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超伝導体での量子飛躍について

こんにちは、 リング状の超伝導は、定常波になっており、マクロな量子現象であると聞きました。原子核の廻りの電子は、同様に定常波になっておりますが、量子飛躍により、高いエネルギー順位から低いエネルギー順位にジャンプする際、X線を出します。大小2重のリング状になった超伝導体からも、高いエネルギー順位から低いエネルギー順位にジャンプする際、X線は出るのでしょうか?

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  • cyototu
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回答No.1

量子飛躍が起これないから、超伝導でいられるのです。 先ず、電子の量子飛躍から説明しましょう。この飛躍は、ボーアが最初に仮説として提案しました。しかし、これは単なる仮説であり、それを量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式の解として説明されたのは、その仮説の提出よりも30年以上後の1947年になってからです。 その年、Friedrichsは電子と電磁場の相互作用の簡単なモデルを提案し、電子のエネルギー順位の間のエネルギー差に相当する振動数と同じ振動数の電磁波が共鳴現象を起こすことを示しました。そこの振動数のところで特別に強く相互作用をし、その結果、電子のエネルギーが電磁波の方に移って光としてエネルギー放出される訳です。ですから、どんな色の光が出るかは、どこで共鳴現象が可能かによるので、原子によってはX線の時もあるし、可視光線の時もあります。 共鳴現象が何故起こるかの説明ですが、それを力学の方程式を使って調べてみると、その方程式の解の中に二つの振動数の差が分母の中に現れてくることが原因で起こることが判ります。その二つの振動数がたまたま同じになると分母がゼロになり、そこの所で巨大なエネルギー交換が可能になるのです。実際の方程式を解いてみると、この分母には二つの振動数の差から僅かずれた虚数部が現れ、分母は決して厳密にはゼロになれません。しかしそれでも、分母が小さくなるのでその振動数付近で強いエネルギー結合が起こります。この巨大な項が現れることを専門家は共鳴特異性と呼んでおります。 その結果、次のことが判ります。もし、順位間の振動数に相当するエネルギー状態を電磁波が持っていなかったら、共鳴現象が起こらず、従ってエネルギー放出ができなくなり、電子は高いエネルギー状態にずっと留まっていられる。 実際、これと本質的に同じ現象が、原子炉の水の中を走る中性子に起こっています。この場合にも、中性子の運動の解の分母の中に、中性子の速度と光の速度の差が現れます。もし、中性子が光と同じ早さで走れたら、その共鳴特異性によって、中性子は光を放出して運動の速度が減衰します。もちろん真空中では中性子は光より速く走れませんが、水の中では光の早さが相対的に遅くなり、原子炉の中でこの共鳴現象が可能になります。ですから、原子炉の水はいつもボーと光っています。この現象はチェレンコフ効果と呼ばれています。もし、中性子の速度が遅すぎて共鳴が起これなかったら、中性子は速度減衰のない言わば超流動をしていることになります。 このように、媒質の中を伝わる波の早さよりも早く走ると、共鳴現象により大きなエネルギー損失が起こり、遅く走るとそれが起こらない例はいくらでもあります。船の先端から出る三角波も、超音速ジェット機の出す衝撃波もチェレンコフ効果の一種です。船をゆっくり走らすと三角波は起こらず、エネルギー減衰も極端に小さくなります。 さて、いよいよ超伝導について話しましょう。電子は伝導体の中を移動しているとき、伝導体の結晶格子の振動、すなわち、フォトンと呼ばれる振動子と相互作用しています。運動方程式の解の中にやはり電子のエネルギーとフォトンのエネルギーの差の分母が現れます。そしてフォトンのエネルギーは温度に依存しています。一般には、このフォトンと電子の運動の間で共鳴現象が起き、電子はだんだんとエネルギーを失ってフォトンの方にエネルギーが移ってしまうのです。しかし、ある温度以下になると、エネルギー分母がゼロになれない物質が存在するのです。それはちょうど、中性子が光より遅く走っているような状態であり、共鳴現象でのエネルギーのやり取りが出来なくなります。従って、電子のエネルギーは減少できずに超伝導が起こってしまうのです。 この共鳴によって出てくる波は、光ではなくて格子振動のフォトンなので、X線はでません。一般にフォノンの振動数は可視光線の振動数と比べて桁違いに小さいので、エネルギー放出も原子から出る光と比べて、桁違いに小さいです。

