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抗体は移植できますか?

とあることがきっかけで、ウイルスやワクチン、それに対する抗体について調べているのですが、生物学は全く知識がなく理解に苦しんでおります。 大変無粋な質問かもしれませんが、お答えいただけると嬉しいです。 ワクチンとは、病原性の弱い(または消失した)ウイルスのことですよね。そしてそれを接種させて抗体をつくると、そのウイルスに対しての免疫ができる。 では、その「抗体」を人から人に移植することはできるのでしょうか? たとえば免疫力が弱かったり、ウイルスに犯されかけている状態の人(Aさん)に、もうウイルスに対しての抗体ができている人(Bさん)の抗体を移植して、Aさんの病気を治したり…ということはできるのでしょうか? ―上記からお察し頂けると思いますが、専門知識などなく、全くの無学ですので、できるだけわかりやすく教えていただけると嬉しいです。 よろしくお願いいたします。

  • m2r
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noname#160718
noname#160718
回答No.2

 獣医師です。一応専門家を名乗っても良いのかな? >たとえば免疫力が弱かったり、ウイルスに犯されかけている状態の人(Aさん)に、もうウイルスに対しての抗体ができている人(Bさん)の抗体を移植して、Aさんの病気を治したり…ということはできるのでしょうか?  抗血清と呼ばれるものがそれにあたります。ヘビ毒などもそうですが、破傷風のトキソイド等もそれにあたります。  ですが治療法としてはあまり普遍的なものとは言えないでしょう。  その理由はいろいろあるのですが、まず最初の問題として、「移植された抗体もAさんにとっては異物」ということがあります。  別にその抗体が直接健康に影響を及ぼすわけではありませんが、ひとつ確実なことは、「Aさんの体内にBさんが作った抗体に対する抗体ができる」ということです。その抗体はBさん由来の抗ウイルス抗体を攻撃しますから、治療効果としてはあまり効率が良くありません。  また、ワクチンの特性が良かったり適切な接種法を行うと、生体は相当な量の抗体を産生しますが、「移植された抗体」は移植された瞬間から減ることはあっても増えることはありません。  相手がヘビ毒なら、敵も「増えない」物質なのでまだ良いのですが、ウイルスが相手となると、相手はとてつもない早さで増えるものですから、抗血清を投与して効果がある病期や投与法は限られてきます。  劇画のゴルゴ13で、船内でエボラウイルスに感染したゴルゴが逃亡しながら「エボラに感染しながら生き残ったサル」を見つけ、それで抗血清を作って一命を取り留める、という話がありました。  ま、発症して半日以上も経ったゴルゴが、僅か試験管1本分、4~5mlくらいの血清を接種したところで、あんなに劇的に症状が好転するのかとか、そのサル1匹で問題の船に乗っている人が全て助かってめでたしめでたし、という結末でしたが、サル1匹ではとても血清量が足りないのではないか、とかツッコミどころはたくさんありますが、まあ話の「根本的な筋」というのは「全身感染症の発症初期には抗血清が有効」という理解で、まあ良いのではないかと思います。  そういや「アウトブレイク」という映画も似たような話でしたね。ダスティン・ホフマン主演だったと。これも結局、サル1匹で街の人全てが助かってめでたしめでたし、みたいな結末で、思わず画面に「足りね~ぞ」とツッコミを入れてしまいましたが。

m2r
質問者

お礼

貴重なご意見ありがとうございます。抗血清とは抗体を含む血清のことですよね。ウイルスに対しては血清ではなく抗血清が有効…なのですよね? 「全身感染症の発症初期には抗血清が有効」というのは、即効性があるという意味でしょうか?抗血清中の抗体は増えることはしないということなのですが、ウイルスに対しての効き目というのは、どういう過程を経てるのか、もう少し知りたいです。専門家でいらっしゃるということなので、よろしければもう少しご意見いただけると嬉しいです。

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noname#160718
noname#160718
回答No.4

