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量子力学:観測後の位置・運動量の固有関数について

neputa_001の回答

回答No.4

量子力学I/小出昭一郎/裳華房[1]を参照しました. >(今は、X軸のいたるところでポテンシャルが0の自由に >運動する粒子について考えています) >そもそも、この場合ハミルトニアンはどのような形に >なるのでしょうか? 一次元自由粒子のハミルトニアンH = p^2/2mです. 以下では,一次元自由粒子系について考察するものと了解します. >また、画像のような波束はどのような粒子の運動を >表しているものなのでしょうか? 自由粒子の運動です. 時刻t=0において,粒子は位置x=0のまわりに幅1/√αでガウス関数的に局在しており,また,hbar k_0のまわりに幅hbar √αでガウス関数的に局在した運動量分布を持っています. >では、観測後のデルタ関数は >具体的にどのような関数になるのでしょうか? その関数は,画像の関数においてk_0 = 0 としたものに,(α/π)^(1/4)を掛け,さらにα→∞,とした極限として与えられます. なぜならば,文献[1]における3.6節(8)式の代わりに,初期状態としてデルタ関数を考えればよいからです((8)式においてk_0 = 0 としたものに,(α/π)^(1/4)を掛け,さらにα→∞の極限をとるとデルタ関数に一致します) この場合には,波束は瞬時に崩壊し,全空間に広がってしまいます. 波動関数として,δ関数を用いる場合と,画像の関数を用いる場合とでは規格化の仕方が違うことに注意が必要です. 前者は <x|x'>=δ(x-x')    (1) によって規格化された波動関数です.ただし|x>は位置がxに確定した状態です. 後者は <ψ|ψ>=1 によって規格化された波動関数です. >exp(i p_0 /hbar x)のような形に収縮するであろう事は >テキストなどにより一応理解しているのですが、 >規格化定数Aは具体的にどのような数になるのでしょうか? 自由粒子の場合,運動量の固有値は連続的に存在します.このように連続変数で固有関数が指定される場合,(1)式のように規格化することが普通です. このように規格化する理由は次のとおりです: ある物理量の固有値が離散的に存在する場合において,固有状態を指定するインデックスをiとして,固有状態|i>のセットは互いに規格直交化できます: <i|j>=δ_ij ただし,δ_ijはクロネッカーのデルタです.このように規格直交化すれば,完全性関係 Σ|i><i| = 1 が成立します.これに対応して,連続固有値の場合に(1)の規格化を用いれば,完全性関係 ∫dx|x><x| = 1 が成立し,離散固有値の場合との対応がよいからです. もし,この規格化の仕方を採用したとすれば, <p|p'>=δ(p-p')    (2) (ただし|p>は運動量がpに確定した状態) によって規格化されますので A = 1/√(2π hbar) となります. ただし,別の規格化の仕方を用いても整合性さえとれていれば問題ありません. たとえば,(2)の代わりに <p|p'>=2 π hbar δ(p-p') と規格化する流儀もあります.この流儀に従えば A = 1 となります.

reich
質問者

お礼

詳細にありがとうございます。 >その関数は,画像の関数においてk_0 = 0 としたものに, >(α/π)^(1/4)を掛け,さらにα→∞,とした極限として与えられます. 計算してみましたが∫f(x) dx が1にならず、デルタ関数には なりませんでした。かける数を(α/4π)^(1/4)にすると 積分は1になるようですが、(α/4π)^(1/4)の間違いという事で よろしいでしょうか? しかし (α/4π)^(1/4) だとしても、∫|f(x)|^2 dx が1にならない ので、波動関数としてはふさわしくないように感じたのですが、 いかがでしょうか。 >A = 1/√(2π hbar)となります. そうですね。予想していた値と同じで、 そのように私も今まで理解していたのですが、 ここで一つ疑問があります。 運動量の観測後、波動関数が φ(x)= 1/√(2π hbar) exp(i p_0 /hbar x) のように収縮した後、 この自由粒子が見出される全確率を計算してみますと、 ∫1/2π・dx = ∞ (積分範囲は-∞から∞)となってしまいます。 粒子の存在確率の和は必ず「1」でなければならない気がする のですが、 そうならず∞になってしまうという事をどのように 理解すればいいのでしょうか? 範囲が無限なら全確率が発散するのは仕方がないとも 思ったりしますが、無限でなくとも、空間の長さが 2π を 越えただけで確率の和が1を 越えてしまいますよね。 せいぜい6.28mの長さを越えただけで全確率が1を越えて しまうというのが、よく分からずにいます。 そう考えると、φ(x)= 1/√(2π hbar) exp(i p_0 /hbar x) に収縮するというのは本当に正しいのでしょうか・・。

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