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「2001年宇宙の旅」について

shako-chanの回答

回答No.5

NO.4の方が書かれたのが、映画界やSFファンの間に言われている一般的な見解だと思います。 スタンリー・キューブリック監督が、意図的に説明を排し難解にしたこと、観る者によって解釈の仕方が異なってかまわない、ということを前提にした上で、多少の補足をさせていただきましょう。 まず映画の中に登場する謎の黒石板"モノリス"は、人類より遥かに高度に進歩した生命体"オーバロード"が造ったもので、下等生物の教育装置(より高度に進化するよう導く)であり、通信装置(対象の進化の段階を報告する)でもあるようです。 地上では類人猿から人類への進化を促し、月では人類が宇宙旅行が可能な段階に進歩したことを確認した上で木星へと誘導し、木星ではボーマン船長を光の潮流、異次元への扉"スターゲイト"へと招きます。 デビッド・ボーマン船長が"スターゲイト"を通り抜けて辿り着いた、例の豪華な装飾をされた(近世フランス・ロココ調の)部屋。 この部屋は、ボーマン船長が人類代表として進化の次の段階へ進むにあたり、脆弱で寿命のある肉体を捨て去り霊的(ある種のエネルギー?)存在になる前に、身体的な快楽として、目や舌を楽しませるために与えられたものです。 つまりボーマン船長は最後の晩餐をさせられたという訳です。 映画の中で一つの画面に、ボーマン船長と老いたもう一人のボーマン船長が同時に映っているのは、映画的な演出でしょう。 映画制作当時はモーフィングによって人の身体を急速に老化させてみせる技術もありませんでしたし、ボーマン船長が同一人物であり急速な時間の経過を観客に解らせるには、ああするしかなかったのかもしれません。 さて、映画の冒頭で、敵対する同種の類人猿を撲殺した類人猿が、武器にした獣骨を空高く投げ上げ・・・それが宇宙船へと変わる というシーンがありますが、 あれは宇宙船といより、地上攻撃用の核ミサイル発射衛生という設定だったようです。映画公開前に、キューブリック監督の意図で、物語の背景--- 宇宙開発と月の鉱物資源の獲得競争にしのぎを削る東西両陣営は、核兵器を装備し一触即発の緊張状態にある---というような説明はバッサリカットされてしまいました。 これにより、po-dukeさんが感じたような疑問や謎が多く残ることになってしまったわけです。 オーバーロードによって強制的に進化させられたボーマン船長の姿が、あの宇宙の胎児"スターチャイルド"です。 スターチャイルドは高度に進化した生命体なので、それに比べると地球人は蟻のように取るに足らない生物に過ぎない。 なので、オーバーロードはスターチャイルドに玩具として地球を与えた。 核兵器を振りかざしていがみ合う人類を啓蒙してやるか、それとも抹殺してしまうか、スターチャイルドよお前次第だ、とでもいった感じでしょうか。 映画公開時にはカットされてしまいましたが、 当初、スターチャイルドが思考しただけで、地上の核兵器が全て機能停止してしまう、というシーンがあったそうです。 これもキューブリック監督の他作品「博士の異常な愛情」に類似しているという理由からカットされました。 以上、一般的に流布されている事柄を書きましたが、他の解答者の方々が言うように、解釈の仕方は鑑賞者の任意ですので、他にどんな解釈の仕方があるのか考えてみるのも楽しいと思います。 アートの鑑賞の仕方に決定的なルールは無いのですから。

参考URL:
http://ja.wikipedia.org/wiki/2001年宇宙の旅

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