その他の回答 (4)

  • cyototu
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回答No.5

#1です。 どの学問分野でも、それを毎日考えて来た専門家と、それを聞きかじったことのある程度の者とは、その知識の裏に隠された意味の理解度に関して桁違いな差があるものです。私も物理学をやってはおりますが、研究分野が違うので、多分私に聞いても裏にある意味を解さない薄っぺらな答になってしまいそうです。そのつもりで読んで下さい。 >下記のLEDの場合、ホールに入った電子のエネルギーは、すべて熱になるのでしょうか? http://www.kodenshi.co.jp/seminar/3.html の図2(b)によると、光も出ているのでエネルギーの一部が熱になっているように見えます。要するに間接遷移型の場合は、光の放出の効率が悪いと言うことのようです。 >元々直接遷移型であったものが、接合部分を切り離すことによって、間接遷移型になってしまうのでしょうか? http://www.kodenshi.co.jp/seminar/3.html の図2の下の説明によると、直接遷移型と間接遷移型の違いは物質の違いによるように書いてあります。接合部分の切り離しで一方から他方に変わるとは書いてありません。 >PとN型の接合部分を切り離して、真空状態にした場合、真空中で加速された電子が、ホールに入り、加速された運動エネルギーを持つ電子の光が発生するのではないでしょうか? 私はこのことに関して素人なので貴方のくれた情報だけでは何とも見当がつきません。切り離した後で、どんな新しい境界条件が現れてくるか判らないからです。 私の今までの経験で理解したことですが、同じ物理学と言っても、大変細かい知識を膨大に要求される分野と、本質的な機構の原理をより深く理解していることの方が、知識の集大成をより多く認識していることよりも重要になる分野があります。 一般に知識を要求される分野は工学に近い分野で、例えば物性論やプラズマ物理のような分野です。原理の理解の方をより要求される分野は統計力学、素粒子論、観測の理論など、基礎論と呼ばれるような分野です。私自身は後者の基礎論が専門なので、物性論に関する具体的な知識は皆無です。ただし、基礎論を専門にして来たので、量子飛躍に関する貴方の最初の質問に関しては自信を持って答えております。 その後の物性特有な技術的な貴方の質問に関しては、適切に答えられる方が大学にはいくらでもいらっしゃいますから、私にではなくて、その方達に質問されることをお勧めします。 また、貴方も既にやっていらっしゃるように、色々なウエッブサイトを開けてみて、自分の感覚に一番馴染んだ説明を探してみるのも一考です。私は貴方の質問の対して、例えば http://ja.wikipedia.org/wiki/直接遷移 などを参照してみました。他にもいろいろなウエッブサイトを当たってみて下さい。

mocha100
質問者

お礼

>どの学問分野でも、それを毎日考えて来た専門家と、それを聞きかじったことのある程度の者とは、その知識の裏に隠された意味の理解度に関して桁違いな差があるものです。私も物理学をやってはおりますが、研究分野が違うので、多分私に聞いても裏にある意味を解さない薄っぺらな答になってしまいそうです。そのつもりで読んで下さい。 個人的なことですが、昔私は体育会に所属しており、毎日猛烈に体を鍛え、体力だけは誰にも負けない自信がありました。ある日、些細な事がきっかけで、空手の有段者と喧嘩をすることになりました。相手の見かけは貧弱そうなので、私は「1分以内に足腰立たんように、してやるわ!」と思って喧嘩を始めたのですが、結果は逆で、ぼこぼこにやられてしまいました。(へぼでは無く、切れるパンチやキックがビシビシ飛んできました。)そのとき思いました。同じ体育会でも、毎日、喧嘩の練習(空手)をやっている奴は、やっぱり強い。餅は餅屋や!と。例えは、かなり違いますが、同じことですね。(笑) >などを参照してみました。他にもいろいろなウエッブサイトを当たってみて下さい。 「超伝導体の量子飛躍」につきましては、本等には記載されていませんでした。このPN接合部分を切り離して真空にする場合も本には記載されていません。質問するしか私には手段がありません。また別に質問させて頂きます。 しかし、この方法で、光が発生すると、青色の光を発する物質を探す必要がなくなり、真空で加速する電子のエネルギーによって、発する光の色が変わるので、大発見になるのですが、多分熱になるだけなのでしょうね。

