簡単に技術だけで言うとシナのそれは確かに世界の最先端であり産業革命以前において対抗出来たのはギリシア・ローマの技術を擁していたイスラムしかありません。
しかしそのシナにも欠点がありました。儒教がそれです。この中では技術・商業・勤労・軍事は下賤の者がやる仕事。王侯貴族や官僚は天下国家の事を論じ漢詩を作れば良い。その為の学問として儒教を叩き込むという国是です。
今日ならば文学者や宗教家を国家のトップに付ける事と同じ事だと言えば深刻さが分かると思います。
近代化の前提条件の一つは国民(敢えてこの表現を使います)に境域が普及する事なんですが印刷技術がそれへの関門となります。
ヨーロッパではそれが普及するとまず何が印刷されたか?それは聖書です。それまでは手書きの写本(手間暇かかるから高価)だけだったから教会にしかありませんでした。それが安く出回ると熟読してカトリック(旧教)について批判する人々が現れます。教科書にでてくるルター等の改革者とプロテスタント(新教)がそれです。この新教は商業・勤労を肯定します。一方で旧教は軽視しています。で新教を受け入れた国は必然的に国力が上がります。その結果がイギリスの産業革命です。それに対抗する為に旧教の国も産業革命を導入し国力を上げる必要が出てきました。それが産業革命以後のヨーロッパとアジアの格差となっていくのです。
中国ではどうか?印刷は中国で生まれましたがそれは王侯貴族官僚の独占で終わりました。彼らは一流の文学者でもあるので本を出版するのですがそれらはあくまでも贈答品です。装丁・フォント・素材を厳選した為余りにも高価な代物です。それに書いてあるのはポエム(漢詩)。実際日本にも伝わってるそれらの本は国宝となってます。歴史的価値は勿論、単純に美術的価値を認められての事です。例えて言うならばコミケの同人誌(限定物)が数百年後の未来で国宝になってると思えば分かるかと思います。
お礼
こんにちは。早速のご回答ありがとうございました。これまで既出の問答や色々なサイトには目を通してきましたが、私の中での曖昧な理解がクリアになりました