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解雇を無効とした地裁の決定
昨日の新聞報道によると 性同一性障害の男性が、自分を解雇した会社を相手に地位保全などを求めた仮処分申し立てについて、東京地裁はこの人の主張をほぼ認める決定をしたそうです。 この人は、今年1月、会社に対して、女性の格好で勤務することや女性トイレの使用を訴えました。しかし、会社はこの主張を認めませんでした。 3月から女性の格好で通勤しました。 会社は女装しないよう命じ自宅待機処分としました。しかし、その後も女装して出勤しました。 4月に会社は懲戒解雇しました。 地裁の決定は、来年4月まで毎月22万円の給与を支払うよう、会社に命じるものです。 さて、質問です。 ・来年4月までとのことですが、期間の根拠はなんでしょうか。 ・来年4月までは、会社に出勤せずに、別の会社に勤めたり、自分で事業を起こしたりしてお金儲けしても、解雇した会社は給与を払わなければいけないのでしょうか。 ・この人が仕事が生きがいで、どうしても女性の格好をして出勤してきた場合、会社は追い返すことができるのでしょうか。 ・この人は、警察(か、よくわからないですが。)の助けを借りて、会社が出勤を邪魔してきた場合に、その会社側の行為を止めることができるのでしょうか。 ・毎月22万円の給与さえ払えば、会社はこの人の出勤を止めること自体は出来るのでしょうか。 ・来年4月を過ぎたら、この人は社員ではなくなるのでしょうか。そのとき、退職金はもらえるのでしょうか。 ・今年4月に失業したものとして、失業手当をもらうことはできるでしょうか。 ・来年4月に失業するものとして、来年4月の分から失業手当をもらうことが出来るでしょうか。(正確にいうと5月か?) ・今回は、仮処分申し立てということなので、本格的な訴訟に移行するのでしょうか。会社側もこの人も主張を曲げなかった場合、いつこの人は社員でなくなるのでしょうか。
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質問者が選んだベストアンサー
いつまで従業員であるかは,解雇される前の雇用関係によって決まります.正社員であればおそらく定年まででしょう. ただし,今回の事件について知る限りでは,従業員が勝訴しても根本的な解決にはならないような気がします.解雇が無効になっても女性として平穏に仕事がしていけるとは思えません. 私なら和解を勧告します.
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- kanarin-y
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今回の事件について具体的なことは知りませんので,一般論として説明します. 不当に解雇された場合,正式な裁判を起こして争います(これを仮処分に対して「本案訴訟」といいます). でも裁判には時間がかかりますよね,時によっては何年も.だから,その間従業員であることを仮に定める仮処分をします.でも,この仮処分は任意の履行に期待する仮処分で,会社に強制することはできません. そこで,賃金仮払の仮処分というのを同時に申し立てます.この仮処分には,給料をもらえないと生活ができなく困る,という必要性が求められます.他からの固定収入,資産,家族の収入などが検討されます. でもこれらの要素は途中で変わってくることが多いので,本案訴訟の第一審判決の言渡しまでとか,解雇後一年間または仮処分決定後一年間程度の期限を区切った仮処分をすることが主流だと思います. 質問に即して言えば, 期間は解雇後一年を基準としたものだと思います. 他からの収入等があり仮払の必要性がなくなれば,会社は仮処分の取消しを申立てることができます(民事保全法38)
補足
>他からの収入等があり仮払の必要性がなくなれば,会社は仮処分の取消しを申立てることができます つまり賃金仮払の仮処分というのは、生活できなくて困るような場合に認められるので、他からの収入があれば、会社は支払わなくてもよくなる可能性があるんですね。仮処分の話はわかりました。 しかし、本案訴訟になって、この人が勝訴するような判決が出る場合、この人が社員の間の給与をもらえると思います。 問題は、この人はいつまで社員なのでしょうか(この人の場合でなくて、もちろん一般論でも結構です)。 定年までなのでしょうか。
- PTPCE-GSR
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補足をいただきましたので回答します。 >懲戒解雇を無効としたということは、法律的にいうと、今年の4月に法律関係に変化がなかったものと考える、ということだと思います。 おっしゃる通りです。1年後の解雇を認めるかのような事例は、過去の判例でも目にしたことがありません。(もっとも小生もそれほど詳しく読んでいるわけではありませんが) で、これまた推測なのですが、これは「大岡裁き」の可能性もありえます。つまり、解雇する側・される側のどちらの言い分も正誤を決めかねて、両者それぞれ譲歩した形で折り合いをつけたのかも知れないということです。 性同一性障害については、法が整っていない分野(法のけんけつ;漢字変換が出ない!)ですので、現在はまだ判例を積み重ねていく段階にあります。こういう事例が今後は表に出てくるケースが多くなるでしょうね。
お礼
ありがとうございます。
- akr8696
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決定書を見ないとなんともいえないのですが、民事保全法では、 保全命令を発した裁判所は、債務者の申立により、債権者に対し、相当と 認める一定の期間内に、本案の訴えを提起するとともにその提起を証する 書面を提出し、既に本案の訴えを提起しているときはその係属を証する書 面を提出すべきことを命じなければならない(第37条1項)。 とあります。つまり、仮処分によって与えられた地位はあくまで仮のもので、ある一定の期間内に正式な訴訟を提起しなければその仮処分決定は取り消される可能性があります。来年の4月までというのは、このような期間を考慮されているのではないかと思います。全く自信はありません。無責任な回答で申し訳ありません。