mocha100
質問者

補足

お返事有り難う御座います。 >一般に知識を要求される分野は工学に近い分野で、例えば物性論やプラズマ物理のような分野です。原理の理解の方をより要求される分野は統計力学、素粒子論、観測の理論など、基礎論と呼ばれるような分野です。私自身は後者の基礎論が専門なので、物性論に関する具体的な知識は皆無です。ただし、基礎論を専門にして来たので、量子飛躍に関する貴方の最初の質問に関しては自信を持って答えております。 了解致しました。2重になった超伝導体の量子飛躍は、γが出るのではないか?もし出たら、物質のによらず、人為的にその強さ(波長の短さ)をコントロールできるのではないか。と期待していたのですが、ご回答によってその可能性がないことが解りましたので、これに関する探求は止めます。もしこのまま考え続けていましたら、時間の無駄になっていたところです。有り難う御座いました。 >http://www.kodenshi.co.jp/seminar/3.html の図2の下の説明によると、直接遷移型と間接遷移型の違いは物質の違いによるように書いてあります。接合部分の切り離しで一方から他方に変わるとは書いてありません。 そうですね。ある程度、本等を読んでから質問しております。接合部分の切り離しにつきましては、多分どの本や資料等を読んでも記載されていないと思います。 >その後の物性特有な技術的な貴方の質問に関しては、適切に答えられる方が大学にはいくらでもいらっしゃいますから、私にではなくて、その方達に質問されることをお勧めします。 そうですね。しかし大学生ではないので、聞くことができません。

  • cyototu
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回答No.4

#1です。私も気になったので、友人の量子光学の専門家に聞いてみました。 それによると貴方の言っている現象は在るようです。それは逆光電子分光(IPES)と呼ばれているそうです。 以下のWebページなどを参照して下さい。 http://lucid.msl.titech.ac.jp/~www/facilities/PES.html http://ha2.seikyou.ne.jp/home/Takehito.Senga/geocity/surfaceword.html#BIS  #3でも述べた私の言う第三者の役割は、電子と半導体との間の散乱過程に対して、第三の光子が担っているのだそうです。

mocha100
質問者

補足

お返事有り難う御座います。 >ただし、途中に第三者の粒子が媒介して、その粒子にエネルギーを受け渡すことによって、残りの2つの粒子が拘束状態になることはあり得ます。 図2 逆光電子分光装置部を見ますと、「入射光のエネルギーは、物質の持っているエネルギー幅以上にはならない。」ということなのですね。例えば、入射電子のエネルギーが100evであっても、物質の伝導体のエネルギーの幅が10evしかなければ、放出される光の最大エネルギーhνは10evなのですね。 >自由電子が散乱状態としてやって来て、原子との単純な2体相互作用によって拘束状態に遷移することは力学的に禁止されています。 単純な原子核の廻りを廻っている電子の場合は、了解しました。下記のLEDの場合、ホールに入った電子のエネルギーは、すべて熱になるのでしょうか?元々直接遷移型であったものが、接合部分を切り離すことによって、間接遷移型になってしまうのでしょうか?(下記HPの図2参照) http://www.kodenshi.co.jp/seminar/3.html (LEDの場合) 下記HPの「エネルギーが光に変わる!」の図で、この状態では、通常通り発光ダイオードから、光が出るだけです。もしもPとN型の接合部分(「ピカッ」の部分)を切り離して、真空状態にした場合、真空中で加速された電子が、ホールに入り、加速された運動エネルギーを持つ電子の光が発生するのではないでしょうか? http://www.kictec.co.jp/solar/GENRI/Led1.htm

