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農業の生産性向上による経済成長への寄与

日本は農産物の輸入国である一方で、戦後の農業政策が価格維持や減反などでその生産性を高める方向に進まなかったため、現在多額の補助金、米などの高率関税、高い農産物価格、輸入への依存と自給率低下という状況が解消されません。 「農地の集約や企業の参入などによって、農業の生産性を大幅に高め、国内農産物価格を適当な水準に低下させると、潜在的な需要が満たされる上に、雇用も創出できる。よって経済成長に寄与する。」という論理は正しいでしょうか。また技術的には可能でしょうか。 ここでは政治的な理由での有権者対策や圧力団体と言った障害をひとまず横において、経済学的な観点から質問します。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • s_nak
  • ベストアンサー率55% (269/487)
回答No.4

誤解があるようなので、 >また機械化すれば雇用が実質的に減ってしまうくらい日本の生産性は低いのだと、また大規模化の必要性を示しているようにも感じます。 nekomomotaさんが、「農地の集約」という言葉で、機械化を想定していると仮定して、推論が変と書いたことを、まだ機械化が可能のように捉えられても困ります。北海道では十分に機械化されていますが、その方向で国際競争力を持つのは難しく、「ブランド化のようなことをしないと国際競争力にならない」と農地の大規模化を進めた農家自体が言っているくらいです。 >ただ高める努力が経済にプラスなら悪いことではないのでは  農業をより効率化してはいけないなどと一言も申しておりません。現状から国際競争力を持つ水準に農業の生産性をあげるにはそれ相応の投資が必要で、日本のように人口密度が高い国と、アメリカのような人口密度の希薄な国では、そもそも同じ収量をあげる農地でも土地の値段自体が高くつくので、「農地の集約」などで国際競争力をもつほどに生産性をあげるという考えは幻想だといっているだけです。  それと農産品以外のものを安い費用で生産でき、その方が日本全体の生産性があがるなら、農業以外に特化する方が国全体としては効率がよいのです。企業はより利益のあがるものを生産するということです。 >輸入品と同値段でなくても需要は増えないでしょうか。 需要が輸入品から国内品に変わることで、国内農家の収入が増える可能性があるというのなら、まだ分かるけど、「需要」で何を表しているのかわかりにくい文章です。 豊作貧乏などが簡単におこるのが、食料の特徴です。大幅に特定農産品の生産量が増えてしまうと、価格が暴落するのがほとんどではないでしょうか。よく豊作で葉ものをスクラップにしてますよね。 現在の日本の「農業の生産性を大幅に高め」ることも無理だと思いますが、「大幅に高め、国内農産物価格を適当な水準に低下させる」ことも不可能に近い事です。常に適当な量を輸出して、国内流通量をコントロールするなどして国内価格を安定化することを想定しなければならない。現在の市場経済を前提に、戦後の農業政策の価格維持を批判する立場のnekomomotaさんがどのように実現可能と考えるのか、不思議でなりません。 速水佑次郎「農業経済学」岩波書店 伊藤元重・大山道広「国際貿易」岩波書店 などをお読みになることをお勧めします。貿易理論の基礎も押さえた方がいいように感じます。

nekomomota
質問者

お礼

ありがとうございました。問題点の所在はよく分かりました。ただブランド化と価格の関係を見直すのには好機だとは思います。

その他の回答 (3)

  • s_nak
  • ベストアンサー率55% (269/487)
回答No.3

>その生産性を高める方向に進まなかった 乱暴な議論です。 米などは、収量を増やす品種改良、肥料の改善などで、単位面積あたりの生産性自体は戦後、上昇しています。 品種改良などの技術を途上国に移転して、「緑の革命」などといって一時もてはやされました。東南アジアへに適した米の品種改良にも日本の技術が活かされています。 土地の制約などがあって、国際競争に勝てるほど生産性が上昇しなかったにすぎません。 >多額の補助金 EUやアメリカでもいろんな形で農業への補助金があります。農業用水は飲料水より格段に安いなど。 国土が狭く、人口密度の高い経済が発展すれば、ある程度、食料の輸入依存がおきるのは、むしろ普通の健全な経済現象ではないでしょうか。 >高い農産物価格 米や小麦の穀類ならまだ分かるけれど、農産物全般が高いでしょうか? ふつう、同じ品質で輸入しているなら、日本より安いから輸入しているのではないですか。すべての農産品に高率関税なんてかかっていませんよ。 >自給率低下 食料安全保障の立場にたてば由々しき事態なのでしょうが、国際的な平和が維持され、貿易がきちんと行われるなら、特に問題があるのかも疑問です。 そもそも日本の国土を可能な限り耕作地に変えたところで、現在の人口水準の食料自給率を完全に100%にできないと言われています。 個別農作物の食料自給率で、例えば米だけなら100%にできますが、・・・。現在の麺類、パン食を前提にすれば、日本人一人当たりの米消費量自体が落ちているので、米の食糧自給率のみを100%にするのなら不可能ではないという意味です。 >農業の生産性を大幅に高め 北海道など見る限り、「大幅に」というのは幻想ではないかと思います。 >雇用も創出 かなり疑問です。「農地の集約」=「広大な農地を機械で耕作することによって生産性が挙がる」と考えているのですよね。いまより少ない雇用量で、機械で大量生産するというのに、雇用増大につながるというのは、幻想のように感じます。 農産品などの加工工場かなにかの雇用(農業に分類されない)が増えるというのなら、まだ分かりますが、・・・。 むしろ現在の日本の農業で雇用が伸びたりするのは、特定の(高額で売れる)商品作物に限られているように思います。 もともと食料などで普段から口にする農産物は、生活必需品の類で、価格感応性が低い商品です。潜在的な需要が少ない商品という意味です。 >経済成長に寄与 現在の農業のGDPに占める割合、全産業のうち農業に従事する労働者の割合からすれば、経済成長に寄与するにしてもたかが知れています。