 Jagar39です。 >ウイルスに対しては血清ではなく抗血清が有効…なのですよね?  血清と抗血清はモノとしては同じです。ウイルスや毒素などに対する抗体が含まれていて治療の目的で使う血清を抗血清と呼ぶということです。  即効性についてはそのとおりです。投与した抗体が体内で変化するわけではなく、そのまま効果を発揮するわけですから逆に言うと即効性以外の効果はない、ということです。  で、その効果の機序ですが、基本的には「中和反応」によるものです。  ここから先はウイルスに対する基礎知識がないと理解が難しいかもしれませんが、ウイルスというのは「生きた細胞」の中に侵入し(細胞に感染する、と言います)、その内部で細胞の機能を横取りして増殖する微生物で、「増殖」以外の生命活動を行わない代物です。  で、抗体があるとウイルスの抗原部位に特異的に結合するので、そのウイルス粒子は細胞に感染することができなくなります。すなわち、増殖することもできなくなります。  これが抗体によるウイルスの中和なのですが・・・判りにくいですね。  つまり、ウイルスは細胞の壁を蹴破って侵入するわけではなく、細胞にある「ドア」を開けて侵入します。そのドアは別に細胞がウイルスのためにわざわざ用意してやったモノではありませんが。  なぜウイルスがドアを開けることができるのかというと、ウイルスはそのドアの「鍵」を持っているわけです。  で、抗体はその「鍵」に被せる「鞘」です。鞘が被さればウイルスはドアの鍵を開けることができなくなり、すなわち細胞に感染できなくなる、というわけです。  「全身感染症の発症初期」と書いたのは、抗血清に含まれる抗体は単なる「血中抗体」ですから、基本的に血液中でしか効果を発揮できません。  例えばウイルスに感染した細胞を攻撃する、等のもう少し高度な免疫機能は、抗体と白血球(リンパ球やマクロファージetc..)の連携プレイが必要なのですが、外部から抗体だけ投与されても連携プレイは不可能です。  なので効果はほぼ抗体による中和作用のみに限られるわけです。  一方、感染症で「血液中の病原体を攻撃すれば治療効果がある疾病」は、実は多くありません。例えばインフルエンザは気管支などの粘膜で増殖するウイルスですから、血中抗体をいくら上げてもあまり効果は期待できませんし、例えばノロウイルスは腸管粘膜で増殖するウイルスなので、やはり血中抗体を上げてもあまり意味がありません。  また例えばエイズウイルス(HIV)は、血液中のリンパ球に感染するウイルスなので、血液中に遊離したウイルスをいくら攻撃しても無限に補給されるので、やはり勝ち目はありません。  一方、感染部位近くで増殖してから血液で全身臓器に運ばれ、到達したそれらの臓器でさらに増殖してダメージを与える、といったウイルスには、血液中のウイルスを中和することで劇的に治療効果が期待できる"かもしれない"わけです。  ただ、そういう感染症は多くないです。エボラやマールブルグ等の致死率が高いウイルスがそれに当たりますが。  発症初期に、と書いたのは、結局全身臓器に到達してそこでウイルスが大暴れしている状態だと、「もう遅い」わけです。そこで血液中のウイルスを攻撃しても、もはやあまり意味がないわけです。  また、抗体の量が少なかったりして「取り逃がした」ウイルスが多いと、やはり結果的に「あまり意味がなかった」ことになります。  投与された瞬間に血液中に存在するウイルスを全て中和しても、感染の原発部位ではまだウイルスが増殖しているわけですから、やはり結果的に「足りなかった」ということになります。  なのでウイルス量より相当多量の抗体を投与しないと治療効果はあまり期待できないでしょうね。  実際の話、ウイルス病に対する「抗血清」というものは、生産・市販されているようなものはほとんど存在しません。  ラッサ熱が発生した時、回復期患者の血漿を発熱初期患者に大量投与して助かったみたいな話は聞いたことがありますが、もしその血清提供者がエイズや肝炎の感染者なら、それらも確実に感染することになりますね。似た病態のエボラやマールブルグなどの出血熱の初期患者に抗血清を上手く使うことができれば、致死率はかなり下げることができるはずですが、実用化はあまり期待できそうにないです。

m2r
質問者

お礼

追記回答、大変感謝しております。とてもわかりやすいです。 Jagar39さんが前記でおっしゃっていたゴルゴ13の映画、「エボラに感染したゴルゴが、免疫を持ったサルから抗血清をつくり一命を~」の、血清の効能がよくわかりました。確かに「血清」とはあくまで「血液中の成分」なのですよね。そういった意味でも万能でないことがわかりました。そう考えるとウイルスに対しては、やはりワクチンの方が効果的と言えるんでしょうか。増殖するというのがウイルスの怖いところですね…。 まだまだ聞きたいことはたくさんありますがなんだかキリがなさそうなので、問題解決ということでやめておきます。親切なご回答、本当に感謝しております。ありがとうございました。

  • otx
  • ベストアンサー率44% (256/576)
回答No.3

抗体は移植というより「注射する」という表現がマトを得た言い方です。薬を注射するのと変わりません。なので、当たり前のことながら注射した人の中で増えたりしません。むしろ一定時間でなくなっていきます。 また、回数を多く注射すると、他の回答者様のおっしゃる通り、抗体自体が注射された人にとって「異物」として認識され、排除されやすくなります。数回注射するとだんだん効果がなくなります。 また、ウイルスは体の中でじっとしているばかりではありません。 その数が増えたりします。 その数が増減するものに対して、抗体はある一定の量を注射しても、ウイルス等の数に対して「足りなくなれば」効果は発揮できません。 ということで、あまり効果的でないように思います。 蛇の毒は、かまれて注入された毒自体は「一定量」ですので、それに対する抗体が効果を発揮するのです。

m2r
質問者

お礼

貴重なご意見ありがとうございます。わかりやすい説明で大変ありがたいです。 なるほど、抗体の数が攻撃する側の数とイコールでなければ効果がないということですね。他にもいくつか問題があるようで。。やはりウイルスに対しては抗血清より、ワクチンのほうが効果的といえるのでしょうか。大変勉強になりました。ありがとうございました。

  • MIYD
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回答No.1

「血清」が考えている抗体の移植に相当します。 ニュースや映画で、ウイルスやヘビ毒の血清を打つ話を聞いたことがありませんか? ただ、抗体自体が異物ですので、 あまり打つと健康によくありません。

m2r
質問者

お礼

貴重なご意見ありがとうございます。なるほど、皆さん仰るように、「血清」がその役割を果たしているのですね。聞いたことはあったのですが、それがなんなのかはよくわかっていませんでした。ありがとうございました。

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