有機化学:チオール合成、硫黄ラジカル、フッ化水素(HF)について
- チオール合成にはチオ尿素がよく使われます。しかし、チオ尿素によるチオールの合成後の加水分解について理解が不足しています。
- 硫黄ラジカル(S・)は他のラジカルと比べて安定性が高いとされていますが、その安定性についての説明は不明です。
- フッ化水素(HF)は弱酸であり、H-ClとR-Clの反応式があるなど、ハロゲン化物との反応性について疑問があります。
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<有機化学>チオール合成、硫黄ラジカル、フッ化水素(HF)について
いつもお世話になります。以下、3点の質問です。 どれか一つでも構いません。お時間があれば、回答をお願い致します。 (1) チオール(R-SH)の合成には、チオ尿素が使われることが多いそうです。 NaSHによるSN2反応だと、スルフィド(R-S-R)などが副生成物として出てくる から、だそうですが。これは理解しました。 参考:http://www.chem-station.com/odoos/data/solgosei.htm チオ尿素のSがハロゲン化アルキルを攻撃する(SN2反応)のは分かるのですが、 その後の塩基による加水分解が……分かりません。 水酸化物イオンがどこかを攻撃するのだと思いますが……。力不足です。 (2) 炭素ラジカル、酸素ラジカル、塩素ラジカルなどがある中で、 硫黄ラジカル(S・)が比較的(あるいは最も)安定なラジカルだと、 どこかに書いてありました。(URLを忘れてしまったので……紹介できませんが) 参考:http://www.chem-station.com/odoos/data/tiol-ene.htm ↑このページによれば、ラジカルの反応機構でもチオールは合成できるようです。 これは硫黄に限った話なのでしょうか? 硫黄ラジカルが安定なのだとしたら、その安定性はどう説明されるのでしょうか? (3) フッ化水素(HF)は、Fの強い電気陰性度のために、容易に解離せず、 HClやHBrと違って弱酸である。これは理解できます。 また水素結合を形成するために沸点が低い。これもOKです。 参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A1%A9%E9%85%B8 ↑これはWikipediaの「塩酸」のページですが、この中に R-Cl + HF → R-F + H-Cl という反応式がありました。 この反応はなぜ進むのでしょうか? R-ClよりもH-Cl(H+ と Cl-)である方が安定だからでしょうか。 とすれば、H-FよりもR-Fの方が安定なのでしょうか? どうにも違和感が残ります。ハロゲンに関する知識の不足が原因ですが…… 内容が山盛りになってしまい、申し訳ありません。 仮にも有機系の研究室に配属されている身だというのに……。(泣)恥かしい限りです。 どれか1つだけでも構いません。ご教示下さい。
- dumvo-h
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3番の問題: これは各原子の電気陰性度の差と結合に使われる軌道のエネルギー順位から考えるとよいかもしれません。 H : 2.1 C : 2.5 F : 4.0 Cl : 3.0 F原子は、たしかに核に強く引きつけられているので分極率は非常に小さいのですが、一旦、F^-になると逆に非常に強い求核性を示します。 そこで、C-F結合が出来るときは、Cの2p軌道(混成)とFの2p軌道同士の結合ですので、電気陰性度の差が1.5有ろうと安定になると考えられます。 H-F :1.8 C-F : 1.5 もう少し巧い説明は、他の方の回答を待ちましょう。
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2番の問題: >硫黄ラジカルが安定なのだとしたら、その安定性はどう説明されるのでしょうか? R-S・の安定性は、恐らくR-O^-よりR-S^-のほうが安定であることと同じ 説明かと思います。 R-S・の硫黄原子はsp2混成軌道から出来ており、2組の非結合電子対はsp2混成軌道の2こに存在し、不対電子1こは3p軌道に入っている。 この3p軌道の大きさが安定化に寄与していると考えられる。
お礼
3p軌道の大きさが安定性に寄与している。 ……2pよりも3p軌道の方が(半径が)大きく、電子の自由度のようなものが 大きいために、安定なのでしょうか。 >R-S・の安定性は、恐らくR-O^-よりR-S^-のほうが安定であることと同じ 説明かと思います。 このあたりをもう少し自分で勉強してみようと思います。 言われてみれば……そうですね、アニオンの安定性を同じ議論なのだと思います。 大変参考になりました。ありがとうございます。^^
とりあえず1番から: R-X + NH2C(=S)NH2 → R-S-C(=NH)NH2 R-S-C(=NH)NH2 + OH^- → R-S-C(OH)(NH^-)NH2 R-S-C(OH)(NH^-)NH2 → R-SH + NH2C(=O)NH2 チオール化合物と尿素ができます。
お礼
なるほど。 水酸化物イオンが炭素を攻撃して、あとはチオールと尿素になるように、 プロトンを引き抜いたり、または水のプロトンを引き抜いたりして、 反応が進むわけですね。 どうにもこの「加水分解」というものが苦手で……。 ありがとうございました。
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