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ノーマル音響インピーダンス
オシロスコープで測定した電圧を音圧に変換し吸音率を求める途中式でノーマル音響インピーダンスを使うのですが、Z=ρc(Rn+Xn)のRn:音響抵抗とXn:音響リアクタンスをどのようにして求めていけばよいか分からず困っています。解き方または本のタイトルでもよいので知っている人がいるなら教えてください。よろしくお願いします。
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ノーマル音響インピーダンスというのは、参考資料 [1] の式(2.1)の Z のことですね。そして、式(2.2)の r と x をどうやって測定するのかという質問でしょうか。 音響インピーダンスの測定法に、定存波法(反射法)というのがありますが、これはノーマル音響インピーダンス(垂直入射の音場に対する音響インピーダンス)を測定するものです。資料 [2] に測定法が出ています。これは書籍ですので、同じ図が測定装置の図が出ている資料 [3] の 「3.2.1 垂直入射吸音率の測定:定在波法」の左側の絵を参考にしてください。 定在波法とは、資料 [3] の図にある「試料」のところに、音響インピーダンスを測定したい物質をおいて、プローブマイクロホンの位置を試料からだんだん遠ざけていったときの音圧の変化(図の下に出ているグラフ)を記録するものです。資料 [3] の図に、剛壁と書かれているのは、文字通り固い壁なのですが、音響インピーダンスが分かっている物質という意味です。 剛壁の音響インピーダンスを Z0 [N・s/m^5]、試料の音響インピーダンスを Z [N・s/m^5] としたとき、剛壁の前に試料が置かれた状態での音波の反射係数 R は R = ( Z - Z0 )/( Z + Z0 ) で表されます。R は複素反射率で、反射率の大きさ |R| と位相角 θ を使えば、R = |R|*{ cos(θ) + j*sin(θ) } と書くことができます( j は虚数単位)。 資料 [3] のグラフにあるPmax(最大音圧)とPmin(最小音圧)から、定在波比σが計算できますが、このσと反射率の絶対値 |R| とは次のような関係があります。 σ=Pmax / Pmin = ( 1 + |R| )/( 1 - |R| ) また、資料 [3] の音圧のグラフで、最初のPmaxのピーク位置と壁面(試料)との距離を L [m] とすれば、 θ= 4*π*L / λ となります。λは測定音波の波長 [m] です。 したがって、Z = Z0*{ 1 - {R|^2 + j*2*|R|*sin(θ) } / { 1 + {R|^2 - j*2*|R|*sin(θ) } Z の実部が r 、虚部が x です(Z0も複素数なら計算は面倒です)。 なお、マイクロホンの電圧と音圧との関係は資料 [4] に出ています。 [1] 斜め入射での吸音率 http://www.acoust.rise.waseda.ac.jp/publications/koyasu/k1.pdf [2] 西巻正郎 「電気音響振動学」 コロナ社, p.228(9.8 音響インピーダンスの測定) [3] 3.2.1 垂直入射吸音率の測定(p.2) http://www.arch.kobe-u.ac.jp/~en1/acoustenv-slide-web/7.pdf [4] 音圧の定義・マイクの音圧感度 http://www.ince-j.or.jp/03/page/doc/term-a.htm