータを固定して考えると,巻き数と印加電圧で磁束密度が決定されます. 鉄芯の最大磁束密度以下になる磁束密度で使用する必要があります. 最大磁束密度を超えると,磁気飽和を起こして過電流が流れ,最悪の場合トランスが焼損します. トランスの最大出力電流は巻き線の断面積(線径)で決定され,放熱により変わりますが,概略3A~5A/mm^2です. 従って,200Vのスペックを持つスライダックを100Vで使うと磁束密度は半分になって励磁電流は減少してスライダックにとっては楽な使い方です. 最大出力電流は巻き線がそのままなら,200Vのときと同じです. 逆に,100Vのスペックを持つスライダックを200Vで使うと磁束密度は倍になって励磁電流が急増し,多分スライダックから煙が出てくるでしょう(その前にブレーカが落ちるかも).
お礼
いつも素晴らしいご回答をされるのを拝見しております。 今回もわかりやすいご回答有難うございました。 >巻き数と印加電圧で磁束密度が決定されます. 電圧も飽和のパラメータになるのですね。 200V用は100Vで使えるけど、コアが大きくなっているし(100V用に比べ)、従って銅線の使い方も多いし(重量も重い)、もったいない使い方になる、ということですね。 有難うございました。