  • cyototu
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回答No.3

再び#1です。私の物理の専門は量子光学ではありませんので、貴方の補足質問に関しては、私の知らない側面があるかも知れませんので、そのつもりで読んで下さい。 結論から言うと、何か特別な中間媒体の機構が存在しないときには、自由粒子がいきなり定常状態に捉えられることは不可能だと思います。 量子力学での自由粒子の特徴は、それが連続のエネルギーの値をとれることにあります。一方電子の定常状態ではエネルギーは不連続の値をとります。そして、連続状態を表す波動関数と不連続状態を表す波動関数は、数学の専門用語でいう「直交」をしています。その意味は、不連続状態を連続状態の中に見いだす確率はゼロであり、その逆に連続状態を不連続状態の中に見いだす確率もゼロと言うことです。 自由粒子は散乱の問題を論じるときの散乱前の状態と散乱後の状態でもありますから、この連続状態のことを、しばしば散乱状態とも言います。それに対して、定常状態では電子は拘束されているので、拘束状態とも言います。そこで上の性質のことを、しばしば「散乱状態は拘束状態と直交している」とも表現されます。 ですから、自由電子が散乱状態としてやって来て、原子との単純な2体相互作用によって拘束状態に遷移することは力学的に禁止されています。 ただし、途中に第三者の粒子が媒介して、その粒子にエネルギーを受け渡すことによって、残りの2つの粒子が拘束状態になることはあり得ます。あるいはもっと複雑な媒体が役割を演じても良いかも知れません。 従って第三者が何であるかを具体的に指定しないと、貴方の質問には明確には答えられないというのが、今までにこの問題を具体的に計算したことのない私の印象です。

mocha100
質問者

お礼

もし電子が真空中を飛び辛いなら、下記の2極真空管や3極真空管のようにして、電子を飛ばせばOKなはずです。 http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/vacuumtube.htm

mocha100
質問者

補足

お返事有り難う御座います。 >何か特別な中間媒体の機構が存在しないときには、自由粒子がいきなり定常状態に捉えられることは不可能だと思います。 ン~、そうでしょうか?難しいですね。 では、更に下記について教えて下さい。 下記HPの「エネルギーが光に変わる!」の図で、この状態では、通常通り発光ダイオードから、光が出るだけです。もしもPとN型の接合部分(「ピカッ」の部分)を切り離して、真空状態にした場合、真空中で加速された電子が、ホールに入り、加速された運動エネルギーを持つ電子の光が発生するのではないでしょうか? http://www.kictec.co.jp/solar/GENRI/Led1.htm

  • cyototu
  • ベストアンサー率28% (393/1368)
回答No.2

#1です。 そこでの文章に誤植がありました。 そこでフォトンと言っているのは全てフォノンです。 フォトン(光子:電磁波を量子化したもの) フォノン(格子振動子:格子振動の波を量子化したもの) フォノンを音響子と呼ぶこともありますが、結晶内の「音」は、その伝わる機構の原理が可逆力学による原理の結果であり、空気中の「音」では、不可逆力学による原理の結果であると言うように、その伝わる原理が互いに相容れない全く違った原理に立っているので、誤解を避けるために私は音響子と言う言葉を使いません。

mocha100
質問者

お礼

お返事有り難う御座います。 難しい事項なので、専門家でないと完璧には理解できないですが、だいたいわかりました。 しかし、「超伝導体の量子飛躍を利用して、X線を作れるのではないか。」というアイデアがなぜ超伝導の本に記載されていないのかも理解できました。素人の浅はかな考えでした。

mocha100
質問者

補足

すいません。超伝導とは関係ないのですが、以前からの疑問について教えて下さい。 ある原子の廻りの1個の電子が、高いエネルギー順位から、低いエネルギー順位に移動した際、その落差分の光が発生します。これをルミネセンスと言います。 では、あるエネルギーを持った自由電子が、原子の軌道の外から、いきなり低いエネルギー順位に入り込んで来た場合(低いエネルギー順位に空席があった場合です)、自由電子の持ったエネルギーの光が発生するのでしょうか? X線発生装置は、自由電子を軌道電子にぶつけて、その軌道電子を弾き出して、結局、 高いエネルギー順位から、弾き出された低いエネルギー順位に移動し、その落差分の光が発生します。これもルミネセンスです。この場合と上記の場合は、異なります。上記の質問は、ルミネセンスとは異なり、自由電子が持っているエネルギーが、光として発生するかの質問です。 ではよろしくお願い致します。

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