補足
ご回答ありがとうございます。 >仮処分によって与えられた地位はあくまで仮のもので、ある一定の期間内に正式な訴訟を提起しなければその仮処分決定は取り消される可能性があります。来年の4月までというのは、このような期間を考慮されているのではないかと思います。 もしこのご回答どおりだとすると、期間の根拠は労働基準法にあるのではなく、手続き的なことが根拠になっているわけですね。
- PTPCE-GSR
- ベストアンサー率47% (142/300)
Q1)来年4月までとのことですが、期間の根拠はなんでしょうか。 A1)推測ですが、条件を変更して「雇用契約」を締結し直した形を採ったのではないでしょうか。 期間の定めのある雇用契約は最大1年間(一部例外あり)ですので、5月1日から来年4月30日までと考えれば理解できます。 Q2)来年4月までは、会社に出勤せずに、別の会社に勤めたり、自分で事業を起こしたりしてお金儲けしても、解雇した会社は給与を払わなければいけないのでしょうか。 A2)これは、その会社の『就業規則』の規定によります。その会社で兼業や自営を禁止しているならば、服務規律違反で解雇される可能性はあります。 『就業規則』に定めが無ければ、給料を払い続ける義務があります。でも、会社は「出勤」を命じることができますので、実質的に兼業や自営は不可能でしょう。 Q3)この人が仕事が生きがいで、どうしても女性の格好をして出勤してきた場合、会社は追い返すことができるのでしょうか。 Q4)この人は、警察(か、よくわからないですが。)の助けを借りて、会社が出勤を邪魔してきた場合に、その会社側の行為を止めることができるのでしょうか。 Q5)毎月22万円の給与さえ払えば、会社はこの人の出勤を止めること自体は出来るのでしょうか。 A3・4・5)関連した質問ですので、併せて回答します。 会社は従業員を自宅待機させることができますし、現に解雇無効の判決を得た従業員を出勤させる会社は皆無と言っても良いでしょう。 その命令に反して出勤してきた場合は業務命令違反になります。(条件はありますが解雇される可能性もあります。) Q6)来年4月を過ぎたら、この人は社員ではなくなるのでしょうか。そのとき、退職金はもらえるのでしょうか。 A6)はい、社員ではなくなります。退職金については、その会社の退職金規程の定めるところによります。退職金制度そのものが無い会社も多いですし。 〔正社員〕から〔契約社員〕への身分の変更(A1参照)ということであれば、今年の4月時点で(規定があれば)退職金が支払われることになるでしょう。 Q7)今年4月に失業したものとして、失業手当をもらうことはできるでしょうか。 A7)失業しないのだから支給されません。お給料も払われるわけですし。 Q8)来年4月に失業するものとして、来年4月の分から失業手当をもらうことが出来るでしょうか。(正確にいうと5月か?) A8)考え方として、来年4月には解雇されることが明らかなのですからそれまでに再就職先を探す努力をするのが先です。 結果的に来年5月になっても就職先が無い場合には失業給付を受けられます。(雇用保険の被保険者資格は当然取得しているものとして) Q9)今回は、仮処分申し立てということなので、本格的な訴訟に移行するのでしょうか。会社側もこの人も主張を曲げなかった場合、いつこの人は社員でなくなるのでしょうか。 A9)正式な訴訟を前提に「仮処分申し立て」したものと考えるべきでしょう。しかし、地裁の判断が示されている以上は、これを覆す判決が出ることは考えにくいですね。 この人は「来年4月まで給料を払われる」のですよね。でしたら、5月1日から社員でなくなります。
お礼
続けて発言させていただきます。 懲戒解雇を無効としたということは、法律的にいうと、今年の4月に法律関係に変化がなかったものと考える、ということだと思います。 そうすると、その4月を起点に期間を考えるのはいいのだろうか、という気がしてきます。
補足
質問の意味がきちんと伝わったようで、ご回答も丁寧でたいへん感謝します。 若干回答に不明な点があったので、質問いたします。 >推測ですが、条件を変更して「雇用契約」を締結し直した形を採ったのではないでしょうか。 これは、「この人は、会社と、契約社員として契約しなおしたんだろう」という意味でしょうか。 だとしたら、そのような契約がなく、正社員として勤めることを主張しつづけていた場合は、どうなのでしょうか。 そうではなく、「裁判所は、契約社員として契約しなおしたと【みなして】判断したのだろう」とおっしゃっていますか? 懲戒解雇を無効と判断する場合は、このように、一度退社して「期間の定めのある労働契約」が締結しなおされたものと扱って判断することになっているのでしょうか。 それは、判例でそうなっているのでしょうか。それとも法律などに規定があるのでしょうか。 労働基準法14条で定めるのは、原則として最長1年とのことです。最長1年ということは、もっと短い期間でもよいことになります。懲戒解雇を無効と判断して、「期間の定めのある労働契約」が締結しなおされたものと扱う場合は、最長を適用することになっているのでしょうか。 それとも、裁判所としては、1年以内なら何ヶ月と判断してもよく、たまたま今回は最長を適用したのでしょうか。 ひょっとして、ご回答者さんとしては、以上のようなことが不明なので、「推測ですが」とおっしゃっています? だとしたら、ごちゃごちゃ書いて本当に申し訳ありません
お礼
確かに、(正社員であれば)理屈からすれば定年までだから、定年まではお給料をもらえるわけですね。 というわけで、今回の質問は解決しました。 ==================================== ただ、私個人の考えでは、契約関係(今回の件では雇用契約)がこじれて正常な状態でなくなった場合に長い間期間が経過して紛争が終わらないとき、(もちろん、責任のあるほう《今回なら会社側》がお金を払うとして)その契約関係は終了させたほうがいいんじゃないか、と思います。 >私なら和解を勧告します. そうですよね。