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トランジスタ-hパラメータの依存性について
トランジスタのhパラメータの依存性について質問します。 hパラメータはコレクタ電流Icによってhfe以外は大きく変化しますが、コレクタ-エミッタ間電圧には依存しませんよね。。 なぜなのか、ご存知の方教えてください。 よろしくお願いします。
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hfe がコレクタ-エミッタ間電圧 Vce に依存しないというのは、ベース電流が一定のとき、Vce を変えてもコレクタ電流 Ic が一定( Ic-Vce特性が水平になっている)ということです。なぜそうなるのかを定性的に説明すると次のようになります。 過去の質問(参考URL)の回答 ANo.4 にある2番目の図を参考にして頂きたいのですが、コレクタ電流というのはこの図のベースからコレクタに流れる正孔(+)の流れになります(この図ではPNPトランジスタの場合で説明しています)。コレクタ電流が大きいというのは、ある時間(例えば1秒間)にここを通過する正孔の数が多いということです。この回答では、なぜトランジスタに電流増幅作用があるのか説明しているいるのでそれも読んで頂きたいのですが、コレクタ電流というのはエミッタに注入された正孔がベースを通りコレクタを抜けて流れる電流です。そのとき正孔が流れる経路は、途中から正孔が合流したりどこかに枝分かれしたりせず一本道になっています。つまり、エミッタに入った正孔の数がそのままコレクタに流れます。つまりエミッタ電流はコレクタ電流にほぼ等しいことになります。 コレクタ-エミッタ間電圧 Vce を変えるというのは、この図で言うと、ベース-コレクタ間の傾斜が変わるということになります。ベース-エミッタ間の電圧 Vbe はほぼ一定なので、Vce を変えるというのは ベース-コレクタ間電圧 Vbc を変えるということと同じです。したがって、Vce が大きいほど、ベース-コレクタ間の傾斜が大きくなります。、ベース-コレクタ間は逆バイアスなので、普通はここに電流は流れませんが、ベースが薄いので、エミッタからベースに注入された正孔がそのままコレクタ側に行ってしまい、それがコレクタ電流になります。しかし、ベース-コレクタ間の傾斜が変わったからといってコレクタを流れる正孔の数は変わりません。なぜなら傾斜を流れる正孔はエミッタに注入された正孔の数とほぼ同じだからです。エミッタに注入される正孔の数は、ベース-エミッタ間の電圧によって大きく変わりますが、一旦エミッタに入った正孔は、ベースの先にある傾斜が緩やかでも急でもそのままコレクタに流れていきます。したがって Vce を変えても Ic はほとんど変わりません。ベース電流 Ib は、ベース-コレクタ間が逆バイアスになっていれば、Vceの大きに依存しません。つまりVce を変えても Ib は一定です。Ib も Ic も一定ならその比 hfe = Ic/Ib は Vce を変えても一定です。 式を使って説明すると長くなるのでしませんが、Vce に対する Ic の変化率は ∂Ic/∂Vce = - ( Ic/W )*∂W/∂Vce で表わされます。W は実効ベース厚(本来のベース厚から空乏層厚を引いたもの)です。∂W/∂Vce は Vce の変化に対する実効ベース厚の変化ですが、これはベース-コレクタ間が逆バイアスならば非常に小さくなります(0に近い)。したがって、Vce に対する Ic の変化は非常に小さくなります。しかし下実には完全にゼロではないので、実際のIc-Vce特性には少し傾斜があります。この傾斜(コレクタ抵抗)の逆数が h パラメータの hoe になります( 1/hoeがコレクタ抵抗)。hoe が大きいほどこの傾斜が大きくなって、「hfe が Vce の依らず一定」という性質が成り立たなくなってきます。
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 ご丁寧なご回答、ありがとうございました♪