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ノイズ密度の計算の仕方
たまに論文でノイズ密度というものを見かけるのですが、これは具体的にどういう測定をしてどういう計算をしても求めるものなのでしょうか? 単位が大抵fV/√Hzになっているのですが、 例えば10kHzのノイズ密度を調べたい場合、その装置の周波数を10kHzに合わせた状態で、電圧値の時間変化を測定し、その時間内での2乗平均を計算し、その値を√10で割るというような操作を行うのでしょうか? でも時間変化を測定するにしても、時定数によってノイズのピークの高さが異なってきますよね? これはどう考えれば良いのでしょうか? 実際にの論文には時定数は出てこないのですが論文によって値がばらばらでは比較のしようがないように思うのですが それともどこか計算の仕方を間違えているのでしょうか? どなたか教えて下さい。 お願い致します。
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ロックインアンプは位相検波器を使って,等価的に高Qのバンドパスフィルタを実現していますから,中心周波数の出力は直流です. ノイズ測定の時は,pV/√Hzとゆう分解能を得るために出力を増幅する必要がありますから,直流分に含まれる内部アンプのオフセット誤差を除くために直流をカットしています. バンドパスフィルタの信号帯域幅(-3dB)とノイズ帯域幅の違いとか,ノイズ密度測定には注意点があります. この本の「第9章 ロックイン・アンプの原理と実験」には, 「● 雑音密度を計測するには」とゆう説明がありますから, http://www.cqpub.co.jp/hanbai/books/32/32821.htm 読んでみたらどうでしょうか?
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- rabbit_cat
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>この計算のために2乗平均を使うとのことですが、 >もし2乗でない算術平均がゼロでない場合にはゼロになるようにオフセットを足して計算を行うのでしょうか? 原理的に言えば、そもそも、10kHz中心1Hz幅のバンドパスフィルタに通した時点で、DC成分はカットされているので、2乗でない算術平均は必ずゼロになります。 実際の測定では、そうはいっても、DC成分の揺らぎも残んだと思いますが、高性能のスペアナで、ある程度長時間測定すれば、まあ、ほどDC成分をカットできるはずです。
- anachrockt
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> この計算のために2乗平均を使うとのことですが、もし2乗でない算術平均が > ゼロでない場合にはゼロになるようにオフセットを足して計算を行うのでしょうか? うろ覚えですが,LI575ではコンデンサで直流分をカットしていたと思います. 最近のデジタルロックインアンプ(LI5640)でもノイズ測定はできるようです. http://www.nfcorp.co.jp/pro/mi/lb/lockin/li5640/index.html 仕様ではノイズ電圧測定が 20nV/√Hzfs ~ですから,分解能は1pV/√Hzですね. http://www.nfcorp.co.jp/pro/mi/lb/lockin/li5640/pdf/spec_li5640.pdf また,平均化時定数は10μs~30ksですから,ノイズ測定の帯域は時定数をTとして 減衰傾度が6dB/octの時は,1.57/(πT)になります. 6dB/octの時の1.57に対し,12,18,24dB/octの時の係数は,1.11,1.05,1.03です. ここを見ると,LI5640はレンタルで借りられます. http://www.orixrentec.jp/cgi/tm/detail.cgi?id=210054&route=
- foobar
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ロックインアンプの出力信号はLPF(遮断周波数fc)を通っています。 2*fcが元の信号の帯域幅に相当します。 (fo±fc(f0:ロックインアンプの基準周波数)の信号成分が DC~fcの信号に変換されて出力されるので)
- anachrockt
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バンドパスフィルタのQは,中心周波数をf0,帯域幅をfBとすると Q=f0/fB です.つまり10kHzで帯域幅1Hzなら,Qは10kつまり一万です. こんな高Qの中心周波数可変バンドパスフィルタはありませんから, ロックインアンプを高Qのバンドパスフィルタとして使うわけです. 難しいことは,うろ覚えですが,下で紹介したLI-575(ノイズ測定機能付き)の 取扱説明書に書いてあったはずです.
- rabbit_cat
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>例えば10kHzのノイズ密度を調べたい場合、その装置の周波数を10kHzに合わせた状態で、 >電圧値の時間変化を測定し、その時間内での2乗平均を計算し、 >その値を√10で割るというような操作を行うのでしょうか? ちょっと違います。 原理的に言えば、 10kHzのノイズ密度は、調べたい装置の出力のノイズ成分を10kHzを中心にした1Hzの幅(9999.5Hz~10000.5Hz)だけを通すようなバンドパスフィルターに通したあと、電圧値の時間変化を測定して、その時間内での2乗平均を計算して、その値を単にルートしたものです。 V/√Hz という単位になっていますが、これは、V^2/Hz の平方根を取ったという意味で、√10 で割るという意味ではないです。 上で、10kHzを中心にした1Hz幅 のバンドパスフィルターに通して電圧値の2乗平均値を測定すると書きましたが、 ここで、もし、2Hz幅のバンドパスフィルターに通して測定すると、電圧値の2乗平均値は、1Hz幅のときの2倍になります。 バンドの幅が広くなったのですから、当然観測される電圧値は大きくなりますね。 というわけで、V^2/Hzというのは、1Hz幅あたりの電圧の2乗平均値がいくらか、を示している値なわけです。 ただ、V^2/Hz だと、電圧の2乗の値になっていてノイズの大きさを直感的に考えづらいので、V^2/Hz の値の平方根をとって、V/√Hz の形で表示することが多いってことです。 >でも時間変化を測定するにしても、時定数によってノイズのピークの高さが異なってきますよね? 測定するのは、あくまで2乗平均値であって、ノイズのピークの高さではありません。長い時間観測すれば、ノイズのピーク値としては大きいものが出現する可能性もありますが、逆に、ものすごくノイズが小さくなる瞬間もあるはずです。というわけで、時間平均をとった2乗平均値は、(理論的には)測定時間によらず一定です。
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回答ありがとうございます。 大体理解することが出来ました。 もう一つ質問なのですが、論文ではバンドパスフィルタではなく ロックインアンプを使って測定したい周波数を取り出しているものも少なくありません。 では、この場合にはどうやってバンド幅を決めるのでしょうか?
- mistery200
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ノイズの成分だけ取り出してフーリエ変換し10Hzのノイズ成分だけ取り出します。10Hzのノイズ成分が分子、分母は信号成分です。 雑音にも種類があって、電圧Vが周波数のルートに反比例するのはピンクノイズです。(パワーV^2/Rが周波数に反比例する雑音のこと)。 下記URLでピンクノイズの音が聞けます。
- anachrockt
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大昔の話ですが,ノイズ密度の測定にこれを使ったことがあります. http://www.nfcorp.co.jp/pro/mi/lb/lockin/li575/index.html ある周波数のノイズ密度を調べたければ,その周波数に同調した高Qのバンドパスフィルタを用意して,ノイズを実効値電圧計で求めます. ノイズ帯域幅が1Hzなら換算不要で,上記ロックインアンプで測定すればマンマの値が求まります.
お礼
回答ありがとうございます。 もう一つだけよろしいでしょうか? この計算のために2乗平均を使うとのことですが、もし2乗でない算術平均がゼロでない場合にはゼロになるようにオフセットを足して 計算を行うのでしょうか? また、単にプラス側やマイナス側にずれているだけなら、まだいいですがある周波数でのノイズのバックグラウンドになる線が斜めになっていたりふにゃふにゃしていたらどうするのでしょうか? この場合、計算をしても意味がなくなるのでしょうか?