nekomomota
質問者

補足

ありがとうございます。同じ点で自分でも疑問を持っていることも確かです。まず自給率は100%にすることに特に意味は無いことは賛成です。ただ高める努力が経済にプラスなら悪いことではないのでは。農業の規模、これもインパクトは限度がありますね。数兆円とタームが大きいか小さいかという評価は分かれるでしょう。また、国産農産物の品質が一定で値段が少し下がれば、輸入品と同値段でなくても需要は増えないでしょうか。雇用が増えるかどうかも核心を突いたご指摘だと思います。兼業農家の細々とした農業所得から専業の従業者の雇用と安定した所得へ、それに世代交代による効果も考慮に入れると実質的に雇用増加にはならないですか(ただし現状で一生懸命やっている農家はかえって対応が難しいかもしれませんが)。また機械化すれば雇用が実質的に減ってしまうくらい日本の生産性は低いのだと、また大規模化の必要性を示しているようにも感じます。

  • fusem23
  • ベストアンサー率18% (72/383)
回答No.2

>農業の生産性を大幅に高め、 GDPにプラスに働きますね。 >国内農産物価格を適当な水準に低下させると、 GDPにマイナスに働きますね。 >潜在的な需要が満たされる上に、 総摂取カロリーはほぼ決まっているので、需要はそう増えませんが、国内産と外国産を分けて考えれば、国産の需要は増えるでしょうね。 >雇用も創出できる。 効率の良い所は雇用が増え、効率が悪い所は雇用が減る。差し引きでは雇用は減るかも知れませんね。特に、高齢者で農業をする人は激減するでしょう。働くのは外国人労働者、というパターンもあります。 >よって経済成長に寄与する 企業は儲かることをしますから、農業より儲かることがあれば、農地を他の用途に使うかもしれません。採算が取れなければ、さっさと諦めて、輸入品の供給を始めるかもしれません。今よりよくなる可能性は高いですが、そうでない可能性もあります。 所得が企業に移転するだけ、という場合もあります。 >また(生産性の大幅な向上は)技術的には可能でしょうか。 生産性を何で計るかによります。1人当りでは確実に増えるでしょうが、人件費当りではどうか分かりません。投資当りで考えると、専門家である企業が行えば、生産性は向上するでしょう。

nekomomota
質問者

お礼

ありがとうございました。参考になりました。

nekomomota
質問者

補足

ありがとうございます。現在は営農が限定され、農地の所有や企業の参入が厳しく制限されているため、農地の集約や経営の合理化に限度があって、本来もう少し安く生産できる(=生産性が上がる)余地があるのに、価格が高めで、逆に輸入農産物の方が価格競争力がある状態になっているということを前提に考えています。これが間違っていると前提が狂いますが。現在の日本の地形を考慮に入れても、耕地面積を有効に使う手立てが大幅に緩和されれば、農産物価格で下がるものが多いのでは。そうすると需要が顕在化し、現在に比べ相当大きな数量の農産物が国産で賄われるのではないですか。単価が下がっても総額はかなり増えると思います。仕事が増えて雇用は全体では増えるのではないでしょうか。兼業で小額の収入がある場合などは淘汰されるものもあるでしょうが、後継者が居ない農家の後継者もままなりません。農地の放棄も多く、適当な理由で宅地転換されていることを考慮すれば、経済にはプラスではないかと思うのですが。

  • trajaa
  • ベストアンサー率22% (2662/11921)
回答No.1

論理的にはある程度正しいとは思いますが、日本の農地の場合平坦な場所だけでなく、山間部や狭小な区画など単純に集約して効率化する事は難しいんじゃ? また、現在農業に従事しているしている方々の世代は、圧倒的に高齢の方々が多数を占めていると思います。 そのような中で、企業化してその労働力として従事する事が可能か? もし労働力として対応出来ない場合に、その方々の収入の道はどうするか? また、集約化効率化が進むと、農地の許容度を超えた酷使が起きないか?その結果農地の疲弊と環境への影響もあり得ない話では無いかと。 じゃぁ、今のままの非効率な状況が良いのか?と問われると返答に困ってしまいますが。

nekomomota
質問者

お礼

ありがとうございました。参考になりました。

nekomomota
質問者

補足

ありがとうございます。地形など物理的な限界はそのとおりですね。そのようなご意見を期待していました。ただ、国内産の農産物に一定の価格プレミアムがあることなどを考えると、欧米並みに生産効率に届かなくても、生産性向上を意図するかしないかで需要の出方は違うのではないでしょうか。また、現在の農業従事者が高齢化しているからこそ、効率化した農業事業でもちろん若者を含めて、多数の雇用が発生することを想定するものです。労働管理は他の産業も同じでしょう。地方経済への集中的な恩恵、補助金の節約、農産物への関税引き下げによる新興国への工業品輸出の促進など、いろいろ副次的効果も期待したいところですが。

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