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あなたのことを愛しているの 「のこと」って何ですか
「あなたのことを愛してる」「君のことが好きだ」 ドラマでも歌詞でもとても目立つ言い回し。 でも「~のこと」って何でしょう? 「あなたを愛している」「君が好きだ」では足りませんか。 たとえ微妙にでも意味が変わりますか。
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はじめまして。 1.「こと」というのは本来、「ものとしてでなくとらえた、意識・思考の対象」を表します。 2.一般に「もの」がその形を見たり手で触ったりでき、ある場所を占めると考えられるのに対し、「こと」は、ものの働き・性質、ものの間の関係などを取り上げて言う時に使う、抽象的な言い回しです。 3.また、「ある対象を中心にし、それに関する一切の事柄・あり方」を指します。 例: 「ぼくのことは心配するな」 「あの人のことだから間違いない」 「私としたことが、何と言うへまをしたのだろう」 ご質問の「こと」はこの用法と同類です。 3.従って、「あなたのことを愛してる」と言う時、その「こと」の用法は、以下のことを表しています。 (1)「あなた」を、「人」という物理的な対象としてではなく、その性質を持つ抽象的な対象としてとらえている (2)「あなた」を、自分の思考・感情の対象の中心に置き、「あなた」に関する一切の事柄・在り方を指している 4.「こと」の有無による意味の違い: (1)あなたを愛している:「愛している」という動詞の目的語が「あなた」ということです。つまり、「愛している」対象が、「あなた」であるという主題の喚起です。 例: 「家族を愛している」 「地球を愛している」 それぞれ、状況・場面により、「愛している」の対象が何か、の違いだけです。 (2)あなたのことを愛している:「あなた」の存在自体、その存在に関係するもの全て、その存在に伴う抽象的なもの、例えば性質・まわりの空気(雰囲気)・態度などを対象にしています。 (3)両文のニュアンスの違いを知るには、以下の例文で比べてみると一目瞭然でしょう。 例: 私は、ポチが、好きだ。 私は、ポチのことが、好きだ。 下の文は、犬に対してはちょっと大げさに聞こえます。ポチの性質を含め、ポチの存在に関わる全てのことを「好き」と公言しているからです。 勿論犬に使ってもよいので、主観によって「好き」「愛している」の度合いを強調したい場合は、「こと」の使用はより有効的、ということになります。 以上ご参考までに。
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- azuki24
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『大野晋の日本語相談』(朝日文芸文庫)に答えがあります。 → 「君のこと好き」の こと は「儀」から (同書p.275~278) 辞書では「~(の)儀」も「~(の)事」も、「~について言えば」のような意味・用法を例示しています。 ------------ 『広辞苑』 ぎ【儀】 (5) (主に文章語として) 人を示す体言に添えて、それについて言えば、の意を示す。 「私儀」「その方―」 ------------ こと【事】 [1] 意識・思考の対象のうち、具象的・空間的でなく、抽象的に考えられるもの。「もの」に対する。 (2) 言ったり考えたり行なったりする中身。 (ウ) (体言に続けて) 「それについて言えば」の意。「私―一身上の都合により」 ------------ 「~(の)儀」「~(の)事」が時代を追って「~のこと」の意味に変化した過程は本書をみていただくとして、なくても意味の通じる「こと」が現代も活きている理由をについて著者は以下のように締めくくっています。 ---------------- 考えてみると、日本語の世界では人間を指す代名詞が、それだけ確固とした人格の存在を示さない感じのすることがあるのですね(恋人をいうときのカレ、カノ女などははっきりしているでしょうが)。 人格の存在感、行為者としての存在を語形の上で明示したいという気持ちが底に流れているから、ボクだけでなく、ボクノコト、ワタシだけでなくワタシノコトと、コトを加えるのではないでしょうか。 ----------------
- luune21
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「こと」は、はっきりとはわかっていないものや、実体ではないものをあらわすときに使います。そのことから、主に意識や思考対象となるものです。 この対になるのが「もの」で、これは、はっきりと感じることができるような、「こと」よりも、より具象的なものに使います。 A)夏目漱石を知っている B)夏目漱石のことを知っている Aは単に聞いたことがある程度でもかまいません。単純です。 一方。Bは「夏目漱石」が指す概念ついてまで(多少にかかわらず)知っている、ということになります。 「こと」を入れる場合は、本を読んだ、学校で習ったなどで、「夏目漱石」という語が指す何か抽象概念まで知り及んでいますよ、ということを示したいのときなのです。 「あなたを愛している」「君が好きだ」は単純にそのまま(考え方によっては「あなたのすべて」ともいえなくはない)です。これに「こと」を入れると、「あなた」という人が持っている抽象的な属性を好きだといっているのです。 「夏目漱石のことが嫌いになった」、というと夏目漱石の持っている何かが嫌いになった、という意味で、「夏目漱石が嫌いになった」というと、具体的な夏目漱石、つまり夏目漱石のすべてが嫌いになった、という意味になります。
- ANASTASIAK
- ベストアンサー率19% (658/3306)
英語で言えば、what you are なんでしょうね。 「私のこと、好き?」といわれたら、相手に関することがら諸々と いうことなのでしょう。
Q、「~のこと」って何でしょう? A、単なる強調表現の手法。 好きな対象を2重に特定することで、念を押すことになります。 好きな対象を2重に特定することで、しつこさも加わります。 そういう訳で、「何なのか?」を解き明かす必要はないでしょう。 単なる強調表現の手法と考えたらいいです。
お礼
(まとめてこの欄にお礼と感想を書くことをお許しください) ご返答ありがとうございます。みなさまのご意見から分かったことは 「~を」 で 対象を示し、 「~のことを」で対象とその属性までを 示すと、簡単にはまとめられるかと思います。 しかし、あるフォーク歌手のCDからの実例を挙げれば、 「私のことを運んでくれる」「私のことを傷つけた」「私のことを追いかけてきた」「君のことを街で見かけた」 ・・・。 不必要と思われる「こと」が多すぎて首を傾げたくなります。例外的に、理解できるのが 「~を聞く(聴く)」。 「あなたを聞く」では意味が通らず、「~のことを聞く」で 「~のうわさを聞く」の意になるかと思います。英語で言えば hear of~でしょう。 ただし「バッハを聴く」と「バッハのことを聞く」では意味が変わるのは明白です。 「あなたのことを愛している」について。あなたという対象だけでなく、あなたに関するさまざまなことを愛している、ということかもしれませんが、愛するというのは元々相手を包括的に好きになること(ほんの一部だけ好きでは愛している、とは言えないのではないか)と理解しているので、~のことなどはじめから不要なのではないかと思います。「~のほう」 というのと同様、とても耳障りに感じます (ポイントの分配がうまくいかなくてすみません)