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材料力学の影響は?
- 同じ材厚の材料A、Bからなる組合せはりが一様に曲げられた場合のひずみと応力分布について知りたいです。
- 材料A、Bの縦弾性係数が同じ場合と異なる場合での影響を教えてください。
- また、材料力学を分かりやすく解説しているサイトがあれば教えていただけると嬉しいです。
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最初の質問(http://oshiete1.goo.ne.jp/qa3287777.html)のANo.2です。 補足質問の回答がなかったので、梁表面から曲率中心までの距離を曲率半径として計算します。歪分布は式(4)、応力分布は式(5)です。式(4), (5)に出てくる y0 は式(6)で与えられます。式(6)の y1 は材料A, B の境界の位置(同じ厚さなら y1 = t/2 )です。 (1) 梁の曲げと歪み 厚さ t の梁を、下図のように、点Oを中心として「下に凸」となるように湾曲させたとします。図では梁は真っ直ぐに描かれていますが、微妙な湾曲を描けないので、実際にはU字型に湾曲しているとしてください。 O ← 曲率中心 ( y = - ρ ) ∧ dθ │ │ │ │ 梁上面 ━━┿━┿━━ y = 0 中立面 - - a - - b - - y = y0 │ │ ──c──d── y 梁下面 ━━━━━━━ y = t 曲げの中心を曲率中心といいますが、この曲率中心Oから下側の方向を y 軸の正の方向として、y = 0 のところに、梁の上面があるとします。すると、梁の厚さが t のとき、梁の下面は y = t の位置に、曲率中心Oは y = -ρ の位置になります。点Oを中心として梁を湾曲させたとき、梁の上面は圧縮され、梁の下面は引っ張られます(上下面とも圧縮されたり、引っ張られたりということはありません)。このとき、梁の内部には圧縮も引張りもない(応力のかかっていない)中立面というのがあります。その位置を y0 とします( 中立面は梁内部にあるので 0 < y0 < t です)。この面上の2点a, b を考えます。ab間は非常に接近しているとして、上図のように、微小角度 ∠aOb を dθ とします( dθ はラジアン単位の角度)。すると、ab間の距離は、Oとaとの距離 ρ+y0 を半径としたときの円弧の長さになりますから ab = ( ρ + y0 )*dθ --- (1) となります。一方、y の位置にあって、中立面と平行な梁内部の面を考え、その面上の2点c, d を考えます。点 c は直線Oaの延長線上にあり、点 直線Obの延長線上にあるとします。すると、微小円弧cdの長さは cd = ( ρ + y )*dθ --- (2) となります( もし y = y0 なら ab と同じになります)。ここで、微小円弧 cd が受ける歪 ε は ε = ( cd - ab )/ab --- (3) で表わされます。つまり、歪 = (長さの変化分)/(応力を受けていないときの長さ) です。式(1)と(2)を式(3)に代入すれば ε = { ( ρ + y )*dθ - ( ρ + y0 )*dθ }/{ ( ρ + y0 )*dθ } = ( y - y0 )/( ρ + y0 ) --- (4) となります。これが梁内部の歪み ε と梁上面からの深さ(y) との関係です。この段階では y0 がどこに来るのか分かっていないので、これはまだ答えではありません。しかし、y = y0 のとき、歪がゼロ(中立面なので当たり前)、y がそれより大きいところ(梁の下のほう)では歪が正、つまり長さが伸ばされているような引張り歪みを受けていることになります。逆に y < y0 のところでは梁は圧縮応力を受けているということが分かります。 (2) 中立面の位置 では中立面の位置( y0 ) はどうやって求めるのでしょうか。梁内部に元々歪がなければ、応力の総和はゼロという性質を使います。応力 σ [Pa] は歪にヤング率 E [Pa] をかけたものです。つまり式(4)から σ = E*ε=E*( y - y0 )/( ρ + y0 ) となります。「応力の総和はゼロ」というのは、σ を厚さ方向で積分したものがゼロということです。ただしE は場所によって違うので、場所によって σ を変えます。つまり σ = Ea*( y - y0 )/( ρ + y0 ) ( 0 ≦y ≦ y1 )、 = Eb*( y - y0 )/( ρ + y0 ) ( y1 < y ≦t ) --- (5) とします。 y1 は材料AとBの境界の位置です。これを y = 0 から t まで積分すれば ∫[ y = 0 ~t ] σ dy = ∫[ y = 0 ~y1 ] Ea*( y - y0 )/( ρ + y0 ) dy + ∫[ y = y1 ~t ] Eb*( y - y0 )/( ρ + y0 ) dy = [ Ea*( y1^2/2 - y1*y0 ) + Eb*{ ( vt-2 - y1^2 )/2 - ( t- y1 )*y0 } ]/( ρ + y0 ) これがゼロなので Ea*( y1^2/2 - y1*y0 ) + Eb*{ ( vt-2 - y1^2 )/2 - ( t- y1 )*y0 } = 0 y0 について解けば y0 = { ( Ea - Eb )*y1^2 + Eb*t^2 }/[ 2*{ ( Ea - Eb )*y1 + Eb*t } ] --- (6) もし、AとBの厚さが同じなら y1 = t/2 なので y0 = { ( Ea - Eb )*( t^2 )/4 + Eb*t^2 }/[ 2*{ ( Ea - Eb )*t/2 + Eb*t } ] = ( Ea + 3*Eb )/{ 4*( Ea + Eb ) }*t さらに、もしEa = Eb なら y0 = t/2 となって、中立面は梁の厚さの中央になります。Ea = Eb というのは同じ材料でできた梁なので、中立面が厚さの半分になるのは当然です。 一方、Ea < Eb の場合、Ea = k*Eb ( 0 ≦ k < 1 ) とおけば y0 = ( Ea + 3*Eb )/{ 4*( Ea + Eb ) }*t = ( 3 + k )/{ 4*( 1 + k ) }*t となります。これは k に対して単調減少で、k = 0 のとき y0 = 3/4、k = 1 のとき y0 = 1/2 なので、k が 0 ≦ k < 1 の範囲で動くとき t/2 < y0 ≦ 3*t/4 となります。つまり、Ea がどんなに小さくても中立面は y = 3*t/4 より下には来ません。 逆に、Ea > Eb の場合( 1 < k ) t/4 < y0 < t/2 となります。Eaが無限に大きくても、Ebがゼロでも、中立面は y = t/4 より上には来ません。