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沈殿の完結とは?
大学一年です。 0.05Mの銀イオン(硝酸銀)0.2mLを1.0mLになるように水で薄める。これに6M塩酸を何mLいれれば沈殿(塩化銀)が完結するか求めよ。 という問題が出されました。 [銀イオン濃度][塩化物イオン濃度]≧Ksp となれば沈殿が生成されると習いました。しかし沈殿が生成されて行くにつれ銀イオン濃度は下がる一方なので、いくら塩酸を入れても微量の銀イオンは沈殿しないので、完結することはないかと思い、行き詰ってしまいました。 上記の考え方が間違っているのか、それとも銀イオンがすべて塩化銀として沈殿することが「沈殿の完結」という意味ではないのか教えてください。
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比較の為に、強酸と強塩基の中和反応を考えてみます。 HCl + NaOH ⇔ NaCl + H2O これは一般には「完結する反応」と見做されていると思うのですが、 実際には平衡反応で、その平衡定数は水のイオン積の逆数の1/Kw=10^14になります。 という事は完全に100%反応が進行する訳ではなく、実際には完結しない事が分かります。 しかしそれでも平衡定数が非常に大きいので、ほぼ「完結する」と見做しています。 同様に沈殿の生成を考えて見ましょう。 [Ag^+][Cl^-]≧Kspのとき、Ag^+ + Cl^- ⇔ AgCl(固) の反応の平衡定数Kは、 K=1/Ksp=10^10 とこれも非常に大きな値になります。 反応にも依りますが、一般に平衡定数がある程度大きい場合には「完結する」反応と見做せるようです。 そしてその完結する反応を上手く利用して「滴定」を行ったりしている訳です。 「沈殿滴定」はたくさんある滴定方法の一つです。 だからこの問題は「沈殿滴定」の「当量点」に於ける量的な関係を考えればいいと思います。 もちろん両者の物質量比が1:1ですね。
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確かに「完結」は「定義」しなければ使用することがためらわれる用語です。 ただ、一般には気楽に用いられているようです。↓ http://lab.edu.mie-u.ac.jp/textbook/exp/exp05/kongou.html 一時的な解決策としては、「完結」を定義して使用するということを行ってはいかがでしょうか。 つまり、一定の塩化物イオン濃度上昇に対して塩化銀沈殿が全体の例えば1/1000以上増加しないことをもって「完結」と呼ぶ、などです。 なお上記の例は私が便宜的に考えたものなので、学界の常識ではありません。念のため。 m(_ _)m
お礼
もともとはっきりとは定義づけされてないんですね・・・ 回答ありがとうございます。
お礼
なるほど…とても参考になりました。 回答ありがとうございます。